Only one
この時期おいしい果物…梨。私の住むこの辺りは梨の産地で、この辺りで採れる梨は志太梨といいます。私の通っていた中学校の周辺には梨畑が広がり、春、梨の白い花が一面に咲く風景を教室の窓から見て育ちました。だから。。。という訳ではないけど、甘くてジューシーな梨が大好きです。10数年前、父が孫たちのために梨の木を数本植えました。梨の栽培は受粉やその後の管理などとても大変らしく、店先に並ぶような大きな梨は思うようにはできませんでした。やっと大きく育った数少ない梨も鳥に食べられてしまって、なかなか私たちの口には入りません。そのため最近は梨の木はほったらかしにされています。そんな梨の木に今年、たったひとつだけ大きな梨が実りました。春にはたくさんの白い花が咲き、そのうち幾つかは小さな実をつけました。でもいつの間にかまたしても鳥にやられ、今年は絶望と思っていたのに。。。鳥も見逃したのか、枝の先の方にひとつだけ生き残った梨は、無事に大きく成長しました。そして収穫されたたったひとつの梨。梨の木一本分の養分を最後まで独り占めして大きくなった梨。形は悪いけど、どんなに甘くておいしいんだろう・・・?でも。。。食べられない。。。何かもったいないというか、かわいそうというか。。。食べられない。。。この梨、いったい誰の口に入るんだろう。。。