ブルーベル滞在記(その7)
仕事の話も少しは書かないと、まるで遊びに行った様なので触れます。コンピュータ・メーカーがOSI商品を開発する場合には実装規約に基づいて作ります。実装規約とはISOの基本標準を基にして各機関が作ったサブセットで、日本ではINTAP(情報処理相互運用技術協会)が作成しています。一方アメリカのユニシスはNBSという米国の機関の実装規約に従って開発しており、そのままでは日本の各メーカーとまともに接続することが出来ません。OSIと言えども残念ながらそうなのです。 そんな訳で米国ユニシスで開発中のOSIファイル転送ソフトである“FTAM”に、INTAPで必須となる機能を組み込む為の改造を行うのが私の仕事でした。そもそもFTAMをやり始めて間もない上に、英語が判らない。おまけにテープで持って行った、お気に入りの全画面編集エディタはOSの環境が違うので動かない。始めの三か月は仕事らしいことがほとんど何も出来ませんでした。 ユニシスではいろんな国の人が働いています。OSIの部署も例外ではなく、誰かの誕生日にランチオンをした時など十人位で六か国の人が集まりました。またベトナム人のドミニクは日本語を勉強して居り、全然違うセクションなのに昼食時カフェテリアで捕まると、にわか教師にされてしまい食事をしながら日本語会話のレッスンです。それから非常に太った人が多く、毎日見ていると自分の体重が余り気にならなくなってしまうので良くありません。【追伸】書いてて虚しいことに、OSIというのは、この単身赴任時代にはバラ色のように言われてたのに、今ではTCP/IP全盛で、ヨーロッパ以外ではほとんど生き残ってないというのが、少し悲しいかも。