カテゴリ:うたのおけいこ
坂本野原 母校なる小学校の校庭は死屍累々の血の海なりき 人魂が出るから夜は近づくなと誰いうとなく戒められき 前回(昭和39年・1964)の東京オリンピック 東京もわが宇都宮も焼け野原そして十九年を閲せり 国滅びオリンピックでよみがえり唯一無二の成功体験 天皇がじっと立たれてあの長き入場行進見つめたまえり 天皇が開会宣言したまいし時に日本はよみがえりたり 荘厳な今井光也のファンファーレ津々浦々に響き渡れり 君が代の変奏曲と思うのだ古関裕而の不朽のマーチ 学校の授業は中止。皆で見し小さき白黒画面のテレビ 両腕にたぎる血潮の見えたりき重量挙げの三宅義信 円谷が気の毒なりきゴール前ヒートリーのやつ抜きやがって 神永が敗れし時し柔道は世界JUDOへと羽ばたけり 今はなきソ連に勝ちて鬼の目に涙地で行く大松博文 練習はつらいだろうと恐怖すら子供心に覚えたあの日 東洋の魔女が笑って泣いていた日本人の写し絵だった もう一度東京五輪を見るまでは死ねないという老人多数 にっぽんは大丈夫だと月並みな感想なれど若人よ愛し オリュンポス山の麓のギリシャ人の祭、人類の祝祭となれり 人類の唯一無二の試練なりパンデミックのオリンピックは オリンピック東京大会ロゴ(亀倉雄策、1964) ウィキメディア・コモンズ パブリック・ドメイン お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年08月18日 19時06分17秒
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