カテゴリ:うたのおけいこ
坂本野原
県内のプールすべてがこの夏は営業休止 コロナが憎し 甲子園球児とオリンピアンだけは若者といわず若人という スポーツは理系思考を基礎とするけれどそこから詩が湧き出ずる ひたむきな人の姿に文系も理系もなくて美と詩あふるる *「湧き出ずる」、「あふるる」の連用形(もしくは連体形)は文法的には誤謬だが、動的な感じを出したくて、あえて「詩的許容(ポエティック・ライセンス)」を適用する。これは古今東西、詩的表現においては容認されている技法で、実例も多数である。 有酸素持久力系スポーツに憧れをいだいてきたよ楽しかったよ 無酸素の瞬発力のスポーツに興味が持てず いちおう見てるが さくらさく桜が夏に咲く快挙四十住さくら初代女王 天海が江戸東京に結界を張りめぐらした そんなの常識 indeedのCMすごくやな感じ 斎藤工ばかにされてて 僭越ながら、どうも気になっているので、ちょっと批判させていただきたい。 まず前提としては、シリアルな(シリーズの)長寿CMとして、あの手この手で長きにわたり大変面白く楽しませてもらっていることは確言しておきたい。毎回映像も美しく完成度も高い。お疲れ様です。 ところが最近、同業他社相食む競争厳しき求人情報業界で1位を勝ち取った事実を示威・喧伝したい広告主からの強い要望/圧力があったのだろう、これまでのほのぼのとしつつアイデア満載でセンスのいい作風ががらりと変わって、急にある種のネガティヴな感じをまといだした。そのあたりの背景事情は容易に推測でき、スタッフの苦慮は重々お察しする。 会社が1位になった事実を言うのは構わない、どころかCMとして当然ですらあるだろう。斎藤工演ずる男がそれを言う。そこまでは何の問題もない。 が、泉里香演ずるパートナーの女が、やや人格攻撃に近いような、上から目線な感じで男の言葉に文句を言う。そこにカチンと来る。視聴者としては、何気なくテレビを見ていると、それを何度も何度も繰り返し見せられる感じになる。 心理学的には、(限定的な世界で、割と微細な)順位とかランキングとかにこだわるのは、むしろ女性の方というのが定説で、いわゆる「マウンティング女子」的な言動などはよく知られている。そういったことは、男性は能動的な社会的活動感、ひいては充実感・満足感や達成感の中で昇華し、比較的気にしないのではないか。 頻繁に新作がアップデートされ流されているこの美男美女カップルのコマーシャルは、上記の「大人の」事情もあって、どんどん変な、いやな感じの、反感を買う方向に進んでいっているような気がしてならない。監督(ディレクター)は今やいったい何がしたいのか見失っているのではないか。私は、出演者二人ともけっこうファン(特に斎藤工)なので、なおさら気になるところだ。 いわゆる普通の商業的な(コマーシャルな)月並みの表現に対して、ある種の斜に構えた批判精神を滲ませているごとき意図は全く分からないでもないが、それは失敗していると思う。 あるいは、見る者をイラっとさせて注目を惹く、一種の「炎上商法」みたいなものに走ったか。この疑いも完全には捨てきれない。もしそうなってしまっているのなら残念である。 今、テレビを見ながら書いていたら、また流れた。やはり確かに不快である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年08月16日 06時23分45秒
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