〔寸評〕
日本人に多いといわれる神経質性格(≒ 今でいう
ハイパー・センシティブ・パーソン、HSPと
おおむね近似の概念)の皆さん、必読の書です。
私自身、10代ではこんな性格で悩みましたが、
当時はかなり難しかった心理学、精神医学や
(いわゆる「潜在意識」を扱う)精神分析学、
自律訓練法などの書籍を読み込むことで、
20代で自ら克服しました。
抑鬱状態(鬱病の一歩手前)になっていました。
思い出したくもありません。
その主因は、当時から分かっていました。
非常に自己中心的で、支配的・抑圧的な父親が
無意識の超自我(スーパーエゴ)の「幻」と
なって私をさいなんでいたのです。
世間ではよくある事例です。
克服後は、自己肯定感と基本的な世界肯定感が
高まり、正当な自己主張も出来るようになり、
暗黒時代だった思春期・青春期の自分に
別れを告げました。
ただ、当時の過敏・繊細で自虐的だった感覚は、
例えば私の短歌作品の中にいい意味で保存され、
決して無駄に消え去ったわけではないのかも
知れません。
今では、そんな難しかった諸学問の成果が
こんなに分かりやすくまとめられた
易しくて優しい本が手軽に読める時代になり、
隔世の感があります。
私の周辺にもこうした人はけっこういます。
退職したり病気になった元同僚も複数いました。
その苦しみは、本人はもちろん、周りにも
伝わります。特に、何かの拍子で
職場の上司になると、部下はきついでしょう。
些細なことでくよくよ、ぴりぴり、いらいら
しがちで、思考がネガティブで愚痴っぽく、
もやもやして眠りたくても眠れないあなたに、
プラクティカル(実践的)な「オアシス」の書。
薬とかに頼る前に、まずはこの一冊。
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