カテゴリ:百人一首
小倉百人一首 四十九
大中臣能宣(おおなかとみのよしのぶ) 御垣守衛士の焚く火の夜は燃えて 昼は消えつつものをこそ思へ 詞花集 225 皇宮の門を守る兵士たちの焚く篝火のように (私の恋の情火は)夜は燃え盛り 昼は消え入るごとくに 狂おしく思い悩んでいるばかりだ。 註 御垣守:平安時代当時、皇居(現・京都御所)の諸門を守った警護の兵。「御垣」は、もと皇居の垣根の意味だったが、転じて御門の意味になった。枕詞(まくらことば)ではないが、ここでは「衛士」に掛かる枕詞のように用いている。 衛士(えじ):御垣守に同じ。衛視。警備官。 夜は燃え昼は消えつつ:夜は恋の炎に身を焦がし、昼は沈淪して思い悩みつつ。「燃え」と「消え」の対比が洒落ている。どちらもヤ行の活用なので、歴史的仮名づかいはこのようになる。 (ものをこそ)思へ:係り結び。命令形ではない。「燃え」と「思へ」が韻を踏んでいる。けっこう技巧的な一首である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年06月07日 02時53分09秒
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