カテゴリ:うたのおけいこ
坂本野原 熊五郎の夏
吾輩は熊五郎なり古き良き時代遅れの男なりけり おととひかきのふ初めて蝉の声うるさきほどに空に響きぬ 来週は宮まつりだねくまむすめ二十回目の夏のはなやぎ その次の週には花火大会が鬼怒川べりで開催される 浴衣着て寝そべりたいな鬼怒川の河川敷にて見上ぐる夜空 大洗の海の家にて姐さんが焼いたはまぐり焼きすぎだつた 大洗の浜辺で蜂に刺されたねUVカットの香りを嗅いで 手を引いて歩んだ娘いまはもう自立寸前 行かないでくれ 民法や環境科学論じつつ夕餉楽しむ吾子の成熟 こころみに禁治産者の認定はだうするんだと娘に問ひつ 生き写しの娘の顔と対等に向き合ひをればいとどかなしき 二十年子育てをして十八年ブログを書いて楽しかりけり それなりにつらかりしこと多かりし父の来し方理解してゐる 人生はおほむね予定調和にてディテールのみに個性はあらむ 父と娘のシミュレーションの恋愛は残念ながら他者へと向かふ このやうにして遺伝子は引き継がれ一代過ぎゆく 本望である 海がない栃木県にも青空の大海原に涙の漣 貧乏を背景とする文学の不可能性はやむを得まじよ 貧乏の情緒はすでに過去のもの革命なんてもう無理だよね ハングリー精神なんてもうないし田中角栄杳き伝説 白河に始発でラーメン食べに行く東北線に乗る目的は オリュムポス山の祭りに神々はつどひたまへどいくさ終はらず まおんだと思ってゐたら意外にもまひねなのだといふ佐々木アナ * 旧かなづかひ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年08月05日 05時56分57秒
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