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カテゴリ:孫子・三国志
12日の日記(孫子の兵法で夫婦円満)で、かずめさんから、とても重要なコメントを頂いた。
・リーダーシップの要素として絶対欠かせないものは「配慮」 ・厳しい指導をする上司であっても「配慮」があるかないかで 部下のモチベーションは随分違ってくる。 僕も会社では管理職という立場にあるので、この意味が良くわかる。 わかるという表現は、ちょっと生意気かもしれない。正確に言えば"わかるようになってきた"だろう。 僕は、これに加え、フェアであることも重要だと思う。 このコメントからasahi.comの以下の記事を思い出した。 三菱自動車が東京・品川にある本社を06年度までにエンジン工場のある京都市に移転させる計画を白紙に戻す公算が大きくなった。移転する場合の退職希望者数が想定を超える1000人規模に達し、移転を強行すれば通常業務に支障が出る可能性が出てきたためだ。三菱自は年内にも京都市側に撤回を申し出るとみられる。 思わず笑ってしまったのだが、これは明らかに従業員への配慮が欠けたために起った失敗。 経営陣の不祥事が相次いで発覚し、従業員の信頼を失った状況での決断としては余りにも浅はか。 京都へ移転するということが経営を立て直す上で重要な戦略であれば、やるべきだろうが、従業員という最も大切な経営資源の扱い方としては御粗末としか言いようがない。 この例から以下のことが良くわかる。 ・配慮が欠けたリーダーには人はついてこない ・権威に頼った統制は、逆境時には機能しない。 孫子の中にも、こういうフレーズがある。 「卒(そつ)の、未だ親附(しんぷ)せざるに之を罰すれば服(ふく)せず、服せざれば則(すなわ)ち用い難きなり」 (兵士が、なついていないのに兵士に厳しくするなら、兵士は従わない。) 孫子は、一見、当たり前と思われる内容が多いが、それを記憶していることと、習得していることとは、まったく違う。 三菱自動車の経営陣ともなれば一人くらい、孫子を読んだことがあるだろうが、脳の奥に蔵ったままだったのだろうか? しかし、そんなこと知らなくても、わかるんじゃないかな~? 僕は、こういった記事を見て、単に批判して憂さ晴らしをするつもりはない。 これに類似するミスは程度は違っても、誰でも起こりえる。 反面教師として、そこから学ばなければ意味がない。 前記の例とはちょっと違うが、僕にも配慮が欠けた失敗はある。 僕が管理職になりたての頃、自分が管理するプロジェクトチームに問題児がアサインされ、信頼関係のないまま、叱ったことがある。 クライアントに迷惑をかけてはいけない。 奴は、だらしない。プロ意識が足りない。 自分がやったら、もっと早いのに... ああ、自分がやるしかない! 不満爆発 ... とにかく余裕が無かった。 こういうことをしてしまうと、叱られた本人は聞く耳を持たなくなる。 それは本人にとっても、僕自身にとっても、会社にとってもマイナス。 僕が彼に言ったことは間違っていなかったが、付き合いが短くて慣れない上司が怒りを露にしている状況で、彼が真意を理解する力があったかというと、おそらく無かったであろう。 僕は叱ることが悪いと言っているのではない。 モラルやルールを守ることが組織にとっては原則であるから、時にはそれを乱す者を叱ることも必要だ。 しかし、叱られた本人が理解できなければ失敗である。 もし、叱る相手が、たちが悪ければ、裏でデタラメな悪口が流れたり、足を引っ張られたりすることもあるだろう。 叱ることを感情的に行なってはならない。 叱る相手が、それによって改善されるかどうか?よく状況を考えた上で、理性を持って行うべきだ。 叱る前に、必ず、以下の2点をチェックする必要がある。 ・信頼関係はどうか? ・相手の理解力はどうか? これが成り立たなければ、叱ることは、人間関係を悪化させるだけ。無駄だ。 これは子育てでも言える。 偉そうなこと書いたけど、これは自分に言い聞かせていること。 言うは易し、行うは難し。 本音はというと、 リーダーも親も本当に大変! 時には、「それじゃ、自分の感情はどうすれば良いんだ!」と叫びたくもなる。 僕は、そういうとき、自分の使命を十分理解していないからだと自分に言い聞かせて納得している... それにしても近ごろの日本の大企業が起こす不祥事を見ると、往生際の悪い経営者が多いなあと思う。 本当に自分の使命を理解しているんだろうか? いつか、この問題と原因について思うことを日記に書いてみようと思う。 ※最近のニュースによると、三菱自動車は本社を2006年に京都へ移転することになったみたいです。どう折り合いをつけたんでしょうね?とにかく労使の信頼関係を早く戻して良い車作ってもらいたいですね。デリカには世話になったので。 時事通信 - 株式ニュース 【楽天ブックス】『孫子の兵法』(著者: 福田晃市 ) ※この本は、『孫子の兵法』十三編を非常に単純なフレーズに訳していおり、解説を加えているので、わかり易い。 自分の経験を当てはめてみると、独自の教訓集が作れそうで面白い。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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