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2005.09.19
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カテゴリ:孫子・三国志
こんにちは。
疲労は消え、すっかり元気になり、久しぶりに日記を書く気になった。

今日は、ここ数年、複数のクライアントの仕事を通して感じていることを書きたい。

キーワードは、「兵は拙速なるを聞く」


実は、明日、あるクライアントへの報告会があり、1時間程のプレゼンを行なう。

クライアント企業の業務改革の構想に対して、評価・アドバイスを行なうのだが、どういう結論に持っていこうか?

判断が難しい大きな課題がひとつある。

(a)理想を追求して、時間をかけ、全社レベルで、完璧な形で改革を行なうべきか?
(b)完璧ではないが、問題意識を持っている部門を起点に、今やれることを、早く、一機に改革を行なうべきか?

クライアントは、どちらにするか悩んでいる。(こういう企業、近頃多い)

これまでの調査で得た情報を論理的に分析すれば結論は(a)になる。
しかし、論理だけで判断することは危険。
僕の結論は(b)にした。

(a)の場合、経営トップが、その気になって、リーダーシップを発揮すれば、時間をかけなくても、一機にやれるはずである。
日産のゴーン改革がそう。
しかし、多くの日本企業の場合、経営トップは、しがらみだらけで、決断ができない。
検討に時間をかけているうちに、社員のモチベーションは下がり、形骸化してしまう。

こういう、しがらみの多い企業は、完璧主義に走らず、ひとつの部門の改革を突破口として、改革を波及させ、全社的な改革へと進めていく方が良い。

孫子の一節

「故兵聞拙速 未睹巧之久也(故に、兵は拙速(セッソク)なるを聞くも、未だ巧久(コウキュウ)なるを睹ざるなり)」

★改革はタイミングや士気が大事。
★ベストではないがベターな計画をサッサと実行する。

特に日本人には、これが当てはまるように思う。

日本の社会には、しがらみだらけの人間関係が多く、いきなり全体を変えようと思っても、なかなか人は動いてくれない。

しかし、日本人は雰囲気には弱い。

それはマーケティングの世界でも言える。
商品やサービスも20%のシェアを超えると一機に普及するのが日本のマーケットの特徴。

これは日本人の集団心理の特徴なのだ。

企業内組織においても同じ。
全社的業務改革が必要な場合でも、ある部門が一致団結して率先して動けば、その雰囲気は、他部門にも伝わり、共鳴が起こり、予想以上の成果があがる。

やれるところから、早く、真剣にやることが大切。

そういえば、郵政民営化も同じだ。
郵政民営化ですべてが解決するわけではない。
しかし、何かをきっかけ、突破口にしたい。
国民は変化に飢えている。
停滞している時代は、一層、こういう傾向が強くなる。

いつも改革が頓挫する企業は、考え方を見直した方が良い。
憶測だけで、ああだ、こうだ、結論の出ない議論を繰り返すのではなく、
意思決定に必要な情報があれば、さっさと収集し、割り切るところは割り切り、さっさと決断する。

明日の報告会では、このメッセージを、どのように伝えようか?
論理思考だけでは、こういう結論は、とても出せない。
しかし、改革とは、人が行なうもの。
論理だけでは説明できないことが多い。
心理学の世界だ。
こういうときは孫子を引用するに限る。

「兵は拙速なるを聞く」

これで行こう!

孫子とビジネス戦略
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最終更新日  2005.09.20 10:58:15
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