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カテゴリ:孫子・三国志
今日は、久々に自分の書斎(かみさんは納戸と読んでいる)の整理をしている。
孫子関連の本もバラバラになっているので一箇所にまとめよう。 それにしても孫子だけで、いろんな本を買ったものだなぁ。 これは自分が孫子を、まだまだマスターしていないということか? 確かにそうかもしれない。 孫子は6000字余りの短文である。 その中に人生成功のための知恵が詰まっている。 孫子は奥が深い。 この短文を覚えたからといって、すぐに使いこなせるわけではない。 孫子を役立てるには、孫子を活用した事例を多く学び、いつでも、どのような場面でも、孫子に当てはめて思考する習慣を身に付けておく必要がある。 人生経験の豊富な人は、孫子を自分の過去の成功・失敗体験に当てはめ、すぐに、なるほど!と思うかもしれない。 しかし、ひとりの人間が経験できることは限られているし、人生経験の浅い若い人は、できれば失敗する前に心得を知っておきたいだろう。 そう、この世の中には、孫子でタブーとされていることを平気でやってしまい、失敗する人が余りにも多い。 そんな様子を見ると、孫子を早く学んでおけば、失敗しなくて済んだのに...と思う。 ゆとり教育を見直すなら、孫子を取り入れ、若いうちから学べと言いたい!? そういう僕も孫子を読んだのは社会人になってから。 早く孫子に巡り合っていれば、もっと成功したのにと後悔している。 だから、今でも、いろいろな孫子の本を買って読んでしまう。 孫子が現代においても多くの人たちから支持される理由は、人間関係において心理の攻防を制することに威力を発揮するからだろう。 また、孫子は、相手を侵略するということではなく、相手をリードし、優位なポジションを確保し、生き残る(共存する)ということを主眼においている点が現代の様々な状況に当てはめやすいからだろう。 孫子の応用範囲は、 ビジネスにおいては、経営戦略、営業戦略、マネージメント、各種交渉事... プライベートにおいても親戚・親子・夫婦・友人・学校などの人間関係、生活設計、資産の運用... など、とにかく幅広く活用できる。 今日は、本の整理のついでに、僕が読んだ孫子関連の本を数冊紹介しよう。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■歴史や戦争ものが好きな人にお勧め ■「孫子の兵法」がわかる本(守屋洋 著) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 孫子といえば、中国文学の第一人者 守屋洋が権威と言って良いだろう。 この人は歴史家で、大昔の戦争を英雄達はどう戦ったか?を中心に孫子を解説しているので、 歴史や戦争ものが好きな人だったら、興味深く読めるが、こういうものに興味のない人にとっては、ちょっと、しんどいかもしれない。 『三国志』の英雄、曹操・諸葛孔明、武田信玄、皇帝ナポレオン 孫子を学びたいと考えていて、かつ、こういう人物に興味がある人は、この本をお薦めする。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■手っ取り早く孫子を学びたい人にお勧め ■孫子の兵法(著者 福田晃市) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 戦争は興味はないが、孫子のエッセンスを手っ取り早く学びたい人は、この本がお薦め。 右ページが孫子のフレーズ、左ページが、訳、解説、中国史のエピソードといった構成。 訳が現代にマッチしていて、とてもわかりやすい。 例えば、 右ページ 「佚(いつ)にしてこれを労し、親(しん)にしてこれを離す。」 左ページ 直訳 「元気なら、疲れさせる。仲良しなら、仲たがいさせる」 現代向けの訳 「敵が強いなら、まず、弱める努力をせよ。」 解説「どんな難問でもバラして弱めれば、容易く各個に解決できるもの。」 この本は小さく持ち運びに便利。 簡潔に書いてあるので、孫子のチェックリストにもなる。 ちょっと不満を言えば、どうせ、こんなにわかりやすい本を出すなら、中国史のエピソードよりも、ビジネス上の事例を載せたら良かったのでは?(これは意見がわかれるところであろう) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■経営戦略、マーケティングなどビジネスに孫子を役立てたい人にお勧め ■孫子とビジネス戦略(守屋淳 著) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ この本を読めば、いかに成功した経営者の多くが孫子を学び、経営に役立てているかがわかるだろう。 マイクロソフト、アサヒビール、ペプシコーラ、3M、こういった大企業の経営者は孫子を活用し会社を成功に導いている。 特にマイクロソフトのビル・ゲイツは、現代の曹操(三国志の英雄)といえる程、孫子的な大戦略家だと思う。 とにかく彼は情報を大切にする。(特に悪い情報を) そして、内省的で、自分の間違いを認め、軌道修正できる。 これは、水に象って柔軟に敵や状況にあわせていくという孫子の心得そのもの。 マイクロソフトはインターネットが普及する前に、すでに王者だったが、現状に甘んじることなく、インターネット革命の中、自社の商品の殆どを見事にインターネット対応させ、ネットスケープなどのライバルに、その座を譲らなかった。 これはマイクロソフトのような大企業の場合、とても難しいこと。 商品をインターネット対応している途中、いわゆるペーパー(蒸気)ウェアという手法で持ちこたえた。 競合製品が販売されると、未完成の製品のロードマップを示し、大々的に宣伝し、ユーザーが裏切らないよう何とか待たせた。 孫子には「戦いは、正(せい)をもって合(がっ)し、奇をもって勝つ」という格言があるが、これはマイクロソフトという巨人であっても、正攻法だけでなく奇道を使って生き延びたということであろう。 その他、この本を読むとマイケル・E・ポーター、フィリップ・コトラーといった経営戦略やマーケティングの権威達の理論が孫子を参考にしていることがわかる。 敵を競争相手に例えたら、マイケル・E・ポーターの「競争相手にやけを起こさせると、重大な結果を招く恐れがある」(競争優位の戦略)は、まさに孫子の「窮寇に迫ることなかれ」。 コトラーは自著の中で孫子を度々引用している。 敵を顧客に例え「敵(顧客)を徹底的に知り、その動きに柔軟に応じて、相手の弱みをつけ」というのがコトラー流のマーケティングの精神ということになる。 今、ライブドアのニッポン放送買収劇が話題になっているが、これを孫子に当てはめ、誰が、どんな心得を元に戦略をたて、だれがタブーを犯して失敗したか、考えてみると面白いだろう。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■管理職、プロジェクトリーダーの人にお薦め ■『そうなんだ! 「孫子の兵法」のことが、マンガで3時間でマスターできる本』(安恒理 著) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ この本が、一番、一般のビジネスマン、サラリーマンに使える本。 部下とのやりとりの中で孫子の心得を具体例とマンガで教えてくれる。 例えば、 「告ぐるに言をもってするなかれ」 → 指示は一度にひとつ これは管理職にとって基本中の基本の心得。 気が付いたことをすべて言ってしまうと、どれも理解できなかったり、うるさいと感情的になったりするからなぁ。 この本、楽天ブックスでは、まだ販売されていないようで残念。 最近発売した本なので、大きな書店にはあると思う。 是非、読んでみてください! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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