第一話:STORY END
妊娠しているということに対して感じたことは「へぇ、そうなんだ」だけ。周りの皆は「早くおろしなよ!」なんて慌てているが意味がわからない。あの父親に限っては「ふざけるな」とかいって殴ってきた。そして母親は泣き喚きうるさい。何故、そこまで大騒ぎするのだろうか。ただ単にお腹に命を授けただけなのに。自殺すれば良いだけ。自殺すればこんな世界からようやく抜け出すことが出来る。 そう思ってここにたどり着いた。区内で一番の高さといわれる「センター・タワー」の屋上。ここは人も少なく自殺には正に絶好の場所であった。飛び降りようとフェンスをさっと乗り越え、前にとそびえる景色に目をやった時に人生で初めて心から美しいと思った。「…初めて美しいと思うのがこんな時とは」思わずつぶやいてしまった。自殺が怖くないといえば嘘だ。でも、これから生きるのに比べていけば怖くないそう自分に言い聞かせて飛び降りようとした。「自殺しようとしてるんでしょ?」突然声をかけられて驚いて振り向いたときに倒れてしまいそうになった。振り向くとそこには大学生と思われる世間でイケメンと呼ぶであろう男が居た。「君、自殺しようとしているんでしょ?」「あんたに言う必要ないでしょ」「理由を教えてもらえないかな?」「…この世が嫌だから」「ハハハ、面白い事いうね」何者?こいつ「なんとでも言えば?私は死ぬから」「君は死ぬのが本当は嫌なんだろう」その言葉を聞いた瞬間心の中に迷いが生まれた気がした。「そんなわけないでしょ!」半ば自分の気持ちを押し切るような感じに言った。「今君が強く言ったのが証拠さ。君は死にたくない。」どうしよう、どうしよう。自分の気持ちの中にもうヒトツの気持ちが生まれてきて自殺が突然怖くなってきてしまった。そんな気持ちを振り切ろうとしても振り切れない…。「うわーーっ」その瞬間涙が溢れ出てきて、思わずしゃがんでしまった。「…な…なんでよ…どうしてそんなこと言うの…」「君を死なせたくないから」男はそう一言、強く言った。 続きは今日の予定です。昨日中に更新する予定が遅くなってしまって申し訳ありません。でも考えていくの楽しいなぁ。