薔薇伝説EPISOD13 「ありえない殺人者」
調子にのってきたので薔薇伝説EPISOD13を 薔薇伝説EPISOD13「あり得ない殺人者」 女の視線は妖しく美しい、その表現どおりだった。「何がしたい…そんなことは関係が無い」 「殺したいから殺しただけです」女の表情は変わらない。 「ですから何故!」「理由は簡単です―薔薇に見初められたから」二人の間を生ぬるい風が吹きぬけた。男はこの女の恐ろしさに今気づいた。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~「どういうことなんだろう」石原は考えていた。徳寺美咲、山乃緑、大月さゆり 同じ局内の人気アナウンサーが連続で死んでいる。それは偶然とはいえない。「犯人は誰なんだ?」いったい誰が?そして何より何のために?「そして…誰が次に?」~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~鏡の中にうつる自分の姿を見て、驚いたもののやはりとおもった。美咲、緑そして大月が死んでから自分の中で「次は私では無いのか?」とずっと恐怖におびえていた。殺される理由は知っていた。それはもう心の彼方遠くに忘れられた事実だったが。しかし、誰がこんな事をしているのかが分からなかった。それに大月の死因は心臓発作だ。どうやって心臓発作など起こすというのだろう。「どうにかしてよ…」やり場の無い恐怖にいらついていた。何故あんなことをしてしまったのだろう。あの日、あんなことをしなければおきなかったのではないのだろうか。「しょうがないじゃない…」あの時の私たちは追い詰められていた。だからあんなことを…そのときだった。鏡を見ると、後ろに人が居た。それは恐ろしい光景だった。黒づくめの衣装にオペラ「ファントム」の様な仮面。「い………や………」顔が見る見るとゆがんでいくのが分かっていった。口から何か発することは出来ない。本当の恐怖の時人は声を上げることは出来ない。まさにそうだった。そして彼女にさらなる恐怖を与えたのはそのときだった。黒尽くめの人物が、服を脱ぎ仮面を外したとき。「えっ…………………」そこに居たのは居てはいけないあり得ない人物であった。―どうしてよ…「サヨナラ」そう後ろの人物は言うと、ナイフを背中に…「う…」とてつもない驚きと恐怖の中で死んでいった。殺した者は静かに去っていった。死体が発見されたのは10分後だった。