南風一の世界

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• 優柔不断

  優柔不断　　南風一 私が仕事から帰る2時間前という「お得な情報です」と言って車購入の提案書を置いて行ったという1か月前の定期点検のとき「マフラーに穴が開いています」と言われて部品交換には５万円かかると見積もってくれたタイヤのひび割れが目立ってきましたと言われたのが３月の定期点検のとき来年の車検費用のことを考え合わせると１８年乗った車を維持するよりもここは新車に買い替えた方が得かなと考えたそれで来春までに車の提案を依頼していたのだった結構高価な買い物だからこれまでずっと先延ばしにしてきたディーラー担当者のセールストークにはいつも曖昧な返事を繰り返してきたそんな私がこんなにあっさりローンを組んで車を購入しようと決心したのだから何がきっかけになるか知れたものではないもしタイヤの交換とマフラーの交換と車検が一緒にやって来なければ１９年目も車に乗り続けようと思ったかも知れない恋い焦がれた女性のことはすっかり忘れることにして今の妻と結婚したことだって感情の方を優先していたら今の生活も子どもや孫も人生も違っていたのかも知れない （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/10/24

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• 休日

  休日　　南風一休日にきみに電話したとききみの名前を言えばきみの名前を呼ぶ声がして暫くすればきみは電話口に出て来た１７、８の乙女が休日に家で燻っているなんて高校生の私からしても不思議だったそれが何十回かけても一度としてきみが不在だったことはないきみは一体何をして過ごしているのだろう？と不思議に思っていたテレビを見るか自室で自慰行為にでも耽っているかまさか品行方正なきみのことだから幾らなんでも自慰行為はないか？そんな１７、８の頃のことなんてすぐに過ぎてしまって何処かに消えてしまった （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/10/12

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• 美

  美　　南風一 何も美術館にあるような芸術品のことを言おうとしているわけではない素朴に１６、７の娘や２０代の成人女性の裸体を見たとき目を見張って感動に似た胸の高まりを覚えるそれが美というもの人間以外の例えばゴリラにとって１６、７の娘の裸体を見たところでそれは人間というものの肉以外の何物でもない感動など覚える代物でも何でもない人間の男にとってだけ感動的な美と感じられる女の裸体ゴリラや他の動物にとって何ぼのもんやという代物人間の男にとってだけ美しい （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/10/10

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• 証（あかし）

  証（あかし）　　南風一 ４０年が過ぎてきみに俺が惹かれていた証きみもことさら何処の馬の骨とも分からない俺のことなど好きでも何でもなかったけれどそれでも俺が電話をかけたときには長電話に根気よく付き合ってくれた今もしきみに再会できたとして俺がきみに求めるものそれはセックスくらいしか思いつかないけれどそれでもって俺がきみに惹かれていた証きみがおぼろげながら俺に好意を持てるかもと思った証として受け取れるものかどうか？他に何か適当なものがあるかどうか？セックスでやっぱりきみのことが好きだったと思えるものかどうか （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/10/04

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• 赤ん坊

  赤ん坊　　南風一 月曜日から金曜日まで日付を忘れてただ起床して寝るだけの生活そんな生活の中で人生の意義というものを感じさせるものがあったとすればそれは孫の誕生かなガラス窓の向こうで小さな籠のような台の中で赤ん坊がたまにびっくりしたように手を上げたり顔をかいたりしながらすやすや眠っている息子に似ていると想えば息子に似ている奥さんに似ていると想えば奥さんにも似ている１時間の面会時間の間妻と二人で眺めていたけれどなかなか不思議な赤ん坊 （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/08/29

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• かりそめ

  かりそめ　　南風一 まだ大人になりきらない頃のことはどれもこれも宙ぶらりんのまま夕暮れが来て公園の片隅に誰かが置き忘れてしまったボールのように明日になればまた子どもたちの手に戻って賑やかに公園を転がり弾むときが訪れるのだろうかそれとも忘れてしまった少年か少女はボールで遊ぶことなど卒業してしまってボールが持ち主の手に戻ることはないのだろうか大人になった少年や少女が公園で駆け回っている姿など見たことはないね （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/08/23

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• 裏返し

  裏返し　　南風一信じようとした想いが強いほど裏切られたときの腹立たしさは深いのかも知れない「どんな顔して（電話を）かけて来たの？」「奥さんに恥ずかしくないの？」「もう少しで騙されるところだった」それが俺の結婚を伝えたときのきみの言葉それから３０年きみと話したことはない多分これからもきみとは話すことはないだろう （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/08/22

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• 輝く

  輝く　　南風一子どもは誰もキラキラ輝いているさあこれからでかいことをやってやるという野心で弾けるような笑顔をしている何不自由ない暮らしぶりだったのに夫の定年を潮時に請われるままに他の男の下に走った美人の奥さん1年が過ぎて新しい可能性を満喫しているだろうか定年間近に外部の会社に出向を命じられたサラリーマン定年まで２年足らずというのにこんな会社辞めてやると啖呵を切ってなぜ辞めなかったのだろう自ら職場を探す方が絶対輝けるに決まっているのになぜ可能性に賭けないのかな何歳になっても明日を生きるために輝く自分でいたいと想わないかないつまでも輝く自分でいるためにいつまでもキラキラした子どもの瞳のように （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/08/22

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• 国

  国　　南風一 人は国なしには生きられない日本が直面した日中戦争、太平洋戦争戦後に編成されたＴＶ番組を見ると戦場の兵士はおろか銃後の一般国民までＡＣＴＩＯＮ　ＩＮ　ＬＩＦＥとしてそういうＡＣＴＩＯＮを取ったことそれは国のＡＣＴＩＯＮであると共に国民のＡＣＴＩＯＮでもあったそういうＡＣＴＩＯＮを取らせる国の為政者そんな為政者を戴く国民こそ愚かであり可哀想でもあったＡＣＴＩＯＮ　ＯＦ　ＳＴＡＴＥイコール　ＡＣＴＩＯＮ　ＩＮ　ＬＩＦＥそれがraison d'être　ＯＦ　ＬＩＦＥではなかっただろうけれどそういう時代に生まれ合わせた国民こそ不運であった愚かなＡＣＴＩＯＮへ突き進む可能性はいつの時代の国民もゼロではないかつての日中戦争、太平洋戦争のようなＡＣＴＩＯＮへ突き進むことがないように国民は為政者に対する監視、自分自身に対する監視を怠らないように心したい人も国家も周りの全員が狂人であるときには自分が狂人であることに気付かない至極当たり前のことをやっていると思っている （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/08/16

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• 祭り

  祭り　　南風一 人が集まるから楽しいのだろうと思う日頃疎らに暮らしている人たちが老いも若きも一堂に会して踊り狂うそれは楽しいことに違いない頭では暑いときに汗水垂らして「なんで？」と思うけれど暑くて何もしなくても過ごし難い季節だからこそ衣装を纏って汗を吹き飛ばし整然と練習の成果を見せるなるほど暑い季節だからこそ踊りの仕草は美しいこれも蒸し暑いモンスーン地帯で米作を始めた日本人の一年を生き抜く知恵なんだろうと想う関係ないことだけど浴衣姿の若い娘やワンピース姿の若い娘を見ながらなぜこれほど魅力的な娘がたくさん現れたのだろうと不思議だった祭りの会場を昼間歩いてみても人なんて数えるほどしかいないそれなのに祭りとなれば人が湧いて出るこれも祭りの魅力かな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/08/15

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• 魅力

  魅力　　南風一きみの何処に惹かれたかそれを語るのは難しい容姿？そうかも知れないでもそれだけじゃないスタイル？それもそうかも知れないでもそれだけじゃない個性？それもそうかも知れないきみの服の下に隠れている乳房と性器そんなもの見ていないのだから魅力的だと分かるはずないそれだって顔と同じように一度見せてもらってうん形も色もいいだからきみに決めたっていうのはまずいのかな？ （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/08/13

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• 死について

  死について　　南風一 ８０年かけて勉強して身に付けた知識も研究成果も仕事で稼いだお金も物品も奥さんと作った家族も家庭も死ぬときにはすべて置いて行かねばならないあっさりしていていいとも思うが誠にあっけないものだ一人の人間の一生なんてものはあっけないものだけれどその命を継ぐ者がその後も生き続けるそんなところに人が生きることの意義があるのだろう （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/08/13

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• 釘づけ

  釘づけ　　南風一いい年して若い女性にドキリとするなんてもう何十年も前の忘れていた感覚が蘇ってきた見た瞬間にドキリとしてそれでも目だけはもう一度被写体を確かめてしまう（本当に心を射抜かれてしまう女というものは確かにいる）１、 ２秒後にはもう何事もなかったように素知らぬ顔して行き過ぎるそのまま娘とすれ違いになればこの先二度と娘と俺が出くわすことはないだろう娘はこの先誰だか知らない男と一緒になってしまうのだろう本当は付いて行きたいまさかそんなことが出来るわけないしドラマでもあるまいし馬鹿げた空想 （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/08/12

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• 安堵

  安堵　　南風一 「言葉で言って」それは女の常套句ほんの束の間男を虜にする言葉「そんなこと今更言わなくても分かるだろ？」「いや。口に出して言って」男は視線を逸らして口に出すべきか否か迷う気恥ずかしいという想いもあるその後女は思い通りの言葉を男の口から引き出すことができたのかどうかそれは不明今となっては男と女の間にそんな会話が交わされたことさえ憶えている者はいない （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/08/08

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• 道標

  道標　　南風一 拙い議論であっても悪びれることなく照れることなく熱心に考えを表明し合い意見を述べ合うそんな時期（とき）を持てた者こそ幸いなるかな真剣に議論し合ったところで教育以上の価値はないそれでも平日の昼下がり壁いっぱいに下から天井まで本と資料に埋まって一日中勉強に明け暮れて倦むことない先生がいた記憶は輪読して議論し合った教育の価値よりもずっと長く人の一生に影響を及ぼし続ける先生が学問を通して追いかけていたものそれは敗戦で瓦礫の山となった東京に立った１０歳の少年の姿なぜ少年は闇市で食料を求め青空教室の下墨で真っ黒に塗られた教科書を開かねばならなかったか１０歳の少年の疑問は２０歳になっても消えなかった３０歳になっても消えなかったいや４０歳になり５０歳になり６０歳になり７０歳になっても消えることはなかった戦争が少年の心に残した深い疑問先生は何歳になってもその疑問を解こうと向かい続けたその姿勢は不肖のゼミテンだった私が歩んで行こうとする方へ向かって勇気を鼓舞し続けてくれる道標 （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/08/07

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• 夏

  夏　南風一子どもの頃は夏が一番楽しかった夏休みは毎日が遊びだった朝は絵日記を書いて遊んだ昼は小学校のプールに行って友だちと遊ぶプールから帰って西瓜を食べて昼寝夜は大人に交じって縁台で星を見て涼む花火をして遊ぶ楽しい思い出は夏の思い出 （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/08/02

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• LIFE

  ＬＩＦＥ　　南風一暮らしが命と思う日々働くか安息な休日を過ごすかそれ以外に一日は過ぎないあってもなくても同じような一日が一年となり一年がまた一年となり気が付けば子どもたちが学校を終えて巣立っている一日を過ごすことでしか一生を生きられないのが人間だから何もない一日を明日には何か違う一日が待っているかも知れないという希望を持って生きよう気が付けば人生が出来上がっているから （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/08/02

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• 時代が哀しいだけ

  時代が哀しいだけ　　南風一だって大和撫子が日々生まれてくるんだぜいつも可愛い女性が巷に溢れるそんな国が哀しいわけないだろ？もし哀しいというなら時代が哀しいだけ （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/08/01

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• 本能のままに

  本能のままに　　南風一 セックスなるものがただ器と棒のじゃれ合いに過ぎず痛みも責任も新たな生命の誕生なるものも何ももたらさないならば羞恥も貞操も思い入れも何の感情なるものもない行為だったならただ本能のままに手当たり次第に器に肉棒を差し入れる肉棒を差し入れられる女の方だってその行為に何の感情も快楽もないからただ空気のように近所付き合いの延長にしか過ぎないそんなセックスがあったなら男も女も仕事をそっちのけにしてあちこちでセックスばかりしているのかなそんなことはないいつでも何処でも手当たり次第できるからそんなことばかりしていたのではお金を稼げないからほどほどにして働き出すんじゃないの （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/07/31

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• 堂々巡り

  堂々巡り　　南風一 昔好きだった娘を想い出すことくらい詮無いことはない恋い焦がれたからといって娘が昔のままの姿で戻ってくるわけでもない娘の心もとうに失われてしまって今は今の暮らしや家族の存在が当たり前の現実になっているから娘時代の浮草のような男友だちの誘いにうっかり乗るはずもない多分昔好きだった娘と幸運にも再会できたとして何ができるだろう？人目を忍んでラブホテルで抱き合うか色香の衰えにそんな気は起きないかもしれない心が通じ合えばいいという場合の心が通じるとは何を指すのか他愛ない過去話を蒸し返すことではないだろうそれなら二人が再会して何をするというのか互いの姿や瞳を見つめ合って儚く過ぎて行った時の流れに恨み節を連ねるかそれでは再会できたところで互いに幻滅してしまって最早それ以降好きだった娘のことを恋い焦がれることもなくなるかそんなことも現実がそうであったならそれはそれで受け止めて行くしかないのかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/07/26

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• 寅さん

  寅さん　　南風一 車寅次郎はお気楽そうなフウテン暮らしを送っているけれど金銭的には決して楽ではない財布の中身は数千円が入っていればましな方お札がないときもある葛飾柴又の団子屋とら屋の暮らしも決して裕福なものではない妹のさくらと義弟ひろしの夫婦の暮らしも決して裕福とは行かないひろしが勤める印刷会社の経営も決して順風満帆ではないそんな中で毎回寅さんの恋愛（というか思い込み）とマドンナ役とのドタバタ劇が展開する毎回ストーリーはほぼ似ているけれど１回ごとに寅さんを含め身近な人たちも着実に歳を重ねている寅さんを含め出演者の暮らしぶりを見つめて毎回そうやって生きていくしかないのかなと想う （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/07/26

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• 三枚目

  三枚目　　南風一　　 大学１年の夏休み郷里に帰省していたとき高校の同窓会があった海に泳ぎに行って夜はディスコと飲み会だった俺は好きだったクラスメイトに会えることを楽しみにしていたのに彼女は来ていなかった仕方がなかったので暑中見舞いを書いた彼女からはすぐに返事が来て大学の地で実験やサークルに忙しくて郷里に帰っていないということだったその年の暮れに帰省したとき今度は手紙が届いた俺の想いが届いたものかとわくわくしながら封を切って読み始めたそこに書かれていたのは恋というのか愛というのか分からないけれどとにかくやっと彼のことを信じることが出来るようになった矢先に彼からひどい言葉を浴びせられて苦悩していた彼女の切々とした告白であった私は牧師でもあるまいし何と返事を書いてよいものやら暫く途方に暮れた結局慰めとも近況報告とも取れない手紙を書いたそれから何年か過ぎて彼女と仲の良かった同級生女子に電話をかけたときこちらから聞きもしないのに俺が好きだった彼女の名前を挙げて「○○さんは□□会社に勤めています」と近況を教えてくれた結婚したともしないともそれには言及なかったなぜ俺が彼女のことを好きだったと知っていたのだろう （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/07/25

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• 三姉妹

  三姉妹　　南風一 １年に１回届く同窓会誌に姓は変わっているけれど懐かしい名前を見つけた１５、６の頃　いいなあとは感じていても取り立てて気の利いた会話も交わさずただ１年間クラスが同じだっただけ朝か帰りに顔が会えば挨拶くらいはしたかもしれないそんな特別親しかったクラスメイトでもない彼女とは生物教室で机が同じで１年間お見合いみたいに向かい合っていた授業を受けるというより彼女の顔や姿を眺めて可愛いなあとそんなことばかり考えていた彼女の隣もまたクラスで１、２を争う美女背が高くてスタイルが良かったその隣もまた色白のお人形さんのような女子だったその頃の語学クラスといえば高橋、高橋が並ぶようないい加減なクラス編成だったから生物教室の授業もいい加減な基準で座席を決めたものだろう俺は生物の授業のときはいつも目の前に並ぶ美女三姉妹を眺めてなぜだろう？と疑問に思っていた三姉妹は本当の姉妹のように仲が良くて三人が口論したり口汚くののしり合うという姿を見たことがない当たり前のことかもしれないが三姉妹はいつもニコニコ仲が良くて女子同士張り合うということがないのだろうか不思議だった三姉妹が体操服に着替えたときの姿は圧巻だった体育は女子と男子に別れてやっていたが着替えて運動場に出ていくとき通路で時間が余ったりすれば三姉妹がブルマ姿で目の前に立っている太腿の白さがそれでなくても眩しいのにさらに股のところの膨らみが露わで目のやり場に困った彼女たちは知ってか知らずか男たちの好奇の目を楽しんでいるかのようにブルマ姿で笑っていたりする男たちのジャージの股間を見て笑っていたのかも知れない （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/07/25

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• 妙薬

  妙薬　　南風一 春に第一回目のスタート会があってから調査に参加できないまま４か月が過ぎようとしているきみにも逢えないまま逢えないことにも慣れっこになったからもう何とも思わない好きとか恋い焦がれる想いとかそんなものも過ぎてゆく時が解決してくれる逢えない日が続けば逢えないことが当たり前になって好きとか恋い焦がれる想いを忘れてしまっているこれほど簡単な妙薬があったなんて若いころにもっと早くなぜ気付けなかったのかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/07/20

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• プール

  プール　　南風一 子どもが小さな頃だけ身近だった施設子どもが大きくなれば見向きもしないからさてどんな施設だったか利用料が幾らだったかということもとんと忘れてしまって縁遠くなるその頃お世話になった先生や子どもたちの友だちや父兄日々を形作った人々との関係もすべてひっくるめて何処かに置き忘れてきた学校の同窓生が集うということはなかなか難しい昔のままに教室に一堂に会して子どもに戻ることが難しいうえに叱られたり褒められたりした先生に戻ってきてもらうのも難しい一度学び舎を去ったら昔に戻ることは難しい人の世の理を身をもって教えてくれるプールや学校昔にそこで歓声を上げた子どもたちや先生はみんな卒業して何処かへ行ったよ小さな頃プールで歓声を上げたことや運動場で駆けっこしたことそんなことも脳裏の何処かに仕舞い込んでしまって日頃顔を出すこともないだろう （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/07/20

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• 昼下がり

  昼下り　　南風一台風が去った後の休日昼下がり時たま赤信号で車を止める信号が青になるまでハンドルを持ったドライバーが考えることこれから会いに行く恋人のこと恋人と会って過ごす楽しいひと時中高年の男性なら昔好きだった女の子はどうしているだろう恋は恋のままで終わりそれでお互いに良かったのかも知れない信号が青になってブレーキから足を離すほらもうさっきまで考えていたことなどすっかり忘れてしまっているこの車の渋滞急がなくっちゃ （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/07/18

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• メロンの歌

  メロンの歌　　南風一メロンは緑胡瓜と親戚なんだ蔓からお乳を吸って成長するところは西瓜や南瓜とそっくりだね瓜がご先祖さんだ蔓は色んな子どもを育てるよお乳を上げながらメロンにはメロンの子ども西瓜には西瓜の子ども蔓が子どもを間違えたなんて話は聞かないねお乳を飲みながら子どもは子どもで未来の姿を知っているのだろうまんまるに育って甘い果肉と水分がたっぷり高い値段と引き換えに食べて貰うことで人様を幸せにするメロンをまずいと言って食べる人は見たことがないね （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/07/12

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• 名前

  名前　　南風一 飛行機から降りて羽田空港から浜松町に向かうとき新幹線に乗って新横浜を過ぎて終着駅が近くなるとき蜂の巣のようなマンションが林立する光景蜂の巣の一つ一つには洗濯物や布団が干してあって今日も額に汗して働いている無数の家族の暮らし無数の人々が選んだ国会議員は有限で国会議員は自分を支援する人が選んでくれたと信じ決して無数の無名の人から選ばれたとは信じていない幼稚園や小学校で最初に習う字は自分の名前まず自分の名前を書けるようになりなさいと教わるテストでも繰り返し自分の名前を書くことになる大人になって社会に出ればまず国会議員の投票用紙には自分の名前を書いてはいけない給料から税金は勝手に引かれるけれど国から自分の名前を書いた感謝状を貰うことはない税金は無数の無名者から貰ったものとされる都会も田舎も無数の無名者から成り立って無数の無名者が額に汗して働くことで暮らしが成り立つ国が成り立つ名前が出てくるのは犯罪者か国会議員大人になって名前が出てくるのはそんなに悪いこと （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」３月２６日発売。購入は、こちらからどうぞ 詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2015/07/12

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• 一生に一度きり

  　　　一生に一度きり　　　南風一今昔のきみのような女性に出会えたとしてやっぱり好きになっただろうか？出会ったときはきみも俺も未熟だったからお互いの思い込みや錯覚もあっただろうもし今出会っていたとしたら多分到底きみのことを好きになっていなかったかも知れないそれはきみだって同じこと未熟だけど初心で打算も何もなかったから好きになったということは確かにあっただろう歳を重ねて経験を積んだところで遭遇できるものじゃないから貴重な恋というものもある多分きみのような女性を好きになれたのは一生に一度きりだから余計に忘れられないのかな （詩集の宣伝）「きみのちきみ１２０％」１２月５日発売。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2009/09/02

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• 魅力的

  　　　魅力的　　　　南風一どんなとき女性は魅力的かって？たとえば調査したり塗り残しのところがあったとき俺が急いで片付けようとするとき自分の分が終わるや「私もここを塗るわ」と自分から手を貸してくれる女性目前に頬を見て甘い香りを嗅いだりしたときには最高に魅力的だね好奇心というか手伝うことが自らの楽しみから出たものに過ぎないとしてもそういうさりげないやさしさや積極性を見せられたときは思わず好きになってしまう （詩集の宣伝）「きみのちきみ１２０％」１２月５日発売。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2009/09/01

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• もっと気長に

  　　　　もっと気長に　　　南風一若けりゃいいってもんじゃないからもっと気長に待てば良かったのかな１０年待ったところでお爺ちゃんやお婆ちゃんになっていたわけじゃあるまいしじっくり腰を据えて待っていれば良かったのかも知れない１０年待って何が得られただろう？きみの心かな？きみの身体？どちらも若い頃には欲したものかな？具体的には言えないけれどそんなことよりきみが俺の想いに応えてくれることの方を切望した俺をころりと騙すことなど口先一丁で良かったきみはきみで嘘をつくのがへたくそでどちらも角突き合わせてばかりだったきみか俺のどちらかがもっと悪辣で平気で嘘をつけていたら二人はもっとうまく行っていたのかも知れないそれが二人にとって良かったものかどうかそれは分からないけれど （詩集の宣伝）「きみのちきみ１２０％」１２月５日発売。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2009/08/31

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• 通り

  　　　通り　　　南風一何の変わりもなくただ年だけ重ねたけれど花屋の店先のおじさんに気軽に会釈するように笑顔を交わしたいねきみが元気でやっていること俺が元気でやっていること取り立てて何の変わりもなく着流しのいでたちのように気取るところもなくこれまでの無沙汰を気にすることもなく年をとったなら年をとった姿のまま何事もなかったように会釈を交わすそんな姿のきみと俺であれたらいいね （詩集の宣伝）「きみのちきみ１２０％」１２月５日発売。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2009/08/30

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• 婿探し

  　　　婿探し　　　　南風一いい年した娘が土日を国府探しに費やす親からは「国府探しより婿探しをしなさい」なんて言われるらしいがこればっかりは相手があることなのでどうにもならないと笑っている男はいつまで経っても男だからもし俺でよかったらという言葉が喉元まで出掛かるけれど（妻子がいるので）そんな素振りはおくびにも出さないなかなか魅力的な女性であってもよさを見出してくれる男が現れなければやがて色香も衰えて男性とは無縁に終わることもあろう中年男にしたってとっくに過ごしてしまった若い歳月をもう一回巻き戻すことはできないから若い女性に賭けることはできない （詩集の宣伝）「きみのちきみ１２０％」１２月５日発売。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2009/08/29

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• 一生涯で

  　　　一生涯で　　　南風一もし一生涯で一番舞い上がったときがあったとすればそれはきみが俺の申し出にＹＥＳと返答してくれたとき俺はうれしくて何度きみからの手紙を読み返したことだろうでもそれからの５年を振り返ればきみの書き連ねた言葉は虚しく響く無邪気にきみの言葉を信じ続けた男が愚かだったのか気を惹く言葉を書き連ねておいてそんなことなどあっけらかんと忘れてしまった薄情女が悪かったのか俺の想いがちょっぴり多過ぎたかきみの多感さをもってすれば俺程度で満足できるものではなかったか俺は予期したとおりに自分からさよならを申し出たきみはきみでことさら追っかけてくる素振りもなかったきみと俺は何だったのだろうね？ （詩集の宣伝）「きみのちきみ１２０％」１２月５日発売。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2009/08/28

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• 参道

  　　　参道　　　南風一一週間の休暇を終えて朝の街をペダルを漕ぐちょうど朝日が射し込む神社の参道を駆け抜けることにした 参道の先には鳥居が見え鳥居のちょうど真ん中の奥には神社の社が建ちその前で一人の女性が手を合わせている祈ることや信じることで救われることはたくさんある取り急ぎそんな何かが見つからない私は罰当りを承知でまたお参りする機会ができました折には・・・と挨拶して神社を後にする本当に神様はいるのだろうか神様がいると信じる者だけに神様がいる （詩集の宣伝）「きみのちきみ１２０％」１２月５日発売。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2009/08/24

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• 遠い日

  　　　遠い日　　　南風一きみと俺は二人の気持ち次第で多分どうにでもなっていただろう予期しないようないろんな偶然が重なってやむをえなかったと思い込んでいるけれどそれは嘘多分一緒になろうと思えばそれは意外なほど簡単だっただろう初めて話したときはあんなにうれしくて仕方なかったのにあのときの気持ちを何処に置き忘れて来たのかな本当はどうにでもなっていただろうにどうにでもしなかったのはなぜだろう？きみと一緒になることは多分何でもなかったのに （詩集の宣伝）「きみのちきみ１２０％」１２月５日発売。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2009/08/22

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• 暮らし

  　　　暮らし　　　南風一特にストレスを感じることもなく月曜日から金曜日まで普通に起きて普通に仕事に通う土日は好きなことをして気儘に過ごして月曜日が来ればまた金曜日まで判で押したように仕事に通う好きだったきみに会うこともなくきみが何処で何をして暮らしているのかも知らないたまにきみのことが恋しくなることもあるけどね一晩眠ったらまた判で押したような暮らしを続けているそうやってきみのことも何でもなくなっていくのだろう （詩集の宣伝）「きみのちきみ１２０％」１２月５日発売。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2009/08/21

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• 時間が止まっていたら

  　　時間が止まっていたら　　南風一おめでたい男だから３０数年がたってもやっぱり昔のままと思っているきみと初めて話したとききみに好意を持っていること以外に何の感情もなかったきみを好きなことに何のわだかまりもなかったきみを好きなことに何の制約もなかったきみと俺が出会ったときのままあのときで時間が止まっていたらきみと俺はいつまでも幸せだったろうにね （詩集の宣伝）「きみのちきみ１２０％」１２月５日発売。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2009/08/20

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• 儚い幻想

  　　　儚い幻想　　　南風一俺の申し出にきみがＹＥＳと答えてくれることそればかりが俺の関心ごとだった男の身勝手な儚い幻想よりも何十年にも亘ってお金を稼いで生きていく生活人になることの方をきみは望んだ半世紀も生きて若さも可憐さも取るに足りないことが分かってきみの選択が正しかったと知るその夢のような容姿とは裏腹に一度も夢を見られなかった乙女の人生というものは一体何だったのかなとは思うけれど （詩集の宣伝）「きみのちきみ１２０％」１２月５日発売。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2009/08/19

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• 齢（よわい）

  　　　　齢（よわい）　　　南風一理由もないに違いないけれど親元から遠く離れて古代の遺跡ばかり発掘している人がいる盆暮れになれば彼は親元へ帰るが帰るのが辛いという親元には姉が一緒に住んでいるが両親は帰るつど弱っているので悲しくなるというもし人が年をとらなければどんなことが起きるだろう？街はいつまでもピチピチした娘と屈強な若者だらけいつまでも若者で居続けたらみんな疲れてしまって心筋梗塞や脳血栓で死んでしまうだろうそれよりはいつか若者を降りて身体が小さくなって皺だらけになって動作も緩慢になって静かに息を引き取ってゆくそれなりの道理はあると思う （詩集の宣伝）「きみのちきみ１２０％」１２月５日発売。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2009/08/18

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• 歌を忘れたカナリア

  　　　歌を忘れたカナリア　　　南風一お盆や正月を迎えても以前のように昔恋したひとを想い出して何とはなしに物悲しい気持ちになることもなくなった１年がたんたんと過ぎお盆も正月もたんたんと過ぎてゆくもう昔のままのきみにも会えなければきみや俺が昔のままのきみや俺であるはずもない容姿も生活環境も家族や暮らしも何もかもが変わってしまって変わってしまったことを何とも思わなくなりつつあるこれが時の忘却かなもうきみのことを想い出して物悲しくなることもなくなったけれどそれでよかったものかどうか深く考えることすら忘れてしまった （詩集の宣伝）「きみのちきみ１２０％」１２月５日発売。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2009/08/17

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• 同窓

  　　　同窓　　　南風一そう頻繁にやるものじゃなしごくたまにというのがちょうどいいそれでも色々馬鹿なことを模索していた時期だからかなそのときのことを思い出すのは余り愉快じゃないねだけど仲間たちと話すのはそんなに嫌じゃない忘れたくて二度と同じ思いを繰り返したくないけれどもう一度同じ仲間たちとあの頃に帰ってみたい今度はもう少しましな生き方ができるかなそれともやっぱり同じかな （詩集の宣伝）「きみのちきみ１２０％」１２月５日発売。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2009/08/16

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• 当たり前のごとく

  　　　　当たり前のごとく　　　南風一本番中に当たり前のごとく演じることはなかなか難しいもう何十年もたってあのときああいう風に演じておれば良かったのになあと気づくことがあるけれど当座はとてもとてもそんなところまで気が回らない後日楽屋裏の話しを聞いて数十年後にようやく気づくことを当たり前に演じていた人がいた一方で俺なんか数十年前の化石のような本番を演じていたのだなと気づく今更気づいたからといってもう一回昔を巻き戻せるものでもないけれど （詩集の宣伝）「きみのちきみ１２０％」１２月５日発売。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2009/08/15

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• 真実

  　　　　真実　　　南風一３０年過ぎて出会えたからといって３０年前のきみや俺が戻ってくるわけでないだけどなぜかな３０年前のきみや俺仲間たちは確かにいる白髪交じりのおじさんやおばさんたちに混じって目の前で笑っているのは確かに３０年前のきみや仲間たち随分会わなかったように思うけれどつい昨日の学校の続きをやっているように錯覚してしまうのは３０年が１日にしか過ぎなかったからそれとも大脳のほとんどが実は３０年前の学校生活で占められているからそれとも３０年が夢にしか過ぎなかった？どれもこれも本当で実はどれもこれも嘘きみがそこに立っていることだけが真実さ （詩集の宣伝）「きみのちきみ１２０％」１２月５日発売。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2009/08/14

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• 一人

  　　　一人　　　南風一一人以外に誰もいなければ無から出てくるような諍いもない交通事故もないどうしてこんな子を作ってしまったのだろうと頭を抱えることもない自然の風音と雨音と太陽の光何回も目にする朝日と夕日そんなものにいい加減厭きたころにころっと死ぬ一人のあとには誰もいない地球だけがある （詩集の宣伝）「きみのちきみ１２０％」１２月５日発売。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2009/08/12

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• 愛情

  　　　愛情　　　　南風一付き合った時間に比例して愛情が湧いてくる場合がある心が離れていく場合もある俺は一目惚れだったけどきみにすればまだまだ情報不足俺から言い寄られたからと言ってやすやすとＹＥＳなんて答えられるわけなかったよねだから今となってはきみにとって俺はたまたま道ですれ違った一人の男きみはこれまで数え切れないくらいの通行人とすれ違ってきただろうから多分俺の名前も姿ももう思い出すこともないだろう通行人の一人が伴侶になるなんて当たり前のことなのになぜ即座にＹＥＳって返答できないのかな？ （詩集の宣伝）「きみのちきみ１２０％」１２月５日発売。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2009/08/11

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• 水の欲求

  　　　水の欲求　　　　南風一目的地へ水を送るだけの水路は整然と区割りされどこを輪切りにしても水量も速さも均質な優等生片や暴れ川は山に降った土石流を集めてところかまわず溢れ出て勝手に道を作ってしまう腕白坊主平素は素直に水路を流れる水だって何年かに一度くらいは暴れ川に混じって道路や街中を練り歩きたいだろう （詩集の宣伝）「きみのちきみ１２０％」１２月５日発売。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2009/08/10

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• 何の変わりもない

  　　　何の変わりもない　　　　南風一きみと俺が一緒にならなくて天地がひっくり返ることはなかった天変地異が多発し地球と惑星が衝突したり太陽が大爆発を起こしたりすることもなかったすべてはきみと俺が出会う以前と何の変わりもない昨日と同じように今日は過ぎていくし１０年前の暮らしと今年の暮らしに何の変わりもないもし変わりがあるとすれば思い出しているきみの姿は以前のままだけどもうそんな姿を眼前にすることはできないことくらいかなちょうど１２０年前の墓石は建てられたときの姿のままだけどもはやそこに眠る人もそれを建てた人にも出会うことはできないのと同じように （詩集の宣伝）「きみのちきみ１２０％」１２月５日発売。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2009/08/09

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• 逃げるが勝ち

  　　　逃げるが勝ち　　　南風一男も女もどちらもどちらだったろう男だけが一方的に悪かったわけではない女だけが一方的に悪かったわけではない男は一人ならそんなに悪くなかった女は一人ならそんなに悪くなかったどちらもそんなに悪くなかったのに二人が一緒になってどちらも悪くなった一緒になることが悪かったのだろう男と女が一緒にならなければ男は昔のままの純朴な男女は昔のままのあどけない女一緒になれば不幸になる男と女があるそんなことはちょっと冷静になればどちらにも分かること天にも昇るような話しはくわばら桑原逃げるが勝ちってことだね （詩集の宣伝）「きみのちきみ１２０％」１２月５日発売。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2009/08/08

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• 観戦

  　　　　観戦　　　　南風一息子と野球を観戦に行って要らぬことばかり考えている何ヶ月も何年も逃げおおせるものではないのに分別ある年齢の女優はなぜ逃げたのだろう？父親は再婚して車で東京まで娘の応援に駆けつけることもあったというのに交通事故で死亡人生の前半は余り恵まれた家庭環境ではなかったのだなと思う女優で成功してやっと手に入れた家庭や幸せだったろうになぜそんなに簡単に手放してしまったのだろう？親身に相談に乗ってくれる両親を持たないということは大きなハンディには違いないだけどだからこそそんな境遇に育ったきみこそ大きな幸せを手離さないで欲しかったと思うけれどねそんなことをあれこれ考えているうちに攻撃と守備はいつの間にか入れ替わって回ばかりが進んでいた （詩集の宣伝）「きみのちきみ１２０％」１２月５日発売。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2009/08/07

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