南風一の世界

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• サザンカ

  　　　　サザンカ　　　南風一月曜日が冷え込んで３本のサザンカに１個ずつ花が咲いた水曜日から暖かさがもどってどの木も２個目の花は続かない１個目の花はおっちょこちょいだったのかそれとも季節の移ろいを敏感に感じ取って先陣を切る魁？いずれにしろ寒風の中　赤やピンクのサザンカが凛と咲く季節はもうすぐそこに来ている （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/11/15

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• きみに似た女性（ひと）

  　　　きみに似た女性（ひと）　　南風一つい先日会ったのに一年はすぐに過ぎてきみに似た女性に今年も出会うもしきみが独身だったならこんなだったろうと想像するけれど遠くから見る横顔は初めて出会ったときに比べて確かに色香も落ちたのかなと眺めるいつまできみに似た女性の姿に出会えるのだろう？そんなことは分からないきみのように誰かに見初められていなくなってしまうのかも分からない自分から退職してしまうかも知れないそれとも俺の方が先にいなくなってしまうのかも知れないただきみに似ているだけの女性だけど早くいい旦那さんに出会って幸せを見つけて欲しいとも願っている （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/11/14

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• 一日の終わりに

  　　　一日の終わりに　　　南風一カリンの実を置いて１ヶ月真っ青が黄色に変わり甘い香りが部屋に漂うそんな風にめいっぱい一日を働き終えたＯＬはなんともいえない甘い香りを放つ出社したばかりの朝の香水の香りより一日の活動を終えた女の体臭の方がどんなにか艶かしく芳しいことだろうもっと顔を近づけてくらくらするほど女の体臭を嗅いでいたい衝動に駆られることがある （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/11/13

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• 食べ物や些事

  　　　食べ物や些事　　　南風一若い頃は霞を食って生きていた食べ物には何の執着もなかった望むものといえば俺の求愛にきみが応えてくれることただそれだけを夢見て暮らした今はすっかり年を重ねてしまって昔ならパスするに越したことはない日常の些事や仕事上のイベントを心待ちに暮らしている俺がいるそんな出来事を捨て去ってしまったら俺の人生やら他の人たちの人生やらは何も無くなってしまうだからいとおしくなってしまったわけでもないけれど （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/11/12

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• 兄弟

  　　　兄弟　　　　南風一兄弟は年子のこともあれば親子ほど年齢が離れる場合もある同じ父母から生まれたのだから顔格好はそっくりのはずだと思うでも親から見れば全然似ていない同じ父母から生まれたとはいえ２、３年も離れているのだから遺伝子の具合も異なってくるのだろう兄弟の間に父母のどちらかが入れ替った子どもが混じったところで分からなんじゃないかと思うきみの子どもが俺との間に生まれた子どもであったところで俺以外の男との間であったところで大した変わりはなかっただろうきみに似ているところは似ていよう似ていないところなど父親の顔と見比べなければ分りっこないだろう子どもにとって父親が誰で母親が誰かなんてどうでもいいことなんだろう （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/11/11

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• 闇夜

  　　　闇夜　　　南風一闇の中に建設中の高層マンションが立つ最上階だけに明かりがついてそこに立つ者にとって下界は闇にしか過ぎない俺も闇の中で女性に惹かれたことがある闇に浮かぶ女性がなぜそれほど魅力的に見えたのか分からない運良くといおうか運悪くというかその女性と週末に美術館へ行く約束をした駅前で待ち合わせてみると闇夜で惹かれた女性とは似ても似つかぬ姿の女性がそこに立っていた俺は後悔しながら俺が誘ったのだからと一日仕方ないなあと観念したそれでも一緒に行った美術館でお手洗いにいくと言って彼女を巻いてしまった底なしの闇に潜む魔物闇夜にそんなものは見えないから嬉々として近づいていく気がついたときは奈落の底にまっさかさまよ （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/11/10

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• 呪文のように

  　　呪文のように　　南風一　俺はきみが好ききみは俺に嫌われまいかと心配する俺は積極的にきみが好ききみは俺がいつまた怒り出さないか心配するそんな二人の関係が恋人なわけないだろきみのことが好きと言っておきながら俺は一度も「好き」なんて言葉を口に出さなかったきみはきみで一度も「好き」と言わなかったきみが俺にその言葉をせがんだとき照れくさくって「今さらでもないだろ」と答えたもし「好き」って言葉を呪文のように繰り返していたらきみはその言葉を胸に刻みこんだのかなそしたら二人の関係は違った展開になっていたのかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/11/09

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• 一人の女

  　　　一人の女　　　南風一一人の女を好きになるとは相手の意向にお構いなく好き？相手が振り返ってくれてこちらの好意に応えてくれたから好き？告白はしたけど相手もこちらも冷めてしまっていつかしら何とも思わなくなってしまった関係一、二回は会ったけれど三度目にはもう会いたくないとデートを断ってきた娘もいた俺って現金だからこちらの好意に応えてくれた女にはいつまでも引いてしまうあっさり嫌いと拒絶された方がどんなにかさっぱりしたかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/11/09

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• 生き物

  　　　生き物　　　南風一偶然に命あるものとして地球に生を得たその生き物が自分の命をまっとうするために日々暮らすその途中に家族があり親友があり地域社会があり職場があるその途中に恋があり国家があり税金がある百年経てば白骨になるそれだけのこと （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/11/08

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• きみの子ども

  　　　きみの子ども　　　南風一床屋の客席の端っこなぜお母さんらしき中年婦人がいるのだろうと思ったら眼差しの向こうに散髪して貰っている子どもの姿があったなるほどそれで合点が行った女性は伴侶を得る前こそ恋だの愛だの夢みたいなことを想い描くけれど結婚して子どもを儲けたら子どもが一番旦那は元気で留守がいいとなる俺が若い頃に恋した女性と一緒になっていたところで事情はたぶん同じだったろうそれが女性の幸福というのならきみは幸福な暮らしを手に入れた俺の子どもだろうと俺以外の男の子どもだろうときみが生んだ子どもに変わりないきみは成長する子どもの姿に目を細めているのかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/11/08

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• 年上の女性

  　　　年上の女性　　　　南風一社会人になったばかりの頃年上の女性は別世界の住人だったことあるごとに研修でお世話になった女性は４０歳くらいのオールドミスだった体形は若い人ほどシャープではなかったけれど年齢相応の膨らみが出て化粧や服装も含めて大人の色気が漂っていたその中年女性が満員電車で降りようとしても男性たちに囲まれて降りられなかった話をすれば「自ら進んで男たちの中に割って乗っていたのだろう」と中年の先輩男性たちはその女性をからかったものだったその女性は半分怒りながら半分笑いながら先輩男性たちの言葉を否定していたけれど両者ともそんなシチュエーションを笑い飛ばすことでかえって親密度を深めていた節もあった今やそんな中年女性たちの年齢をすっかり越えてしまった俺だけど４０歳そこそこの女性はやっぱり年上の女性１０歳に満たない幼児を連れているお母さんならまだ若いに違いないのだろうけれどふくよかな身体の分別ある年配女性と映る自分の方がはるかに年配のはずなのに意識は新入社員のままでいつになったら女盛りの中年女性を年上の女性と感じなくなるのだろうと訝しんでいる （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/11/07

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• ふときみのことが

  　　　ふときみのことが　　　南風一普段は忘れているのにふときみのことが堪らなく恋しくなることが　ある思い浮かぶきみの姿といえばやっぱり初めて出会ったときの姿で澄んだ瞳で俺が何を言い出すのかじっと次の一言を待っているそこで時間は止まっているから俺はその後に「いま」を繋げてしまうんだ「これから会えないかな？」すぐにそんな言葉が口について出るんだけど俺たちは何処で会えばいいのかな？きみには何処へ連絡すればいいのかな？ （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/11/06

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• なぜ

  　　　なぜ　　　　南風一気にしなければ気にもならない些細なことに諍いを起こしてぶっきら棒な言葉を投げつける途中でぶっきら棒な言葉を投げつける自分に腹を立てているきみのどこに腹を立てたのか分からないきみのことが総体として気に食わなかったいつもなら気にもならないことに腹を立てて腹を立てた自分に腹を立てている （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/11/05

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• いつものように

  　　　いつものように　　　南風一どんなに怒ったところでそのうち音を上げて帰ってくるきみは高をくくっていただろうところが１ヶ月経っても何も言ってこない６ヶ月が過ぎても何も言ってこない１年が過ぎてやがて１年と半年が過ぎようとしても何の音沙汰もなかったそこでやっときみは男に電話することを思い立った教わったとおりの電話番号にかけたけれど「おかけになった電話番号は現在使われておりません。　もう一度電話番号をお調べになっておかけください・・・」そう言われたところで男から教わったのはその電話番号しかない女はようやく納得がいった今度ばかりは本当に男は帰ってこない男が言った最初で最後の本当だった （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/11/04

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• 秋の深まり

  　　　秋の深まり　　　南風一雨模様の中菊花展を訪ねる今年も黄色や白、紫の大輪の菊が競演する私は鼻風邪を引いて鼻水をすすりながら公園を散策することになったそんな私の体調とは無関係に秋が深まり菊は花を咲かせる菊が美しい花を咲かせることと私が一才年老いることとは何の関係もないきみが何処かで秋の休日を過ごしていることとも何の関係もないきみと俺がたとえ結ばれていたところで菊はやはり美しく咲いたことだろう若い頃何度か失敗する都度世界の終わりと感じたことがあったそんな世界の終わりとも無関係に菊は美しい花を咲かせる人間様が菊の周りでどんなに悪態をついたところで菊は花を咲かせる誰のために花を咲かせるのかそんなこと菊には知ったことじゃない （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/11/03

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• 好き

  　　　好き　　　南風一好きという事実は万人に認めてもらうようなものでない当人同士が好きといえばその時点から好きは真実になり誰にも否定できない当人同士の心の問題だから片方が嫌いになればその好きは裏づけを失って嘘のものとなる一方が好きにもかかわらず他方がそれを信じないときやっぱり嘘に違いない好きも嫌いも貴方しだい貴方が私のことを好きなら私も好きそんな手前勝手な好きなんてあるもんか （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/11/03

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• 止まった時間

  　　　止まった時間　　　　南風一駅へ向かって急いでいるときだったきみに出会うかもと思ったところで横道からきみが出てきた後ろから追い抜きざまきみに声をかけた「おはよう。部活かな？」きみは驚いたような顔をしてあっけにとられていたつい先日友だちになってくれと伝えて友だちになったはずだったでもいざそういう立場で顔を会わせるとどう振舞っていいか分からない俺はきみを追い抜いてそそくさと先を急いだきみも俺を追っかけてくることなく違う車輌に乗った何も意識し合うことがなかった頃は近くに平気で乗り合わせていたのにいざ友だちになってみるときみも俺も引いたみたいに平気を装うようになった同じ電車に乗ってきみと俺の思いはもうすれ違い始めていた （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/11/02

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• 今でも恋しく思い出すのは

  　　　今でも恋しく思い出すのは　　　南風一いい年してまだきみのことを恋しく思い出している思い出したところで詮ないことと思えば思い出すことさえ馬鹿らしくなるはずそうならないのは心のどこかできみに会えると信じているから昔のきみでないきみ昔の俺でない俺そんな二人が出会ったところでやり直せることは何もない再会して何を話そうというのだろう （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/11/01

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• ピカピカの靴

  　　　ピカピカの靴　　　南風一小学生の頃ならピカピカの靴を買ってもらったときは有頂天になって外に履いて出たきみと初めて待ち合わせたときも玩具を買い与えてもらった子どものように喜び勇んだものだったきみは新しい靴でも商品でもなかったのになぜあんなに輝いて見えたのかなきみを連れ添って歩く果報者の隣りでいまでもきみは輝き続けるのかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/11/01

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• 同じ道

  　　　同じ道　　　　南風一普通のペースでは追いつけないくらいの速さで女子高生が二人自転車をこぐそれくらいの歳なら体つきも服装も瓜二つ二人並んでお喋りすることも大体共通の話題いつまでも瓜二つで仲良く過ごせたらいいのにやがてどちらかに好きな恋人が現れてそれからほどなくもう一人の娘にも恋人が現れてそれまで仲のよかった二人は離れ離れになるずっと同じ道を歩み続けるのは難しいね （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/31

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• 後ろ姿

  　　　後ろ姿　　　　南風一網タイツに膝くらいのスカートスラリというのではなくお尻が目立つ後ろ姿まさかこんなところにきみがいるはずないと思ったけれどもしかしてという期待もあったけれど期待はあっけなく裏切られてやはりきみではなかったそうだよね昔のままのきみがいるはずないきみは今頃何をしているのだろう？派手で見栄っぱりだったけれど俺の方から離れていかなかったらきみは案外従順だったのかも知れない （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/30

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• ハッピーエンド

  　　　ハッピーエンド　　　南風一きみが俺の何処に気に入ったのか知らない俺がきみの何処に惚れたのか知らない理由らしいものを上げれば切りがないきみは俺が想像した女性そのものきみ以上の女性は有り得ようかと思うほどだった好きもの同士というけれどきみと俺はよく気が合ったきみと話していれば楽しかったそんな関係というのは取り立てて騒ぐほどのこともない不思議なもので男と女はいつのまにか落ち着くべき相手と一緒になっているその異性が当初この人しかいないと思った相手かどうかそれは分からない世界で一つきりの出会いは誰が相手であったとしても結局一つきりにしかなりえなかっただから二人にとってハッピーエンド （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/29

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• 少年の夢

  　　少年の夢　　　南風一若いお母さんの自転車の後ろに乗って子どもが目を丸くしている足を振ったり横を通り過ぎる大人をじっと見つめ返してくる今さらながら我が子にもそんな頃があったなあと過ぎ去った日々を思い返している昔はなかなか時が進まなかった今は子どもたちが昔から大人だったように錯覚している子どもたちは一目散に子ども時代を駆け抜けた俺は青年時代をいたずらに送ったどちらも返らない日々だけど子どもたちにはやがて懐かしい日々に化ける親には子どもの成長していく姿しか見えないから自分が白髪混じりの老人に成り果てたことに気付かないだからいつまでも可愛い少女に恋した頃の少年を夢見ている （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/28

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• 石鹸の香り

  　　　石鹸の香り　　　南風一最後に会ったのは帰省していた折に街角だったかな知り合いに会わないように裏道を歩いていたのにきみとばったり出会ったきみは駅の方に向かって来ていたはずなのに俺の腕を掴むや「南風くん　時間かまわない？　すぐそこにうちの妹がバイトしている喫茶店があるから　寄って行こう」と引っ張って行くきみは派手に着飾っていたけれどぷーんと香ってくるのは石鹸の香りいい香りだなと思ったきみの香りを嗅ぐのは小学生以来だった俺はきみのことが好きだったからきみにちょっかいばかり出していたスカートをめくったり胸に触るのは朝飯前きみも負けじと俺に向かってきた鬼ごっこをすればどちらかがばったりと倒れて上からおっかぶさるまで追いかけっこを続けたきみも俺も言葉が出ないくらい息が弾んで暫く抱き合ったまま転がっていた中学生になってクラスが分かれたからもうそんな悪ふざけをすることもなくなったすっかりきみのことを忘れていたけれど今日ふと石鹸の香りが漂ってきてきみのことを思い出した （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/27

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• 女心と秋の空

  　　　女心と秋の空　　　南風一今から思えばラブレターじみた葉書を書いて何を満たそうとしたのか葉書のあとに追っかけるように電話をかけると俺の誘いにきみはあっさりＯＫしたできることと言えば二人連れ添ってせいぜい食事をすることくらい他に何ができたわけでもない遠くに離れて１年が過ぎてきみに電話したらきみは会社の同僚と結婚していた「おめでとう」と言ったら「○○さんも△△部長の甥と結婚したのよ。　ウェディング姿は可愛くてきれいだったわ」と余計なことを教えてくれたそういえば会社を辞めるとき○○さんとも一緒に食事をしたのだった二人だけの内緒のつもりだったのに全部筒抜けだった （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/26

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• 雨降り

  　　　雨降り　　　　南風一４５億年の歴史のなかで一度は降り止んだ秋雨がまたぱらつき出して家から出た母子二人は慌てて車に駆け込むほとんど濡れもしない雨降りにでも小走りに走ってしまう私たち雨のぱらつきなんかすぐに忘れる１時間もすれば雨に濡れたかどうかなんてすっかり忘れているだからといって雨のぱらつきに走り出さなければ母子二人の生はない些細などうでもよい些事１００年持つこともない母子二人の姿は魅力的だけどそれを見る者も見られる者も何も残らない （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/26

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• 山は昔海だった

  　　　山は昔海だった　　　南風一山は昔海だった泥土は水の中で５億年じっとしていれば固い岩になる砂も水の中で５億年じっとしていれば固い岩になる檜は１００年じっとしていればまっすぐに伸びて１千年持つ柱になる俺ときみには何年あれば固い絆が育ったのかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/25

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• 早朝に

  　　　早朝に　　　南風一早朝にすれ違う可愛い女性今日は携帯をいじくりながら自転車に乗っていたからこちらは眼中にないという感じそうあからさまに無関心なところを見せつけられるとがっくりきてしまういつかしら手短なところに恋人候補を見つけて手前味噌な夢を見始めているそれで人生が楽しくなるのなら男の習性ってことで許してもらえるかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/24

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• 針鼠とヤマアラシ

  　　　針鼠とヤマアラシ　　　南風一きみと一緒になっていたとしてもどうにかなっていたのかも知れないきみは機嫌のいいときだけにこにこして気に障ることがあれば何日でも口を利かない（それは俺も同じだったかも知れない）喧嘩をしても結局俺の方が折れてきみはますます増長する基本的に仲良くやっていくことができない二人だったのになぜきみも俺もお互いに拘ってしまったのかな喧嘩をするくらいだから最初から近づかなければ良かったのに針鼠とヤマアラシみたいに近づいては傷付け合っていた （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/23

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• 昔のままに

  　　　昔のままに　　　南風一賑やかに笑い声を上げて通り過ぎてゆく女学生たちお母さんの自転車の後ろに乗って「崖の上のポニョ」を歌う幼児子どもたちはすっかり巣立って行ったのだろう夕暮れの道を歩く高齢の夫婦らしい二人無理やりきつくなったスーツを身に付けた中年女性彼らに共通するものは過ぎ去ってしまった儚さきみも俺も自分たちに与えられた時間をすっかり使い果たしてしまった昔のままにと望むのは傲慢なのかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/22

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• ほんの一瞬でも

  　　　ほんの一瞬でも　　　南風一ほんの一瞬でもきみは俺を信じることができたかな？ほんの一瞬でもきみは二人の未来を信じたかな？待つことだけで未来が切り開けると信じたのかな？もっと強引に「私を選ばないのなら金輪際電話をかけて来ないで」なぜそんな風に言わなかったのかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/21

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• 俺の恋するきみ

  　　　俺の恋するきみ　　　南風一昔好きな娘がいて夜行電車で会いに行ったことがある電車の中では目を瞑ったと思ったらしばらくして電車は駅に停まるそれの繰り返しだったから夜明けまでまんじりともできなかったそれでも何とか彼女のアパートに辿り着いたときは有頂天だったところが大家さんに呼び出されて出てきた彼女はといえば大学へ出かける直前だったとはいえ予期せぬ男の訪問に不機嫌極まりない顔だった俺はしまったと思ったそれまで密かに抱いていた恋慕なんてものはなんと愚かな独りよがりだったことか目の前の世界がガラガラと音をたてて崩れていったそんな体験があったから俺がきみを一方的に恋する気持ちは根底から覆らないとも限らないもしそうであったなら今なおきみへの恋心を詠う俺は屋上の狂人棺おけの蓋を閉めた途端にそれが分かっても本望さ俺の恋するきみはいつまでも恋人 （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/20

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• 詩

  　　　詩　　　南風一きみに会えたら詩なんか要らないきみが詩そのものなんだから （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/19

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• 何度やり直しても

  　　　何度やり直しても　　　南風一何度でもやり直せることはたくさんあるたとえば晴れた日にいかした車の助手席にきみを乗せてドライブに出る交差点で立ち止まる車や歩行者が車の中のきみを覗き込むこんなに可愛いい女をものにした果報者とはどんな男だ？と隣りを見るとなんとも不釣合いな中年男・・・俺にはそんな趣味も車を持てる金もなかったけれどそんな生き方もあったなあと思う俺には逆立ちしても思いつかなかったそんな行動を当たり前のようにこなしている若者たち特別でも何でもなく二人の時間を持ちたいから恋人とドライブするきみはきっとそんな時間を持てただろうと想像する俺と付き合っていたのでは何度やり直しても持てなかった時間かな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/18

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• 夢の海原

  　　　夢の海原　　　南風一きみと俺は何を作っただろう？気ままに電話して好きなことを話して気が向かなければしばらくきみを忘れているきみとの恋物語ならたくさん作ったどれも実現しない身勝手な恋物語そんなありもしない物語などきみにとっては食えないものきみが作りたいものがあったとすれば子どもと家庭かなそちらの方は俺にとって余り興味はなかったね俺はきみと結ばれることしか念頭になかったそれから後のことなんて全然なかった夢が叶ったらそれから後は何もない夢の海原が続いている見えない向こうはすぐ断崖絶壁の滝壷だったのかもしれない （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/18

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• 再会

  　　　再会　　　南風一念じていれば想いは叶う夜明けにきみが訪れた湖のほとりをきみと俺が歩くきみは出会ったときのままの姿私服だったけれどどんな服だったか忘れた二人はしばらく畔を歩いてきたのだろう水が打ち寄せる波打ち際だった昔ならそんなことは想像もしなかったけれどきみと俺は静かに抱き合っている久しく秘めていた想いが叶ったせいかなきみも俺も何も言わないただ会いに来てくれたことがうれしい （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/18

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• 早朝

  　　　早朝　　　南風一日が短くなって息子も私も早起きがつらくなったお蔭で息子を送っていく時間が２分ほど遅くなった１０月になっていつも見かけていた女の子を見かけたのは１回きり初夏のころより長い髪がもっと伸びて帽子をかぶっていない姿は二十歳くらいに見えた可愛いには違いないけれどもう何とも思わない昔好きだった彼女にもし娘さんがいるとしたら同じくらいの年頃かなと思う今週はその女の子と出会わなかった息子を送った帰り道前方に無意識のうちに彼女の姿を探している私がいて軽い失望と落胆を感じながらハンドルをきっている （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/17

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• 明け方

  　　　明け方　　　　南風一明け方の冷え込みで腹が痛くなったせいか電話が鳴ったせいか知らないちょうど目を覚ますと電話が１回鳴って切れた布団から出てトイレに行った午前４時に電話を鳴らす人というのはそんなにいるもんじゃない思い当たる人は幾らでもいる高校時代から不義理を重ねた女性が多いから特定するのは難しい近頃では息子たちが女友だちとくっついたり離れたりしているからそちらの方なのかも知れない （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/16

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• 恋人

  　　　恋人　　　南風一はっきりさせないまま離れてしまったから今でもきみに恋したままでいる今さらきみの気持ちを確かめたりしたら恋しく思い出すことなどなくなってしまうのかも知れないきみに会いたいけれどずっと会えないままの方が幸せなのかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/15

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• 仏頂面

  　　　仏頂面　　　南風一きみは賢明だったから俺は恋人ではないけれど婿候補俺は馬鹿だったからきみは恋人であり嫁候補だった胸がときめかないのに婿にしてどうするつもりだったのかな？二人仏頂面して諍いばかり起こしている水と油の二人だったのになぜ好きになったのかな？ （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/14

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• どんな思いで

  　　　どんな思いで　　　南風一分からないきみがどんな思いで俺以外の男のプロポーズを飲んだものか分からないきっといつの日か俺ときみが出会う日が訪れると思ったものかどうか分からないいつの日かお互いの本当の想いを確かめる日がやってくると思ったものかどうか分からないきっといつの日か俺がきみを選ばなかったことを後悔する日が訪れると思ったものかどうか分からないいつの日か俺がきみに会いにやってくると確信して疑わなかったものかどうか分からないきっといつの日か俺がきみのことを恋しく思い出す日が訪れると思ったものかどうか （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/13

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• 秋空

  　　　秋空　　　南風一菊花展の準備が進む公園を散歩するあと半月もすれば大輪の菊が大きく花開くことだろう毎年のことながら四季の移り変わりゆく速さに驚かされる池の堤を歩いて秋を感じる実際には会えなくても思い出すことできみを感じることができるこうなればもうしめたものいつでも　何処にいたってきみと一緒に過ごしている （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/13

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• どんな風に

  　　　どんな風に　　　南風一どんな風に振舞えば良かったか？多分それに対する答えはない今ならなぜ毎日でもきみに会えなかったのだろう？と思う今なら二人が好きなこと以外に何が必要だった？と反問することができるでも昔はそうじゃなかったきみへの想いを断ち切るために敢えて会わないようにしたきみに言い寄ってくる男なんて幾らでもいるさ俺が執着するまでもないそんな風に思い込もうとしたきみはきみで俺の気持ちを察したのか完全に自然体だった俺にもう少し勇気があったら何かが変わっていたのかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/12

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• 別れ

  　　　別れ　　　南風一たとえばジーンズにカラーシャツ姿顔は化粧気なしのすっぴんぴんきみがどんな姿で現れようときみに会いたかったなぜ出て来てくれなかったのかな？俺は最後になるかもしれないと知っていたきみはいつもの気まぐれ電話と受け流しているころころ話題を変えて色々なことを話すけれど奥歯にものがつかえたように話せないことが一つあったきみがもし出てきてくれていたところで話せたものかどうか分からないきみは無邪気に俺のことを信じていたまさか４ヶ月後に別の女と結婚する男が何食わぬ顔して電話してくるなんて男にしたら誠実なんだけどきみからすれば頬を思いっきり引っ叩いてやりたいと思ったかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/11

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• 変わらない愛情

  　　　変わらない愛情　　　南風一男と女は誤解だったと別れることができる二人の間の子どもは誤解の産物には違いないが男にとっても女にとっても愛情は残る娘の親にとって娘が愛情を持っているから娘の夫に愛情をいだく娘が男と離れてしまえばそんな男は赤の他人に過ぎなくなる男と女の間の子どもは祖父や祖母にとって我が子の子どもだから愛情を持つこちらの愛情は男と女が別れても何の変わりもないくっついたり離れたりすることで変わる愛情変わらない愛情くっついたり離れたりするくらいで変わらない愛情を持ちたいけれどもともと他人同士だものなかなか難しいね （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/11

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• 何事もなかったように

  　　　何事もなかったように　　　南風一俺がきみを選んでいたところで何の変わりもなかっただろうきみは至極あたりまえの顔してぷいと横を向くか口をきかなくなるだけだったろうきみを選ばなければしばらく怒って反面落胆するのだろうけれど暫くすれば　もう何事もなかったかのように俺のことは忘れているきみのようでなくっちゃ長い人生　生きてゆけないね （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/09

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• ボール

  　　　ボール　　　南風一時間の詰まったボールをどう使うかそれはボールをつく者の腕次第ドリブルしてポーンと投げてもいいし最初から遠くへ放り投げてもいい俺はきみから離れたところできみとは無関係にドリブルをして過ごしたそのうちボールを置いてコートを去らなければならないことにはとんと無頓着だったいつまでもボールをついていられるというのは大きな錯覚だった気がついたときにはきみの姿は何処にもなかったボールだって破れてしまっていた （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/09

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• 最盛期

  　　　最盛期　　　南風一金木犀の香りの盛りというのは２、３日は続くと考えるでも最高の香りというのは蕾が開き始めたときで花が開き切ったときはもう香りの最盛期を過ぎているそれでも金木犀の香りは一週間ほど漂って近くを通る人を幸せな気持ちにさせてくれるきみが一番美しかったときも短かったのだろうけれどきみの魅力は強烈だったきみは金木犀のように今でも周りの男たちにスイートな香りを振りまき続けているのだろう （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/08

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• 世界一のご馳走

  　　　世界一のご馳走　　　南風一お母さんやお父さんおじいちゃんやおばあちゃん近所のおばさんたちたくさんの人たちが見守る中で徒競走をしたり体操をしたり親子競争をしたりもの借りレースをしたり運動場では次から次に賑やかな見せ物が繰り広げられるお昼になってお母さんやおばあちゃんのところに弁当を食べに行くのが何より楽しみだった徒競走で貰った賞品を見せてねぎらいの言葉をたくさんかけてもらって有頂天になっていた音楽の流れる運動場でおむすびや弁当を頬張りながら自慢話に花を咲かせた金木犀の香る下で賑やかに食べる弁当は世界一のご馳走だったやがて友だちの姿を見つけるともう駆けて行って一緒に遊んでいるこのときばかりとかけっこをする好きな女の子も現れて仲良く一緒に駆け回るもうあの頃には戻れないけれど運動会の音楽が漏れ聞こえてくると金木犀の甘い香りに誘われて自分も運動場で走っているような気がして妙に幸せな気持ちになっている （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/07

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• 虫歯

  　　　虫歯　　　南風一何年ぶりだろう歯ぐきに注射を打たれて歯をごりごり削られて犬歯のあたりの上下の３本を順次削られてパテを詰められるずっと寝そべっている間これまで何軒の歯科医にかかって来たかなと指折り辿ってみた大学生のころは電車から降りて下宿に辿り着くまでの途中の歯科医に立ち寄った平日の午前中だったのに東京というところは暇な人がたくさんいるなと思ったそこの歯科医師は俺の口を覗き込むなりちょっと顔をしかめて「どこが痛みますか？」と訊ねた虫歯があり過ぎてどの歯が悪いのか分からなかったのだろうすぐ近くに住んでいた彼女に聞けば彼女も虫歯があったというから俺が立ち寄った歯科医に通ったのかも知れないと思う東京を去る直前にも歯科医に通っていたそこは顧客の会社の近くで意外に治療に時間がかかって「今月中に東京を去るからもう少しかかるようなら　治療中のまま去るしかないか」と諦めかけていたらその気持ちが伝わったのかそれから２、３日のうちに終わった口を開ければどの歯も治療跡があってあと何年かすれば昔に治療した歯はいかれてしまうのだろう家みたいに悪くなったら新築するわけには行かない死ぬまで飯粒を噛むからだまし騙し歯を持たせるあと５年もすれば必要なくなるから５年持つ歯でいいよ焼いた後まで残らなくていいよ死んだ瞬間に消滅してしまう歯なんかいいね （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング

  2008/10/06

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