南風一の世界

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• 棘

  　　　棘　　　南風一きみは飲みなれた水を飲むように特にうまいとかまずいとか臭いがあるとかないとかそんなことは一切感じることなくただ毎日を当たり前に過ごしているのだろうもう俺のことなど押入れの奥に仕舞い込んだ子どもの玩具みたいに二度と取り出すこともなくすっかり忘れてしまったのだろうそれで何の不都合もない生きてゆくのに痛くも痒くもないもう棘のようなちくりとした痛みも消えてしまったのかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/29

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• きみを恋しく思うのは

  　　　きみを恋しく思うのは　　　南風一２５年も過ぎてまだきみのことを恋しく思い出すのはきみが恋しいわけじゃないきみと同じような容姿きみと同じような性格そんな若い女性はその気になれば探し出すことも可能なんだろうと思うでも今さら新しいきみを見つけ出すのは面倒だしたとえ見つけ出したところで人生の後半におけるリスクは大きすぎるだからリスクがなくて手っ取り早くきみに出会える方法としてきみを恋しく思い出している （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/28

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• 後ろ髪

  　　　後ろ髪　　南風一　雨が降り始めて信号が赤になって右折ランプを点けて待っていると左側を長い髪の女性が自転車で通り過ぎた茶色がかった後ろ髪が背中まで届く顔は見えないけれど後姿はきみとそっくりだきみが昔のままの姿で通り過ぎることなんかありえないからおそらくきみなんかじゃない当たり前の事実だけど昔のままのきみがいない俺も昔のままの俺じゃない今日より明日なんて当たり前に生きてきたけどやっぱり淋しいね （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/28

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• 化かしあい

  　　化かしあい　　　南風一吹奏楽部が大好きで勉強は大嫌い何事も飽きっぽくて長く続いたものがない頑張屋でもないしいつも妥協ばかりして暮らしている平凡な女そんな私のどこが気に入ったの？きみが寄こした返事はそんなものだったきみが思い込んでいるほどきみと俺は水と油じゃない俺はきみのように振舞えないからきみが好きなんだきみが好きな理由はそれだけでもそんな理由で二人の関係がうまく行くわけないよねきみは気づいていたし俺も気づいていたそのくせそんなこと関係ないように振舞い合ったきみが偽善者なら俺も偽善者二人で何を化かしあっていたのかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/27

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• ある女

  　　　ある女　　　南風一きみは自慢げに新聞の日曜版に大きく写真が載ったよと伝えてくる女だった恋人を募集するわけじゃあるまいし（本当はそんな気持ちもあったのかも知れない）何処の男が恋人の微笑む写真を不特定多数の読者の目に晒してうれしいものかきみは鈍感なのかそれともわざと俺の嫉妬を煽るためか嬉々として電話口で話している「うちの息子の嫁に」とか「ぜひ付き合ってくれ」という手紙がわんさか新聞社に届いたと笑っているどんなつもりなんだろう？この女俺の胸のうちを見透かしていたのかただの目立ちたがり屋だったのか俺には今でもわからない （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/26

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• ふしぎ不思議

  　　　ふしぎ不思議　　　南風一市会議員だったか県会議員だったか見覚えのある名前だなと思って眺めていたふと見ると私の出身地の地名が書かれていたもっと見るとあれ　見知っている名前があったそれは高校を卒業したばかりの春だった彼女が年下であることは分かっていたそれから多分出身中学校も想像がついた私は小学校の頃から知っているけれど余り話はしない一年後輩に電話してちょっと家に寄っていいかなと頼んだその後輩は私の申し出を快諾してくれた後輩の家に寄って中学時代のアルバムを見せてもらった意中の彼女の名前をそこで知ったそれから彼女にラブレターを書いてそこから色々なことがあったもしあのときその後輩の家を訪ねていなかったら彼女にラブレターを出すこともその後彼女と別れることもなかっただろう後輩の方は私と同じように一浪して東京の大学に進学したそれでも結婚した相手はどうやら中学校の同級生らしかった後輩が今暮らしているのは東京文京区の閑静なマンションらしい夫婦揃って同郷にもかかわらずなぜ住みにくい東京なんかに暮らしているのだろうその後輩の家もお母さんが独り暮らしのようなのにわざわざ１千キロメートルも離れた処に暮らしている理由は何だろう不思議　不思議３０年ぶりに後輩の名前を見たのが不思議なら後輩が同郷の女性を妻にして東京に暮らしているのも不思議あれ以降全く会っていないのに家を訪ねたときの後輩の顔の表情まではっきり覚えているのは不思議 （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/25

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• 男と女

  　　　男と女　　　南風一初めてストーカーという言葉を聞いたときそれって俺のことかもと思った初めから俺の方の思い入れが強くて我ながら破滅的な予兆を感じたのでこれはさっさと女を忘れるに限ると何度か別れの手紙も綴ったものだったところが暫くするとやっぱり後悔して再び彼女に縁りを戻してくれと懇願するのだった彼女の方は彼女の方でそんな自分勝手な男のことなどあっさり忘れてしまえばよかったものを男から連絡があればふらふらと縁りを戻してしまうのだったそんな二人だったから何度諍いを起こして別れてしまったところで結局もとの木阿弥また縁りを戻してしまうのだったそれで男が最後にとった手段が別の女と結婚してしまうことだったそれにて男の方は一件落着女の方がどうなったか知らない （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/24

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• 犬の暮らし

  　　犬の暮らし　　　南風一望めば得られたのかもしれない望まなかったから得られなかった？頑張らなかったから得られなかった？望みもしないのに勝手に望まないと思い込まれ頑張らなかったから得られなかったと言われる本当にそうかな？俺は人並みに望みたかったけど望めなかった頑張ろうと思ったけれど何を頑張ればいいのか分からなかっただからおとなしく社会の片隅で普通に暮らしてきた俺は生まれてくる星を間違えたのだろうと思うあるいは生まれてくる時代を間違えたのかなそれとも生まれてくる生き物を間違えた？犬に生まれていたら良かったのかな犬の世界も暮らしにくかったのかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/23

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• 生まれたときから

  　　　生まれたときから　　　南風一生まれたときから親と決まっている人がある生まれてから近くにいたので鳥の親になってしまう物があるでも生まれたときから決まっていた恋人なんてないと思う洋服店の棚のようにここは「よそ行き」ここは「日常」ここは「ちょっとお洒落に」ここは「一生一度の大勝負に出るとき」なんていろいろきみなりの分類があったのだろう「結論を急がないで」と言われた男はその棚の何処に収納されていたのかな？ （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/22

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• 夏至

  　　　　夏至　　　　南風一梅雨のど真ん中田んぼ道を歩けば一年中で一番涼しい風が頬を洗うまだ植えられたばかりの苗は心もとなく風にそよいでいる何十回かの雨に打たれ土の栄養分を吸ってやがて秋にはたくさんの稲穂が実るそれは当たり前の期待だけど人は思うようには成長しないきみは頭が良かったから俺と出会ったときから多分きみとは縁が無い男と悟っていたのかも知れないそれなのにそんなことはおくびにも出さずさも未来はどうにでも展開するように信じ込んでいる姿を装っていたのかも知れないね雑草のような苗がたくさんの米を実らせる人も　人の関係も　そんなに期待するようにはうまく行かないなぜ稲のようにまっすぐ育たないのかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/21

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• お店

  　　　お店　　　南風一ジーンズとＴシャツ一枚という姿がことさらお洒落でないわけではないでもいつもそんな格好をさせておくにはきみは勿体な過ぎるのできみと連れ添った男の気苦労も相当なものかなと要らぬ心配をする俺なんかジーンズとＴシャツくらいしか着ないからきみと並んだときのアンバランスは相当なものだったろう服のことを心配しなくてよかったと胸をなでおろす一方でそれとも人形は人形でどんな服を着ても美しかったのかなとも思う （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/21

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• 栞の中の女子学生

  　　　栞の中の女子学生　　　南風一古本の中で生き続けていた女子学生の魂栞は黄ばんでいるけれど栞に描かれたみつはしちかこの女子学生の魂は色褪せない古本の中でずっと本を読んでいたのかな子どもたちが成人してしまったお母さんたち孫と戯れる白髪のおばあちゃんたちあなたたちは栞の中の女子学生だったのですよ栞の中の女子学生の姿を見たらきっと置き忘れてしまった魂に再会してびっくりするのかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/20

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• 乳房と乳首

  　　　乳房と乳首　　　南風一暑くなって肌色の乳房があり白色の乳房があり乳房の先には乳首があるのだろうけれどどの乳首も乳房がお椀形であるのと同様に同じ形をしているのだろうけれどなぜか乳首を覗かせる女性は皆無に近く一応男たちの視線を遮る服の下に隠されてある乳房や乳首が見ず知らずの男たちに覗かれたからといって愛される男から嫌われるものでもないだろうあるいは乳房を揉まれたりお尻を触られたからといって当人が何でもないと思い込めば本当に何でもないことに過ぎないそれなのに好きな彼女の乳房を揉むことなくお尻の感触を楽しむことなく昔そんなことにはとんと思い至らなかったのに今頃になって彼女の乳房や乳首はどんなだったのかなもし二人だけのとき乳房に手を滑り込ませていたらほっぺたをおもいっきり殴られていたかなそれともなすがままにさせてくれたかなと考えているきみが好きだったその中に乳房や乳首が入っていなかったのはなぜだろう？でももしきみに乳房がなく乳首がなかったらいくら見えないからと言ってきみを好きになっていたものかどうかそれくらい乳房と乳首は大事ということさ女にとって男にとって何より赤ん坊にとってかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/18

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• 引越し

  　　　引越し　　　南風一小学生のころ引っ越すかも知れないという母の言葉を聞いて何が一番悲しかったかというと好きな女の子と離れ離れになることだった結局引越しの話は流れて彼女と離れ離れになることもなかったけれど小学校を卒業して以前のように無邪気に接することができないままにお互い別の人と結婚して離れ離れになっても平気に暮らしている以前はあんなに離れることが悲しかったのに （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/18

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• 想いだけを

  　　　想いだけを　　　南風一きみを前にして生唾ばかり飲み込んでいた口に出したい言葉はあるんだけれど喉に引っかかってうまく出てこない言葉を絞り出そうとするけれどきみに対する想いとそれを言葉にしたギャップの大きさに戸惑ってやがて想いを言葉にすることをやめたきみと俺の眼差しをつなぐ沈黙の言葉沈黙が何千の言葉となって二人をつなぐふれ合いでお互いの胸の内が分かってしまうことってあるきみと俺は何も喋らなかったけれど一万語の言葉を交わしたんだきみと俺がお互いを見つめ合ったのはほんの１時間に満たなかったけれど沈黙の言葉を交わしたのは数万時間に及ぶかなきみを前にしてドキドキした胸の高鳴りきみに言い出そうとして絞り出せなかった言葉想いだけをきみに送り続けた日 （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/16

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• 十年一昔

  　　　十年一昔　　　南風一小学生くらいの子どもとお母さんが歩いている子どもがそれほどになるのにどれほどの時間がかかったのだろう十年一昔という十年前にはそれはまだ愛嬌くらいにしか思わなかったもう一度十年一昔を迎えるともう愛嬌とは思わなくなったもう一回十年一昔を迎えると果たしてきみであることが分かるかどうか私であることが分かるかどうかちょっと心もとないそれでも十年一昔はやってくるのだろう （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/15

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• きみのところに

  　　　きみのところに　　　　南風一そう何度もあるわけじゃないし本当に連絡したくなったとき　かないつでも連絡して欲しいと思うね仕事中であっても商談中であってもすぐにきみのところに駆けつけよう駆けつけたからって多分どうなるものでもないんだろうでも連絡してくれたってことがうれしいじゃないそんなときはそう何度もあるわけじゃあるまいしでも本当にあったときは一報欲しいねせっかくこの世で出会った仲だものそれがいつだって分からないけれどいつだってそうあって欲しい （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/15

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• 選択

  　　　選択　　　南風一たった一つのことできみが結婚を決意したことはないだろうきみが一人の男を好きだから結婚を決意したことはないだろうタイミングやらこれまで出会った男たちの状況年齢友だち職場家族世間最後に　男の性格やら生活力　相性そんなもので決める以外に決めようはなかっただろうけれどそんな決め方をさせたのは誰だったのかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/15

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• 本当に突然に

  　　本当に突然に　　　南風一自動車に乗って踏み切りで左右を確認しているとき駅の方から女の人が出てくることがある（本当に突然に）もしそれがきみだったら「やあ　お久しぶり。元気だった？」そんな言葉が素直に口に付いて出てくると思う何のこだわりもなく昔のままにでもそんな再会は望んだところでありえないのかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/14

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• ６月

  　　６月　　　南風一カレンダーの中に３０日もあるのにお正月はなく新学期もなくゴールデンウィークもなく夏休みもなく十五夜もなくお祭りもなくクリスマスもないだけど梅雨空の下きみと初めて言葉を交わした月初めも終わりもなく大事件もなくただ巡航していただけでもそんな月がなかったら一年も俺の人生もスカスカになっていた （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/14

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• 梅雨時の夕暮れ

  　　梅雨時の夕暮れ　　　南風一いい年して小娘のきみを思い出しているなんて随分気違いじみているなと思うもし頭で考えていることが外からスクリーンを見るように見えてしまったらこの中年のおじさんはなんて好色なんだろうとびっくりされるに違いないでもきみの思い出は若いままなんだから仕方ない年相応のきみの姿を思い浮かべようとしたってとても想像できない （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/13

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• 誰のために

  　　　誰のために　　南風一自分ひとりが食べていくだけなら幾らでも楽できるしもう一度いい男とやり直すことだってできるのに身を粉にして子どもを育てるシングルマザーもしそのまま家に帰ればまた明日恋人に会えるし家族も待っているのに電車が迫ってくる線路に飛び降りて落ちた男を救い出そうとする若者昼間に診察や手術をこなした後自分の方がぶっ倒れそうなのにそのまま夜間に運び込まれてくる危篤患者や事故者を診察し続ける医者およそ自分の得にはならないのにそんな生き方をする彼らとは何か？彼らにとって生きてゆくことは誰のためかな？ （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/12

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• 夢の中

  　　　夢の中　　　南風一東京に出張する日の朝夢を見たきみが乗ってきたのは名古屋駅福岡の友だちとちょうど真ん中あたりで落ち合って一緒に遊んだという私の隣に腰掛けてファッション雑誌なんかを読み始めるひかりが浜松駅あたりを通過したときガクンと大きく揺れたきみは「きゃー」と叫んで私に寄りかかってきたそれできみと私は仲良くなった東京駅に着くとさっそくデートを約束して別れたその週末　きみから電話がかかってきて新宿で待ち合わせることにしたなぜか新宿御苑を歩くことになって「うわー素敵」きみはしきりに感嘆の声を上げる私にとって何がそんなに素敵なのか分からない喫茶店に入ろうとエスカレータを昇ったところがホテルだったりして「ごめん。申し訳なかった。間違った。さっさと降りよう」私がきみの腕を引っ張って階段を降りようとするときみは「なぜそんなにびっくりするの？ホテルでもいいじゃない」と言う私はどうリアクションしていいものか分からなかった電車に乗ってもきみは「私へんなところに肉が付いているから」と相変わらず裸になることにこだわっているきみは緑のワンピース一枚だったからちょっとかがんだときにはお尻の形がくっきり見えた池袋に着くまできみはいろんなことを話す「今日は楽しかった」「ホテルに行ってもいいよ」「今度　お母さんとお父さんに会ってくれ」きみと俺は一応初めてのデートだったんだからねゴールインは早すぎる意気投合ってのはそんなに簡単なものかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/11

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• 夢でもし会えたら

  　　　夢でもし会えたら　　　南風一きれいに揃えてカットされた髪何時間かかったのだろうと思えるほど入念に施された薄化粧うっすらとピンク色の唇が初々しいそんなＯＬと長い髪を後ろで束ねた学生色白だけど化粧気なし清々しい清潔感が地味な性格にマッチして奥ゆかしいさて　あなたならどちらの女性を選ぶかな？私なら色気のある美しいＯＬを絶対に選びたいそしてとろけるような恋に浸りたいだって天地がひっくり返ってもそんなＯＬと近づきになれる性格じゃないから夢だけでも安心してそう願おう （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/09

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• 虜

  　　　虜　　南風一きみは甘えることの天才だったから俺はいつも虜にされた虜のままでずっと虜のままでいられたらどんなに幸せだったろう （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/08

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• 喧嘩

  　　　喧嘩　　　南風一三男が自動販売機でコーラを買ったら一度に８本も出てきたさあそのコーラをどうするかで次男と一悶着あった次男は警察へもって行けばいいという私は自動販売機の管理会社に電話して取りに来てもらえばいいと主張する家族にとってはどうでもいいことで夕餉の時間が白けてしまった翌日　自動販売機の管理会社がコーラを回収しに来た結局それで親子を巻き込んだ事件は一件落着一日寝れば次男も私も昨夜の喧嘩のことはすっかり忘れている親子の諍いならこんなに簡単に終わるのにきみとの喧嘩はそうは行かなかったもっと頭を冷やしていれば良かったのかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/08

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• 梅雨の晴れ間

  　　　梅雨の晴れ間　　　南風一梅雨の晴れ間にきみのことを思い出している布団を干しながら２５年前の恋人を思い出している男などそうそういるものじゃないだろうそんな昔のことより主婦にとっては晴れ間が覗くうちに洗濯物を干しておこう買い物へ行っておこう明日の天気は大丈夫かしらそんな日常茶飯事の方がよっぽど大切いつまでも仲たがいした恋人のことなどくよくよ考えたところで一銭の得になるものじゃないし （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/08

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• 愛する人

  　　　愛する人　　　南風一人は「愛する人」で食っていけるか？四六時中行動を共にするわけじゃなし四六時中「ジュ・テーム　ジュ・テーム」と囁き続けるわけじゃなし健全な暮らしを営むためには職業も持たなけりゃならない俺には　そんな暮らしという観念が抜け落ちていた寝ても覚めてもきみと一緒にいれば人生はバラ色と考えていたきみにとって能天気な男の口車にまんまと乗ってしまうより教職に就くという目標の方がどんなに輝いていたことだろう （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/07

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• 悪魔の呪文

  　　　悪魔の呪文　　南風一「あなたの思い通りになると思ったら　大間違いよ」それは悪魔の呪文のように繰り返し俺の心を苛んだから今でも俺の理解は間違っていないと思っているでも　本当に嫌いだったらそんな言い方をしたかなと１％の不安がよぎるそしたら２５年前の確信がぐらぐら揺れ始める真意はもはや探らない方が二人のためにいいのだろうとも思うきみの言葉で胸の奥の何かがふっつり切れた記憶俺のリアクションはきみが想定しなかったものだったかも知れない言葉はいつも人を裏切るものだからきみも俺もやすやすと騙されてしまった注文通りに俺はきみからさよならした （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/07

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• 会えなくなって

  　　　会えなくなって　　　南風一子どもたちがきみと俺が出会った頃の年齢を超えるというのに相変わらず出会った頃のきみの姿を思い浮かべているきみと会えなくなって時は流れるように往ってしまった洗車したばかりの車でも雨水に打たれ埃や泥で汚れてしまっても何とも思わなくなるようにきみに会えないことに慣れっこになっていた俺と別れたときの怒りや悲しみ　落胆がもしあったとしてもきみはもう何とも思わなくなっているのかも知れないしそう思うのは希望というか相変わらず男の身勝手というものかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/07

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• きみの夢

  　　　きみの夢　　　南風一俺が仙人のような学者になることを夢見たようにきみにも夢があったことだろう俺は自分の夢を語らなかったしきみの夢について相槌を打って相談にのることもなかった結局きみと俺の未来のベクトルはバラバラそのくせ　自分からは目を離さないで欲しいと望んでいたそんな自分勝手な恋愛ごっこが長続きすることがないことくらい日の目を見るより明らかだった俺がきみに夢見たものは？きみが俺に夢見たものは？もしそんなものがあったのならそれは何だったのかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/07

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• 踏み切り

  　　　踏み切り　　南風一踏み切りを渡るとき左右を見てレールの向こうを確認する電車の姿を見ているはずなのに私が見ているのは初めて言葉を交わしたときのきみの姿きみは電車から降りてきて自転車を押しながら踏み切りを渡ってきたきみがそこにいるはずないのにレールの向こうに決まってきみの姿を期待しているきみはどこで笑っているのかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/06

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• しっぺ返し

  　　　しっぺ返し　　南風一好きなくせに好きだと知っているくせに思い通りにならないからと言って掌を返したようにさよなら出来るかな？駄々っ子みたいにひねくれてみたって何の得にもなりはしないざまあみろと粋がってみたってそれは一瞬のこと本当は憎んでいたのかな？一番手痛いしっぺ返しで報いた？そんなことしたって誰の得にもならなかったのにね （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/05

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• ただ惹かれるだけで

  　　　ただ惹かれるだけで　　　南風一きみが「違う」と感じていたように俺だって「違う」ことを知っていたきみが俺が思い込んでいるような女ではないと叫びたかったように俺だってきみが思い込んでいるような男ではないと叫びたかった生身の自分をさっさと曝け出していればあるいはお互いにそんなに傷つくこともなかったのかも知れないただ惹かれるだけで一緒に暮らしてゆけるわけではないそんなことも分からない二人だった （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/04

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• 内緒

  　　　内緒　　　南風一黙っていても瞳を見れば分かるアナタの気持ち半信半疑だけどなんとなく私も好きだからアドレス教えるわ夜になったらこっそり忍んで来てね （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/03

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• 梅雨空に

  　　梅雨空に　　南風一子どもの下宿までほんの数キロメートルに満たないと高をくくって歩いた意識は大学生のつもりで道で行き交う学生たちの姿を目にするともはや昔の自分じゃないとかんねんせざるを得ない赤信号で真正面に立つ娘たちは同じように短めのぴっちりしたジーンズに身を包み薄めのシャツの大きくふくらんだ胸がまぶしい選り取り緑のどの娘がいいかなと思っても俺には縁がない俺だってそんな時期を過ごしてきたしそのとき中年だったおじさんやおばさんだって自分の身の上を儚んで涙を流したりしなかった俺は静かに老いるべきなんだと思う一緒になれなかった昔の恋人を思い出したところでどうなるわけでもないし２１世紀の梅雨空の下年次休暇をとった中年男が大学町を歩く中年男のことなど誰も知ったことじゃないし何を考えて歩いているのだろうと想像する人もいない （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/02

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• 女

  　　　女　　　南風一以前ならすれ違うときまともに見ることができなかった以前なら肉付きのいいお尻やふくらはぎ腰のくびれや胸のふくらみに目が行くことはなかった以前なら風に翻るスカートの奥に目がいくことはなかった以前ならきみのことを考えていればよかったから何も見えてなかったんだね （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/02

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• 無限

  　　　無限　　　南風一きみに会おうか会うまいかそれは有限の選択有限の選択を積み重ねてきみに会わないまま時をやり過ごしたから無限にきみに会えなくなった有限が無限に変わったのは何回目の選択だったのだろう？もしそのとき「会う」を選んでいたらもう一方の無限に棒は倒れていたのだろうか （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/01

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• 何億光年彼方の家

  　　　何億光年彼方の家　　　南風一雀のお宿は軒の下カラスの家は宮の中認知症のおばあちゃんあなたは何処に住んでいるの？「ええ？何のこと　わたしゃ　主人と子どもと住んでるよ　主人と子どもは今本屋さんに立ち寄っているから」その記憶はひよっとして何億光年彼方の某月某日の記憶？ご主人はもうとっくに死亡し子どもさんも妻帯して遠くに住んでいるおばあちゃんあなたが住んでいるのはご家族がみんな健在でみんな若い一番幸福な家ね「おばあちゃん　ご主人と子どもさんがいらしたら　一緒に帰りましょうね　何億光年彼方の家へ」 （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/06/01

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• 自家製野菜

  　　　自家製野菜　　　南風一あたりにはプリペットのむせるような香りが漂いアジサイが咲き始めた道ぶちの家の庭にはきゅうりやベビートマト、スイカが蔓を伸ばし始めている仕事でなく自分で作った野菜の味はおそらく格別の味だろうスーパーで買ってきた野菜を食べるだけよりおよそ満足度は高いだろう学生のころ野菜さえ自分では買うことがなかった食事なんてただ空腹を満たすだけのことくらいにしか思っていなかったからいつも外食で済ませていた「食事を簡素にすると　生きることもうっすぺらな空虚なものになるんじゃない？」そんな風に問いかけてきた一人の女性がいた何にも意味を見出すことがなければおそらくその女性が言ったとおり死に直行するだけだろうだけど当時の俺はその女性に恋していた彼女に会って他愛ないおしゃべりをすることがすべてだった （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/05/31

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• パートナー

  　　　パートナー　　南風一宅地造成地で３人の作業員が休憩している向こうから近づいてくる犬を見て「あの犬は大きい身体をしているけれど　おとなしい犬なんだ」と話している犬を連れたご婦人は特に挨拶することもなく通り過ぎてゆく建築作業員は機械でないから３時がくれば休憩もするし他愛ない雑談もする夫らしい男性と連れ添って歩く細身の女性は手を振っててきぱきと歩を進めるその魅力的な女性が隣りの夫らしい男と連れ添わなければならない理由とは何か？そんなことは多分その女性には分からないだろう男も女も商品ではないから目を合わせば心を読む言葉を交わせば考えを知る相手を知れば自分の置かれた立場自分の未来経済的な打算あれやこれやの感情道徳観や倫理観それらの総体で離れがたくなる場合があろうそんなものに関係なくあっさり去れる人もある出会うのが早過ぎた遅すぎたということはあろうそれも感情を持つ者同士のなせる業運命の人なんて遥か遠く広い世界から選りすぐって出会ったように思っているけれど本当は自分の感情が届く限りのちっちゃな世界から選び出してきたに過ぎないそれでも人って安定を求めるからかないつまでも理想を追い求めないし次から次にパートナーを替え続ける人ってそんなに聞かないね （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/05/31

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• 愛情表現

  　　　　愛情表現　　南風一霧雨の中次男が車で出かけた彼女が京都から帰ってくるので後輩の総体を二人で見に行くという免許取りたてのくせにあえて車で行く理由なんてないのになぜ車で出かけたのだろう車で行かなくても彼女との仲が壊れるものでもないだろう同じ時間を共有するのにちょっと手段が変わることもそれはそれなりに楽しいことには違いないだろうが・・・私の場合どんなだったかな？と考えるそもそもそんな仲になる前に終わった方が多かった言葉にできずかと言って態度や行動にもできずいつも終わってから悔やんでいたどんな愛情表現が良かったのかな？ （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/05/31

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• 若いころ

  　　若いころ　　　南風一妻を持って子どもを持って家を持って歳をとった若いころのように恋人で世界は一色ということはなくなった好きは好きでも家の中の家具のように恋人も生活の中の一つきみの暮らしにおいて恋人はそれだけの場所しか占めていなかったのかも知れない吹奏楽があって友だちがあって妹たちや家族があってきみに想いを寄せる男など暮らしのアクセサリー程度のものだったろう俺は２５年かかってようやく当時のきみの暮らしに近づいたということかなきみが裕福すぎたのかそれとも俺が貧し過ぎたのか写真を掃除の行き届いたリビングに飾られるより戸外を歩くしか脳のない二人きりの暮らしの方がどんなにか夢に満ちていただろうと思うのは相変わらず俺が天邪鬼のせいばかりじゃないだろう （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/05/29

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• 所在不明者リスト

  　　所在不明者リスト　　南風一同窓会の開催通知の前に所在不明者リストが届いたその中に見覚えのある名前と見覚えのない姓がつなぎ合わされた名前が一つ記憶に間違いがなければそれは紛れも無い彼女の名前前回と姓が変わり今度は行方不明彼女の身に何があったのだろう？しっかり者の彼女のことだからいろいろ考えるところがあったのかなまたそれだけの実行力もあったのだろうもし再婚だったのなら俺にもチャンスはあったはずなのにそんなことにはとんと思い至らなかった彼女の所在を知っている女友だちが一人や二人いることを願う今さら何も言うことはないけれど一目きみの変わらない姿を見られたらどんなに嬉しいことかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/05/28

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• 朝の妄想

  　　　朝の妄想　　　南風一時計は６時半を少し回ったころ息子を送った帰り道ちょうど着いた電車から降りてきた人たちがまばらに歩道を歩き始めるその中に一人の女性年の頃は２０代後半か３０代前半（したがってプロポーションは抜群にいい）お尻を振ってオフィス街の方へ歩くサイドミラーやルームミラーに映る彼女の姿を追いながら湖水に石を投げ入れるようにもし俺が彼女に子どもを生ませたら・・・と妄想する平凡な彼女の日常は一変し未婚の母は周りの厳しい視線に耐えながらそれでも自分の子どもを守って行くのだろうか？そんなことより堅実そうな彼女が見も知らぬ男の子どもを生むなんてありえないな・・・信号が青に変わって今日も彼女の影は小さくなってゆく （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/05/27

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• 恋愛とベイズの定理

  　　　　恋愛とベイズの定理　　　南風一様々な偶然やら必然が積み重なってきみを好きになったもしきみと俺が同じ電車に乗り合わせることなく同じ時刻に乗り合わせることなく一回や二回でそれっきりになることなく電車が揺れて身体が触れ合うことなくきみの上目遣いの瞳に出合うことがなければきみと俺は知らない者同士赤い糸でも何でもなくきみと出合うことの偶然が重なって好きに至ってしまっただからきみを嫌いにならなけりゃならない事情が重なってきみを嫌いになったそれだって高い確率で起きたこと不思議でも何でも無かった （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/05/25

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• 雨の運動会

  　　　雨の運動会　　　南風一きみが他の女性に比べて特に変わったところを持っていたわけじゃないだろう確かに可愛かっただろうけれどそれは年頃の女の子ならみな同じ特別きみの専売特許じゃなかっただのになぜかな？きみと結婚したいと思ったなぜ結婚なのかそれは分からなかったきみが懸念したとおり万が一結婚できたところで多分喧嘩別れしていただろうそんなことは百も承知だったけどトラフグの毒に当たって死ねるなら本望そうやって死んで行った人もいたきみの何処が気に入ったのか説明できないんだけれど今更そんなことどっちでもいいよね俺は相変わらず死んだ子の歳を数えているけれどきみは俺のことなど思い出すこともないだろう （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/05/24

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• 街角のＯＬ

  　　　街角のＯＬ　　南風一細身のスーツがびしっと決まったＯＬ年の頃は２７、８くびれた腰とすらりと伸びた肢体髪は長くほのかに甘い香りが漂ってくるようだそんなＯＬを見かけるとはっとするくせにすぐに目をそむけてしまうなぜってきみの姿をだぶらせてしまってきみであるはずないのにそこに立っているのがきみのような気がして切なくなってしまうからねおれはそんなＯＬ姿のきみに憧れていたくせにきみから遠ざかってばかりいた結局きみのＯＬ姿なんて一度も見ることがなかった街角に立つ魅力的なＯＬそれがきみでないのはなぜだろう？そんな魅力的な姿のＯＬを抱くのは誰だろう？俺でないはずなのは確かなことだけど （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/05/23

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• ５月の風

  　　　５月の風　　　南風一稲を植えたばかりの田んぼの臭いを知っているかい？兜エビが泳ぎタニシが底をはいときたまサギが格好のタンパク質源を捕りに舞い降りてくるそんな田んぼの臭いを嗅いだことがあるかい？年寄りの髪の毛のように力弱くまばらに立つ稲頭が垂れるほどたくさんの稲穂が実るのはまだまだ先のこと今は５月の爽やかな風が水面を吹き抜ける小学生のころ網を持って田んぼの水をすくったことがある兜エビやお玉じゃくしがたくさん捕れた水と泥の臭いは昔ながらの臭いだけど何処が違っているのだろう？田んぼは昔のままだけど田んぼの周りは変わったそれからみんな歳をとってしまった （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/05/22

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• めぐり合わせ

  　　　めぐり合わせ　　　南風一もう十数年も前のことおやじの見舞いに行ったら病院のエレベータで偶然に高校の同級生の女性と乗り合わせた彼女は私の妻とも同級生だったから私は一瞬心臓が凍る思いだったなぜっていって高校３年生のとき１週１回あったバドミントンクラブでいつも隣りのコートでラケットを振っていたのが彼女だった大学生のころ彼女にラブレターを書いたことがあった返事が来ないままそのままになっていつかしら忘れてしまっていた彼女は妻に気づくと二言三言　妻と言葉を交わした私は素知らぬ素振りでいたドアが開くと彼女は私の方にも軽く会釈をして立ち去ったそれっきり会っていないなぜそんなことを思い出したのだろう？ （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/05/20

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