南風一の世界

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• 川

  　　　川　　　南風一幅５メートルに満たない川に「護岸工事中」の看板がかかる見れば確かに岸が崩れ道はぽっかり口を開けて家の手前まで亀裂が延びる川幅１キロメートルもあろうかという天竜川ならともかく大地をちょっと引っ掻いた程度に過ぎない川を閉じこめておくことも容易でない俺だってあれこれ手を尽くしてきみのことを忘れようとしたそれでもやっぱりうまく行かないことだってあるよね （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/19

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• 見えないもの

  　　　見えないもの　　　南風一「あんなに頑張っていたのに。　今の仕事じゃ　もの足りないのでは？」思いがけずそう言ってくれる女性社員心の中で　そんな風に見えるのかと思いながらいやいや今の仕事で頑張っているという気持ちと確かに以前の俺に比べたらもっともだと肯定したい気持ちが半々くらい俺は以前のままの俺なんだけど何が変わってしまったのかな？そういえば昔　階段で女子社員に会ったとき彼女たちの後ろから上がろうとしたらスカートのお尻のあたりを押さえている「どうしたの？」って尋ねたら「南風さんに覗かれるからよねー」って言われたもうそんな軽口をきく女子社員に出会わなくなった （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/19

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• カメラで見えないもの

  　　　カメラで見えないもの　　南風一人の目がカメラより優れているところカメラは目の前のものしか写さないでも人の目はそこにないものや見えないものを見るトラックが轟音を上げて走ってゆく車道の下には池や谷が眠るぬかるみの畑にはサトウキビが茂り谷底の田んぼから稲を運び上げるのが一苦労だった道から見通しがよくなったプラットフォームの奥にはいつもきみが佇んでいる池や谷佇むきみの姿はカメラなんかじゃ見えない （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/18

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• 平々凡々

  　　　平々凡々　　南風一年間７千人という交通事故死亡者にならず１００万人に１人という宝くじにも当たらず人生の後半を迎えてまずは平々凡々の人生を送ってきたこんな俺でもいまだ恋しい女性がいるんだからそこら中の人たちも同じ思いで生きているんだろうしてみると何の未練もなく死ねる人の方が宝くじに当たるほど少ない俺は誰の姿を夢に見ながら逝くのだろう？大方の例に漏れずきみの姿を思い描く余裕もなく家族や親類縁者に礼を言いながら死ぬのだろう （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/17

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• 言えない

  　　　言えない　　南風一「時が時だったから少し喋りすぎたけれど　ご免なさい　そんなつもりじゃなかったの」あーあ　勘違いじゃんじゃん　てな具合があって「ねえ言って　言葉ではっきり口に出して　言って」甘くとろけてゆきそうな雰囲気だけどやっぱり言えない言葉があって口に出したからと言って複雑な想いが伝わるわけじゃあるまいし明日からバラ色の暮らしが出現するわけでもないそれでもなぜ言って欲しいと思うのかな？ （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/16

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• 石臼

  　　　　石臼　　　　南風一　暮れに叔母の病状が思わしくなかったので餅つきがなかったお陰でこの正月は店で買った餅を食べた私が子どもの頃餅つきの石臼は納屋に鎮座していた祖父母が死んで誰も餅つきをする者がいなくなったとき石臼は樋からこぼれ落ちる水の受け石になっていた年が押し迫った暮れに親戚一同が集まってわいわいがやがや賑やかに餅をつく光景を見なくなって随分になるちゃんとした餅が食べられなくなってもし手近なところに杵と臼があればなあと思っているけれど気付くのが遅すぎるよね俺はいつもそうだった失ってから失ったものの尊さにやっと気付いている （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/15

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• 殺人事件

  　　　殺人事件　　　南風一Ｍ市で２３才のスナックママが４９才の男に殺された男はスナックの常連客で日頃からしつこくママを口説いていたという人を殺（あや）めることは理由がどうであれ勿論許されることではないそれを是認した上で「俺がもしこの男だったら」と仮定する果たして俺は女に拒絶されてもしつこく執着しただろうか？女２３才　男４９才「女から」なら歳の差なんて言葉もあろうけれど「男から」だよ男は確かに勘違いしていただろう頭の中では２０代の白眉の青年姿の自分がそこに居るたまに鏡を覗き込むことはなかったのだろうか （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/14

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• ３０年

  　　　３０年　　南風一きみは夫と暮らすことをもう何とも思っていないのかも知れない当たり前すぎて実父母に対するのと同じくらい空気の存在になれば立派なものもう俺の付け入る隙など有りはしない俺は若い頃一時だけきみに近づいた通りすがりの男運良く道ですれ違うことがあっても通りすがりの男では気付くこともないだろうきみが男に惚れたことなんてあったのかな？もしそんな結婚ならば俺にとっても幸せな３０年だったかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/14

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• 美味しいとき

  　　　美味しいとき　　　南風一書を捨て郊外へ出でよ太陽が遍く照らす人家、田んぼ、山なみ、空を眺めながら歩けジャンパーに当たる日射しは暖かく頬をなでる外気は冷たいいつからか考えるよりも戸外にぶらりと散歩に出る方を好むようになった古代の人のように太陽の光を浴びて風に触れてただ歩けどんなご馳走よりも美味しいとき生物はただこの至福を感じるために生まれてきた （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/14

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• 成人の日

  　　　成人の日　　　南風一成人の日別にその日に恋人とどうこうしたいという若者はいないだろう家の近くで成人式があるなら同窓会に出るつもりで参加して小中学校時代の旧友に会えれば目標は１００％以上達成したことになる午後から同級生たちが集まってボーリングとか遊戯施設に遊びにいく夜が来て名残惜しみながら再会を期してそれぞれの方向へ散ってゆくそんな３０年近く前の成人の日の過ごし方をする若者はもういないのかも知れないみんな携帯の先でそれぞれの恋人とつながっているから式を終えれば「バイバイまたね」とあっさり散ってゆく成人式はちょっとした用事で用事が終わればすぐに日常のつながりに戻ってゆく好きな女の成人の日も忘れて儀礼とはいえ女性にとって一生に一度の慶事ということにも気付かないそんな馬鹿な男がいたなんて今の時代からは想像もできないだろう （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/14

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• 家

  　　　家　　　南風一新しい家が建つ昔なら柱や梁を何十人もの大工さんが引っぱり上げたのだろうけれど今ではクレーンが難なく吊り上げるその近くでは鏡開きの翌日というのに新年を迎えた形跡のない捨て置かれた古家がある昔その古家に集った人たち一同が門の前で記念撮影したこともあっただろう私の住む家もやがて私が死に　妻が死ねば捨て置かれるか人手に渡って新しい家が建つのだろう捨て置かれた荒れ家のままであろうと新しい家に換わろうと道ゆく人には以前そこに誰が住んでいたのか誰にも分からない長いようで短い家の一生 （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/13

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• 何処にもいない「きみ」

  　　何処にもいない「きみ」　　南風一若い女性が二人歩いてゆく後ろ姿は若い女性以外の何ものでもない若い女性の姿はどれもそっくりきみの姿にそっくり誰でもいいのじゃなくきみを好きだったのは「きみ」の何処に惚れたせいかな？目？口元？瞳？髪？スタイル？それらの全部だったはずなんだけどそれらのどれでもないきみの声？筆跡？それもそうなんだけどそれでもないきっと何処にもいない「きみ」だったのだろう （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/13

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• 男と女

  　　男と女　　　南風一好きな女が一人の男は幸せその女に恋人役も母親役も演じて貰えるでもそんな器用な女は滅多にいない不器用な女と子供じみた男男は家に帰っても慰めて貰えないから仕事帰りに愛人のところに寄るそして幼児のように愛人の胸に甘える （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/12

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• 水仙

  　　　水仙　　　南風一車を洗っていて水仙にはちと早いかなと思った近頃は水仙よりも水仙らしい香りのするシャンプーがあろうからそれかなと思って近所を見回すけれど浴室や洗面所に電灯は点いていないはて？何処から香ってくるのか水仙は学生時代の遠い思い出学年末試験を終えてまた一年が過ぎ去ったことを思い知るばかりで俺は一年前の自分と何ら変わるところがない何の進歩もない将来に対する漠然とした不安ばかりを抱いていた早春を思い起こさせる今は当時思っていた漠然とした「未来」を生きているのだからもはや不安に思うことなど何もないはず未来はこれで良かったのかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/12

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• 女性

  　　　女性　　　南風一若い頃は女性といえば「女の子」か「おばさん」その２種類しかなかった自分が歳をとってみると顔の肌や艶髪や体型　服装によって女性の微妙な年令が分かるようになった小学校低学年らしい女の子を連れたお母さん後ろ姿はジーンズのヒップから太股にかけてのラインがきれいでまだ独身女性かと見紛う体型束ねた長い髪は美しいこちらに振り向いた顔は化粧っけなしの色白で爽やかな美人まだまだ美しい女性（ひと）だけど生娘じゃないことは分かるなぜそんなことが分かるようになったのかな？ （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/12

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• 雨粒

  　　雨粒　　南風一雨粒はどれも似ているようで実はどれも似ていない楽しかったきみとの１コマもどうせ過ぎ去るものだったからきみと俺が出会うことがなくっても同じことだっただからきみに出会えたことが宝くじに当たるよりももっと憑いていたんだと思う生まれてきたって好きな人に巡り会えない人だってたくさんいるのにね （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/11

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• きみを見初めた日から

  　　　きみを見初めた日から　　南風一今でもきみを見初めた日から始まったきみとの出来事を絨毯を広げるようにまざまざと思い出すことができる卒業から３０年の歳月が過ぎて同窓会をやるからと言われてもきみは実家のない土地を訪れるものかどうかきみは俺の知らない誰かと結婚して俺の知らない土地に暮らすきみと俺は悲しい別れ方をしたけれど束の間　恋人であった時間を消し去ることはできないきみは俺とのことをもう誰にも話さないのだろうけれど同窓会の案内状を見て昔のことを思い出すこともあったのかしら束の間　二人が恋人であった日を思い出して欲しいあの頃の俺の想いに嘘はない想いは今も変わらないけれど俺は結局駆け引きに負けたのだろうと思うそれとも俺が単に意気地なしだったのかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/10

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• きみと友だち

  　　　きみと友だち　　　南風一きみに初めて声をかけたとききみの隣りの友だちはすっといなくなったもう何度もそんな経験があったのかなと勘ぐるくらい自然だったそれからきみを学園祭に呼んだときもきみの隣りにその友だちがいたそれから後もいつもきみの隣にはその友だちがいたきみとその友だちはそんなに仲良しだったから今でもよく会っているのだろうかそれとももう離ればなれになって滅多に会うこともないのかなできることなら昔のままにきみと友だちはいつまでも仲良しでいてくれたらと思う俺は生憎その友だちの顔を全然憶えていないから友だちに出会えたところできみの所在を聞くこともできないけれど （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/09

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• 再会

  　　　再会　　　南風一何年待ち焦がれただろうやっと会えたきみは俺が思い描いていたとおりの姿白い網タイツに膝が出た黒と白のチェックのスカート首周りに大きなレースが波打つ上着顔は急いで出てきたのかいかにも化粧してきましたという顔立ちお尻は大きいし胸もボリュームがある何よりハデな出で立ちが人目を惹く俺は胸の中では物静かで控えめで奥ゆかしい娘が好みだと思っていただけどきみの姿を見ると本当はそんなんじゃなかったんだということを思い知らされるそれにしても人目を惹くので何とかならないかと思いつつきみと暮れの街を歩く横断歩道であんまりゆっくり歩くのできみに腕を引っぱられながらだんだんきみのペースに惹き込まれてゆく俺だった （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/08

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• 馬鹿男

  　　　馬鹿男　　　南風一前方にスタイルのいいイカシタ女性が歩いていた一人の男が自転車で追い抜きざまちらりと振り返って女性の顔を見た「へーい　イカシタねえちゃん」とまでは言わないにしろ俺もそれくらい厚顔であれたならと男が羨ましかった追い抜きざまきみの顔を見たくて仕方なかったのにいつもやせ我慢して通り過ぎた何にも言わなけりゃただの通行人きみが俺の想いに気付くはずなかったそれなのにいつもきみが俺のことを思い焦がれていると夢想していた馬鹿男 （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/07

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• 季節の中に

  　　　季節の中に　　南風一四季が一年で巡ってくるように季節の中にきみは何度でも巡ってくる新しい家が建っているなと眺めるうちにいつの間にかその家はもう何年も以前からそこに在るように当たり前の光景になっていつかしら家がなかったときの光景すらすっかり思い出せなくなるきみがもし何処かに嫁いでいるなら初々しかった新妻がもうすっかり当たり前の婦人になって昔々ローカル電車のプラットフォームに佇んでいたきみの女学生姿なんてもう誰も想像できないだろうそうして季節は巡っていく季節は一年で巡ってくるけれどきみの思い出は螺旋的に遠ざかってゆく （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/06

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• 門松と休日

  　　　門松と休日　　　南風一まだどの家にも正月気分が残り門松が軒下を飾っている休日春を思わせる陽気に誘われて戸外に散歩に出る学生時代なら何かに思い悩んだら本の中に解答を探し求めたけれどこの頃はぶらりと戸外に出る歩くことで　とにかく気分が晴れる何もすることがない休日は母親が買い物に出かけるのを待って彼女に電話した彼女とよもやまな話しをしているとすぐに時間が経った母親が帰ってきた物音を聞きつけると「じゃあ　また」と言って急いで電話を切ったそれが間に合わないこともあって母親に見つかることもあった休日の午後　今なら目を盗んで電話をかける時間はあるけれどきみが見つからない （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/06

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• 鬼ごっこ

  　　　鬼ごっこ　　南風一お正月に従兄弟たちが集まると近所の友だちも交えて鬼ごっこをした農家の広いにわ神社のなか学校の校庭俺は何の拍子かいつも好きな女の子ばかり追っかけていたやっと女の子に追いついたときは二人きりだった「つかまえた」と言ってようやく彼女の腕を掴んだときは二人ともくたくただったどっと倒れ込んで二人は抱き合ったぜえぜえ呼吸が高鳴って声にならなかった彼女は柔らかく甘い匂いがした二人は暫くもみ合った後観念して笑い合った今度は彼女が俺を追っかける場面になった俺は走って逃げた彼女も立ち上がると一生懸命に追っかけてきた今でも俺は好きだった女の子を追っかけ続けている夢をみる彼女はどのあたりを走っているのだろう （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/05

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• 男と女

  　　　男と女　　　南風一学生のころ余り仲よくなり過ぎることはちょっと不安だっただから俺はいつも恋人の一歩手前で立ち止まるのだった他のカップルを見るとすっかり出来上がっている二人組もあったそんなカップルを見ると羨ましさが半分「この先どうするのだろう？」という不安が半分だったそのあと目出度くゴールインしたカップルもいようあいにく別れてしまったカップルもいようゴールインはしたものの熟年離婚するカップルもいようとにかく走ってみれば良かったのかな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/05

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• 天の邪鬼

  　　天の邪鬼　　南風一本当は好きなくせに俺は天の邪鬼だからきみがたくさんの男たちに言い寄られたらもう俺なんかに用事はないだろうと背を向ける「くっそう　俺の彼女を取られてたまるか」ってなぜ向かっていけなかったのかな戦う前から引いてしまってきみは俺のことを随分意気地なしと思ったことだろう一度きりの人生だったのに随分ふがいない男だった （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/04

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• ある孝行息子の一生

  　　　ある孝行息子の一生　　南風一もともと何もしていなかった年末年始の６連休ごときで休み過ぎだなんて変な人昔は浮き草だった水の流れに身を任せて風の吹くまま雲の流れるままもともと一つところで堅実に暮らすなどということは夢のまた夢何歳になっても妻帯もせず故郷にも寄りつかず何処で暮らしているのかようとして消息も聞かず郷里の隣人は「生きていたならうちの孫と同じ年頃の孫もいよう」と老母を慰めるけれどそんな気休めなどに老母はすでに耳を貸さない「小さな頃は　素直で親思いのやさしい子どもだったのだがな」と老人たちも述懐するのだが子どもがそのまま大人になるわけでもないので「うんうん　そうだ」と頷くわけにも行かないそうしてかつての素直で親思いのやさしかった子どもは何にもならず何の功績も残さずいつ何処で死んで行ったのかも誰も知らないのでした （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/03

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• 初詣

  　　　初詣　　　南風一不景気を反映してか心なしか普段着姿の人が多い初詣和服姿の女性やきれいに着飾った若い女性の姿も見える家族連れの姿が一番多いかな普段の人混みでは見かけない老人たちが一息つきながら階段をゆっくり上がるのもほほえましい毎年神様仏様にお願いすることは決まった台詞欲張らずただ健やかな一年であることをすばやく唱える交通安全身体健康家庭円満少しだけ学業成就正月の思いを忘れないように願いを込めた御守りを買うそうやって今年もよろしく神様仏様もお達者で彼女が俺を思い出すこともあるのかなと思ったりして神社寺院を後にする （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/03

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• 不思議

  　　　不思議　　南風一出会い　ってのは確かにあると思うそれより遅すぎてもだめ早すぎてもだめそのときだったから惹かれ合った二人惹かれ合った二人は運命的出会いと信じ込む当人同士はそれで幸せどのカップルもみんな運命的出会いと思い込んでいる不思議なカップル （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。購入は、こちら（Amazon.co.jp）からどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/02

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• あの時代

  　　　あの時代　　　南風一新刊本の書店ではなく古本屋だからこそ懐かしさや発見に出会えるように何十年も前にただ通り過ぎただけの光景が蘇ってくることがある新学期が始まるや恒例のストで電車やバスが止まったその度に自転車で小一時間もかけて学校へ通った迷いながら通り過ぎた道や家並みに過ぎなかったけれど何十年も経ってふとそのとき通り過ぎた家並みの記憶が鮮明に蘇ってくる確かにあのとき自転車で通り過ぎた家に違いない黒壁の昔ながらの屋根瓦のどっしりした農家風の家ただしもうそんな家は疎らにしか残っていないあとは不思議な曲がり方をした狭い道と細々と水の流れる水路くらいかな変わりゆく家並みとかつて暮らしていたたくさんの人たちあの時代は何処に行ってしまったのかな？ （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。予約受付中。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/02

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• 正月

  　　　正月　　　南風一毎年親の実家に年始に行ってご馳走を食べて初詣に行って帰ってくる当たり前過ぎて疑うことなく同じことを繰り返しているきみを好きになって思いついたときだけ電話して話した時間なんてちっぽけ過ぎて存在したのかしなかったのか分からないほどの儚さだったけれどそれを無いことにしたらそんなものの積み重ねにしか過ぎない俺の人生なんて消えて無くなってしまうね （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。予約受付中。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2008/01/01

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• 好意

  　　　好意　　　南風一朝　通勤の途上で挨拶を投げてくる年輩の主婦がいる朝　姿を見かけたときはいつもにこやかな笑顔でお辞儀をしてくるそれはこちらがいつも同じ時刻に同じ場所を同じ姿で通り過ぎるから俺が誰であっても同じだったろう俺が通り過ぎる道に工事中の立て札をして回り道をさせるそれから何食わぬ顔して俺と同じような格好をしていつもの道を自転車で通り過ぎるそしたら主婦は俺以外の俺ににこやかな挨拶を投げて寄こすだろう好意ってものはそれだけのもの俺は何を勘違いしていたのだろう （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。予約受付中。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2007/12/31

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• きみに電話できるのは

  　　　きみに電話できるのは　　　南風一６連休の２日が終わって明日は買い物と旧友との待ち合わせ明後日は年始の挨拶その翌日は初詣年末年始だから旧友って台詞で電話の一つもかけられたかも知れないのに昔と同じようにぐずぐず理由を付けてみすみすチャンスを逃してしまった今度きみに電話できるのはいつのことかな？ （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。予約受付中。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2007/12/30

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• 年の瀬

  　　　年の瀬　　　南風一ショッピングセンターで若い頃の叔母そっくりの女性を見かけたまさか叔母ではないからびっくりすることもなかったのだろうけれど叔母の変わり様が思い出されて淋しくなった昔は差し歯もなく癌でもなく白髪もなかったあんな頃があったのだ俺が会いたいと思っているきみにしたって会えて嬉しいと思うのか淋しいと感じるのか分からない （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。予約受付中。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2007/12/30

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• 逃げたる男を想いて暮らしたる女

  　　逃げたる男を想いて暮らしたる女　　　南風一今は昔一人の女ありけり自分を選ばなかった男が忘れられなくて男に縁のある里に移り住みて日夜男を想いて暮らしたるそんな話など昔の作り話に過ぎないと思うけれど俺が女に生まれていたらそんな女だったかも知れない （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。予約受付中。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2007/12/29

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• 友だち

  　　　友だち　　　南風一正月を目前に生い茂っていた雑草が刈り取られきれいに畝が作られて一列に緑が芽吹いている荒れた田んぼから想像もできなかったが元々画然と区分けされた田んぼが並んでいたきちんと持ち主がいたことが証明されてほっと胸をなで下ろす中学校の同級生の女性の中には何の気兼ねもなく電話をかけてきて保険の購入を勧める者がいるそんな風にきみが俺に電話をかけてくれても何の不審もないと思うのだけど昔の恋人って言わずに昔の友だちでいいのに （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。予約受付中。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2007/12/29

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• 二人寄り添って

  　　二人寄り添って　　　南風一一年の仕事を終えてきみのとこへ戻ってゆこう「じゃあ」とだけ言ってそれっきりになった話しの続きをするために外は銀世界出会ったときのように二人寄り添って何処までも歩いてゆこう天も地も一面銀世界二人の足跡に雪が降り積む （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。予約受付中。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2007/12/28

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• きみのことばかりが思い浮かぶ日

  　　　きみのことばかりが思い浮かぶ日　　　南風一朝からきみのことばかりが思い浮かぶ日きみが俺に向かってテレパシーでも送っているのかと想像する「会ってくれと言ったり　もう良いからとすねたり　どうしたのかしら？」そう言ってくすくす笑っていたきみの言葉が響いてくる俺の意識の中ではきみはあの日の声と姿のまま今にも街角から現れそうな予感がするんだけどな （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。予約受付中。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2007/12/27

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• 知ってしまえば

  　　　知ってしまえば　　　南風一眼に血が滲んで何事かと不安に駆られる眼科医じゃないから理由が分からない理由が分からないから一層不安になるもしかしたら癌じゃないかという不安が頭を過ぎる癌なら癌でしょうがないもう十二分に生きてきたと観念する病気の前に人間は何とちっぽけな存在だろうと思ったりするそれから病院へ行って診察を受けると「外の血管が切れただけで大したことはない」というほっと胸をなで下ろしてあの杞憂は何だったのだろう？と思うほんの一歩先が見えないだけで不安に駆られ厳粛な気持ちになるきみに想いを告白してきみから返答があるまであれこれ思って生きた心地がしなかったそれだって知ってしまえば何でもないことだった （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。予約受付中。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2007/12/26

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• クリスマスイブ

  　　クリスマスイブ　　南風一赤ん坊は夢を握りしめて生まれてくるお母さんからミルクを一杯与えられて大きくなる車を持ったり家を持ったり名誉を持ったりするけれどそんなものはポケットにも入らない女盛りのきみは身だしなみにもまだ気を配らなけりゃならないから大変だろうけれど俺は一足先にそんなものから足を洗ったクリスマスイブの太陽は幾分高度が高くなって日射しが暖かい俺が持つものと言えば手を振って歩ける身体一つだけど日射しの恵みを全身で感じられることには感謝しなけりゃと思うきみと一緒に暮らせていたらあんなだったろうなという夢だけ持って死んでゆこう （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。予約受付中。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2007/12/24

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• きみの方へ

  　　きみの方へ　　　南風一好きといえる言葉で表現できる関係まで行かなかった直感的に好意は持っているけれどさてどうしたものか？きみの方へ行かなかった俺がこうして今を生きているきみの方へ行っていたとしてもきみと俺が幸せになっていたかどうかそれだって分からなかったよ （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。予約受付中。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2007/12/24

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• すっぴんのきみ

  　　　すっぴんのきみ　　南風一互いに誤解し合ったままえいやっと思い切るよりも長所だろうと欠点だろうと正しい姿を知る方が長い目で見て二人のためになるそういう過程を経て結局　恋人の化けの皮が剥がれてゆく掛け値なし　下駄も履かないすっぴんのきみを知って尚それでも好きだなんて何処まで馬鹿男なんだろうねきみの何処に惹かれたのかな？分からない （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。予約受付中。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2007/12/23

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• 私の世界

  　　　私の世界　　　南風一宇宙に浮かぶ地球が青い海と空から出来ているように私の世界は単純だった娘に恋をしてプロポーズして結婚して子どもを作って仲良く暮らすそして歳をとれば死んでゆくそれだけの生活しか望まなかったのに　ね （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。予約受付中。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2007/12/22

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• 夢

  　　　夢　　　南風一もう何十年も前に壊した家の窓から半分干上がった池を見ていた小さな池のわりには大きな魚やワニが岸辺に上がっていた果ては猿まで飛び出してきた俺には好きな娘がいたけれどその不誠実な娘を振って結局誠実な娘の方を選んだそのことにほっと胸をなで下ろしていたそう思って妻の顔を見ると何とそれは不誠実な方の娘・・・そこで目が覚めた （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。予約受付中。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2007/12/22

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• 雨

  　　　雨　　　南風一雨の中横断歩道を渡りきった女子高生がパラソルを回す１回転するとふわりとスカートがめくれ白い脚が露わになるきみの処にも雨が降っていよう雨の中を車でつっ走ってゆくとそのまま雲のトンネルをつき抜けてあの日のきみに到達できそうな気がする （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。予約受付中。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2007/12/22

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• どんな心変わりが

  　　　どんな心変わりが　　　南風一１年の間にどんな心変わりがあったものかそれは知らないそれまで好きで仕方なかった相手をきっぱり忘れるためには並大抵でない決心がいる運良くというか運悪くというか俺はきみの胸のうちを計りかねた猫のように甘えた仕草をするかと思えばプイと忘れてしまったように何カ月も音信不通になるきみが元気ならそれで良かったけれど俺がきみにとって不可欠な存在ではないことを思い知らされた俺がきみを忘れることにして１年が過ぎた頃きみから電話があったというきみが俺に何を伝えたかったのかそれは分からない自分から好きでもないのに自分のことは好きでいて欲しいそんな関係が長続きしないことくらい子どもにも分かったろうにね （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。予約受付中。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2007/12/20

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• 今日の私

  　　今日の私　　　南風一今日の私は切れ味の悪い包丁小一時間ほど包丁をこねくり回したけれどほうれん草一つ満足に刻めない （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。予約受付中。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2007/12/19

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• きみと俺

  　　　きみと俺　　　南風一きみが嫉妬するなんてことがあったものかどうか二人並んで降り立った駅でばったり出くわした女友だちと嬉しそうに話す俺きみと話すときより楽しそうに見えたのかも知れないねきみが隣りにいて嬉しくて仕方なかっただけなのに二人になってからも仏頂面していたきみ本当は「私だけを見つめて」と訴えているきみの気持ちが痛いほど分かるのにそっけない素振りできみを落胆させてしまう俺会えば喧嘩してやっと仲直りして会えたのにやっぱり喧嘩する想いと行動がいつもちぐはぐだったきみと俺 （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。予約受付中。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2007/12/18

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• ３０年前の未来から

  　　　３０年前の未来から　　　南風一３年間同じ学校に通いながら卒業アルバムを見て初めて存在に気付くそんな体験は確かにあろう急いでラブレターを書いてみたものの顔を見知っていたわけではなく話したこともなかったからそんな男からのラブレターにやすやすと返事を出す女などいようはずがない男は女のことをすぐに忘れたその程度の恋だったそれから３０年の歳月が過ぎて妻からその女の名前を聞いた元々会ったこともないのだから思い浮かべるものと言えば卒業アルバムの写真しかなかった女はショートカットの髪型をして心なしか衒った表情をしていたどこにでもいる女学生の姿のどこに惹かれたのかそれは分からない３０年が過ぎてその女のことといえば後にも先にも思い出すものは女学生の姿未来から電話を貰ったような不思議な気がした （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。予約受付中。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2007/12/17

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• 儚いもの

  　　　儚いもの　　　南風一きらきら輝いて魅力的な瞳にっこり笑った口元から覗く愛くるしい糸切り歯はらりとなびいた前髪そんなものは一皮捲れば白骨にしか過ぎないちゃちなものさそんな儚いものに恋とか愛とか呼んで人生を賭けようというのだから騙されているんだよ誰が悪いのじゃないけれどね （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。予約受付中。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2007/12/16

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• 恋人

  　　恋人　　　南風一クラブが同じクラスが同じ委員会が同じそんな関係がなければ話すことさえなかった二人が恋人同士になる出会いがあっても黙りこくって想いを伝えられない二人がある何かのきっかけで男と女が結婚して二人の遺伝子を持った子どもが生まれる子どもはよく見ると父親の面影がある母親の面影もある子どもは父親の性格を継いでいるわけではない母親の性格を継いでいるわけではない父親と母親からすれば愛の結晶に違いなかったのに何処かで計算が狂ってしまった子どもは父親や母親が知らない恋人を見つけ出して二人で手を振りながら去ってゆく （詩集の宣伝）「青春１７切符＋１」１２月１４日発売。予約受付中。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2007/12/15

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