南風一の世界

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• ６月の花嫁

  　　６月の花嫁　　南風一水を張った田んぼの上を６月の風が吹いていく日本のジュンブライドはちょっと蒸しあつ過ぎる振り返ればほら向こうの道から自転車に乗ったきみが現れそうな気がする （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/06/10

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• かずくん

  　　かずくん　　南風一かずくんはまだ幼稚園に通っていませんがおばあちゃんに幼稚園着を作ってもらって着ていますかずくんは弟が生まれたのでおかあさんやおばあちゃんを弟に取られてしまった気持ちですかずくんがおばあちゃんの家で一人で遊んでいたのでおとうさんはかずくんを動物園へ連れていきましたかずくんは絵本で首の長いキリンを知っていたのでキリンを見れば「キリン」と言いましたゾウを見れば「ゾウ」と言いましたでも　心の中でおかあさんのことを考えているのか余り楽しそうな顔をしませんお父さんはゴーカートを見つけたのでかずくんをゴーカートへ連れていきましたかずくんはゴーカートに乗るとちょっとうれしそうな顔になりましたゴーカートから降りてもまたゴーカートに近寄って押したりしますお父さんはかずくんに「もう一回乗るかい？」と尋ねましたかずくんがこくりと頷いたのでおとうさんはまたかずくんをゴーカートに乗せてプールの中を走りましたかずくんが少し元気になったのでおとうさんはちょっとだけ安心しました売店でポッキーを買ってかずくんとおとうさんは動物園をあとにしました （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/06/10

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• ブローデンブルクの森

  　　　ブローデンブルクの森　　南風一ドイツの森ではないけれど私が毎日通勤する道に「ブローデンブルクの森　花の散歩道」という銘板のかかったワンルームマンションが４棟ほど並んでいる悪のりではないのだろうが道を隔てて「花街道接骨院」という店が立っているその道を通るとき早朝からブローデンブルクの森や花の世話をせっせとしているおじいさんの姿に出会うおじいさんの手入れには癖があって道沿いのゴールドクレストを剪定したら測ったようにそっくり同じ形のアイスキャンディーが１０本立ち並ぶことになるおじいさんはコピーを作る達人だから昔の彼女そっくりの彼女を作ってもらえないかなと考えている （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/06/08

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• 随分ときがたって

  　　随分ときがたって　　南風一 「南風くーん」背後から名前を呼ばれて振り向くと　きみが立っていた私は懐かしさと照れくささでしばらく何を言っていいか分からなかった高校を卒業して１年程度では外見は余り変わらない私は大勢のクラスメイトに混じって学園祭の準備をやっていたのにきみはあっさり私を見つけてしまったきみは一足先に東京に出てきて（本当は「帰ってきて」というのが正しかった）女子大に通っていた結局　学園祭が終わるまできみの模擬店を訪ねることはなかったのできみの方から出向いてきたあれから　随分ときがたってきみが何処に住んでいるのか知らないもう日本のどこですれ違ってもきみは私を見つけられないだろう私だってきみを見つけられない （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/06/06

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• 今でもきみは言えるかな？

  　　今でもきみは言えるかな？　　南風一私は数学は好きだけど英語も国語も嫌い何事も飽きっぽくてあなたのように努力家でもない毎日部活にうつつを抜かしてあなたのように勉強を頑張れないあーあ　早く大学に受かったらみんなでぱあーっと旅行へ行こうというのが目下の私たちの合い言葉あなたのように夢に向かってまっすぐに進んで行ける人には私の気持ちなど分からないでしょうけれど遠い昔にきみから貰った手紙今でもきみは言えるかな？ （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/06/05

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• 恋

  　　　恋　　南風一 きみがア・イ・ウ・エ・オを教わったのは誰からだったろう？きみが１・２・３を教わったのは誰からだったろう？俺が恋を教わったのはきみからだった （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/06/04

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• 夕暮れ

  　　　夕暮れ　　南風一夕暮れに会ったことがなかった野良仕事を終えて全身汗まみれ髪はぼさぼさズボンやシャツはずり落ちて無様な姿で一息ついているそんな姿で会うことがあったらきみと俺はうまく行っていたのかも知れない （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/06/03

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• 俺からきみを取ったら

  　　俺からきみを取ったら　　南風一きみのことを想ってもせんないことなので想うのはもうやめようと思うでも俺からきみを取ったら何が残る？きみのことを考え続けるから俺は生きている （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/06/03

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• 後ろ姿

  　　　後ろ姿　　　南風一きみときみの娘さんみたいな二人連れがセダンから出てきたもう何十年もそうであったように当たり前に車から降りて　歩いてゆくきみの子どもがなぜ娘さんなのかそんなことは知らないきみの姿が忘れられないからいつも　きみは娘さんといる （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/06/03

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• 向こう

  　　　向こう　　　南風一ビルの屋上に立つとつい向こうへダイビングしたくなる山の断崖に立つとつい向こうへダイビングしたくなる向こうは　いつも美しくてさあ　早くいらっしゃいと手招きされているようでつと　つま先に力を入れてしまう （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/06/02

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• 通り

  　　　通り　　　南風一鏡の向こうに見知らぬ男それは確かに　朝　家を出るときに姿見に映っていた見覚えのある男でも　そいつがいつから俺になったんだ？俺はもっと若かったはずだ鬢に白髪なんて　勘弁してくれよ俺はまだこれからなりたいものがたくさんあるんだ彼女にだって　まだ　言いそびれたことがあるんだ・・・ あれ！　彼女の姿も見えないついさっき見かけたはずなのに・・・ （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/06/02

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• 夏山

  　　　夏山　　南風一木や岩に阻まれていた視界が一気に開けて自分たちが歩いてきた道のりが懐かしく見下ろせるときがある開けてしまえばもっとあっちの道を辿ればよかったいや向こうの道の方がもっと良かったそんな風に思うことって　確かにあるでもきみも俺も自分が歩ける道しか歩けなかった下山する道は　連れ合いが違うけれど「おたっしゃで」そう言って笑顔で手を振りたいね （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/06/01

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• アグネス・ラム

  　　アグネス・ラム　　南風一 どこかに遠慮があったからいつも距離をおいた二人だったいつ電話をかけてもすぐに軽やかな返事が返ってきたから俺のことが嫌いじゃないことは分かっていた「アグネス・ラムにそっくりだ」とは話せてもきみはかわいいなんて言い出せないまして　好きだなんて言葉は絶対に言えなかった暇があったら　きみに電話してたからきみに俺の気持ちは通じていただろうきみはきみでいつも受け身俺は俺でいつもきみに近づくけれどすぐに旋回して　きみから遠ざかるいつまで待ったところで二人が手をつなぐ機会なんて永遠に訪れようはずがなかった （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/31

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• 適当に

  　　　適当に　　南風一俺が死んだときは適当に葬式をやってくれ死んだ日とお通夜と葬式の３日間だけ迷惑をかけるけれど　我慢してくれ火葬場で燃やしてしまえばあとはもう好きなようにしてくれ骨を拾ってくれてもいいけれどそのまま捨ててくれてもいい俺のものは　使えるものがあれば　誰にでもやってくれ使えるものがなければ　全部捨ててくれ大量のごみが出て迷惑をかけるけれど置いておいても邪魔だから　捨ててくれ俺の使っていたものがすべてなくなったらそれでおしまいみんな元気でやってくれ （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/30

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• 友だち

  　　　友だち　　　南風一 「今日　中学校のときの友だちに会ったんだけど　よおーと言ったのに　何にも言わずに通り過ぎた。　へえーって　目が点になった」三男が次男にも同じことを言っている私と一緒に自転車を買いに行ったときのことだから　これで二度目よぽど胸に応えたのかも知れない友だちというのは県下の有数の進学校に通う友だち三男は卓球が好きで勉強が嫌い暇さえあればパソコンゲームにうつつをぬかす格好といえば　学生ズボンをだらしなく下げてワイシャツのしっぽを外にはみ出しているどんなにひいき目に見ても優等生の姿からほど遠い三男の友だちは　勉強疲れで考え事をしていたのかも知れないあるいは　まわりが秀才だらけなのでこれからとるべき戦略に耽っていたのかもしれないいずれにせよ　三男も友だちも高校に入学したばかりで新しい学校環境に適応していくのに精一杯だろう三男はたまたまおっとり型でそれほどストレスを感じない友だちはもう第一の難所にさしかかったのかもしれない また　どこかの街角で出会ったら今日みたいに「よおー元気？」って声をかければいい友人が気づくまで　何度でも声をかければいい （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/29

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• 秘密

  　　　　秘密　　　南風一小学生らしい女の子が二人駐車場の車の陰に並んで　しゃがみ込む小石を拾っては　金網を張ってある田んぼの方へ投げるしぐさをしている何を話しているのだろう？昔　私が小学生のころ女の子たちがひそひそ話しを始めたらそのあと　姉のところにやってきて姉をいじめていたそんな思い出から　女の子のひそひそ話しは何か悪いたくらみにしか思えなかった後年　妻に聞いてみたら女の子にはたくさん悩みがあって友だちにしか話せないことがたくさんあるという携帯電話がはやり四六時中会話することに困らない時代になっても女の子たちは　やっぱり　隠れてひそひそ話しする （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/28

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• 嫁

  　　　嫁　　　南風一小さな頃おばあちゃんや近所の人たちが「嫁は丈夫な嫁に限る」と話しているのをよく耳にしたそんな話しを聞いたとき「嫁は美人に限る」反発して　そんな風に言い換えていたそして自分が嫁をとる立場になって私はもちろん美人を選択したそれから　２０年が過ぎてナイスバディの方が良かったと後悔している （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/28

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• きみがきみであったもの

  　　きみがきみであったもの　　南風一「さあ　行こう」もうぼくたちは学校に行かなくていい会社に行かなくていい何にも目指さなくていい時間を気にしなくていいぼくたちを知る者は誰もいない「さあ　行こう」ぼくがぼくであったものそんなものはすべてなくしてしまったけれどきみがきみであったものにやっと向き会えた （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/27

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• 車のアンパンマン

  　　　車のアンパンマン　　　南風一店の前で「車のアンパンマンって　何なの？」お母さんが小さな子どもに尋ねている「ええとね・・・」お母さんはきみを幸せにする魔法の杖を持っているお母さんやお父さんに魔法の杖を振って貰えばきみはしばらく幸せだろうやがて　お母さんやお父さんの魔法の杖ではどうにもならないときがやってくるそんなときでもきみは勇気を出して　やっていけるかな？小さなころお母さんが魔法の杖を振ってくれたときのように （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/27

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• トマトと葉っぱ

  　　　トマトと葉っぱ　　　南風一トマトの葉っぱは　トマトでないけれども　トマトの匂いがする私の子どもも　わたしでないきみの子どもも　きみでないけれども　私の子どもは私に似ているきみの子どもはきみに似ていようトマトと違って私の子どもときみの子どもが偶然に街のどこかで出会うことがあってもきみではない私ではない何にも気づくことなく通り過ぎるのだろう （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/27

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• 一番幸せだったころ

  　　　一番幸せだったころ　　南風一話しなんて一度もしなかったけれどいつも同じ電車に乗り合わせたからきみのことなら大抵のことを知っていたきみはブラスバンドでフルートを吹いている毎日練習に明け暮れているきみには二人の妹がいてきみのお父さんは学校の先生をやっているきみのおばあちゃんは文房具屋さんできみはたまに気まぐれで店番に出かける私はいつも英単語帳なんかを広げるけれどちっとも頭に入ってこない電車がガクンと揺れるたびにきみが寄りかかってきて髪の香りに胸がときめいたりした終点までの半時間きみのおしゃべりに聴き入ってきみを間近に見つめていたあのころが　一番幸せだった （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/25

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• マスター

  　　　マスター　　南風一彼のあだ名は「マスター」だったあだ名の由来をたずねると本人はニヤニヤしていたが友人が代わりに教えてくれた「中学時代にマスターのように蝶ネクタイをしていた」「マンガの主人公のマスターに髪型が似ていた」「しぐさがマスター」「顔つきがマスター」どれもうなずけるものだったあるとき学校から帰っていると彼が「喫茶店に寄っていこう」と言い出した私は田舎の出身なので高校生になったとはいえ学校からの帰り道に喫茶店に立ち寄るという発想がなかった「う、うん」と私が生返事すると彼はお金のことと思ったのか「俺がおごるからさ。そこのシカに寄っていこう」と言った定期テストの期間中だったから早く家に帰って勉強すべきところだがマスターは「コーヒー二つ」と言って雑誌や新聞を読んでいる私は先生に見つかりはしないかと窓から外ばかり見ていたがマスターは至って落ち着いたものだった私はマスターのことが好きだったみんながマスターと呼ぶその姿が好きだったのではないマスターが私の本質を理解してくれていたからだったマスターと話すと不思議と心が落ち着いた大学生になって初めて帰省した夏休み街を歩いていて　ふとマスターのことを思い出したのでマスターが利用していた電車の駅まで行ってみた駅を降りて適当に店に飛び込んでマスターの名前を頼りに道を尋ね歩いたけれどはかばかしい返答はなかったもう３０年近く　マスターに会っていない （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/24

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• サラリー

  　　サラリー　　南風一サラリーを貰うたびに思うもう何度目のサラリーを貰うのだろう？サラリーという奴はくせ者で今月もよく頑張ってくれたからはいお疲れさんと言われているようであり定年がくれば　はいさようなら明日から年齢オーバーの人には何も払えないよと言われているようでもありみんな食っていくしかないんだから大体の人が働いている間は働けよと言われているようでもあり人が旬のうちは逃れられないものかなあと考えながらサラリーを貰いに会社へ急ぐ （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/23

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• いまだ未練たらしく

  　　　いまだ未練たらしく　　南風一作りさしのまま完成を見ずに廃墟と化しつつある建物らしくそこには　いまだ未練たらしくどこかしら天にそびえ立つ日を希求する意志が宿る３０年が過ぎてまだきみのことを考えている男なんてどこか　頭がおかしいんだろうきみを忘れようとしたとき思い出と共に心を土の下に埋めておけばよかったきみは　俺の不誠実を恨んだだろうけれど恨む側にまわった方がどれだけ救われたことか（今だから　そんなことを思っている） （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/22

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• 蟻の楽しみ

  　　　蟻の楽しみ　　　南風一木の周りに夕闇が迫ってきたのか蟻が忙しく行き交う木から降りてくる蟻には２匹で花の子房を担いでいるもの見た目には何も持たないものがいる木を上ってゆく蟻はみんな身軽だ降りてくる蟻と上ってくる蟻は一列に同じ道を通る逆方向から来る仲間に出会うと必ず角を突き合わせて　二言三言話しするそして　また歩きはじめる給料を貰っているわけでもないのにせっせと花の子房を巣まで運ぶ運び終わったら　また巣を出発するいくら働き好きの蟻でも一日中忙しく働いているんだから夜がきたら一杯やって寝るんだろうなでないと　働く楽しみがないように思うんだけれど（日が暮れて木を見に行ってみたら　なんと　蟻はまだ働いていた！） （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/21

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• 散髪

  　　　散髪　　　南風一雨雲がどこかへ吹き飛んで初夏をおもわせる晴天庭木を見上げると新葉が爆発したように四方へ広がっている私はノコギリを取り出して取り急ぎ　手の届く枝葉をごりごり刈った隣の田んぼに飛び出していた枝葉もばっさり切ったほどなくして庭木は随分二枚目になって首すじを涼しい風が抜けていった （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/21

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• あにとおとうと

  　　　　あにとおとうと　　　南風一隣の家からおにいちゃんの声とおとうとの泣き声が聞こえるおにいちゃんは　いつもおとうとをさとす理屈屋おとうとは　いつもいやだと泣いているなぜ　おにいちゃんは　おとうとのおにいちゃんになったのだろうなぜ　おとうとは　おにいちゃんのおとうとに生まれてきたのだろうそんなこと二人に聞いたってしーらない （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/21

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• アゲハ

  　　　アゲハ　　　南風一つやつやした新緑の上をアゲハが一匹飛んできた２週間前に土の上を弱々しく歩いていた赤ちゃんアゲハをポリアンの上にのせてやった暫くじっとしていたが　目を離したすきにいなくなったあのときのアゲハかなと思って見たけれど同じ服を着ているから分からない子どもの頃はモンシロより大きくて　着飾った王様のように見えたアゲハだけれどきみの衣装よりカラフルなものが溢れすぎたせいかなきみはもう昔ほど気を引かなくなった （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/21

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• 撫子

  　　　撫子　　　南風一　　猫の額ほどの空き地のまん中に真っ赤な撫子が一輪咲いていたレンゲと雑草のなかに一本だけ首の長い撫子が風にそよぐなぜそんなところに咲いているの？こんな片田舎に突然現れてそして消えてしまったきみのようだった（詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/20

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• 風の引き出し

  　　　風の引き出し　　南風一雨上がりの陽射しの中川は水門を開け放たれごう音をたてる田植えを待つ田んぼには　風が渡る「昭和５０年の風景はどうでした？」「うん　良かった。　それじゃあ　昭和５４年の風景も　お願いするかな」このときは浪人していたせいかちょっと暗いなあ「うん　ありがとう。懐かしかった。　ついでに頼んでいいかな？　彼女も連れてきてくれるとうれしいのだけれど・・・」 （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/20

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• 九尾の狐

  　　　九尾の狐　　　南風一九尾の狐なら変化自在に何度でも人生をやり直すことができただろうそれが叶わないから子どもの成長を見守ることにした今春やっと大学に通って家を離れた長男長男の部屋をぶんどって　ハンドボールにうつつを抜かす次男卓球とパソコンゲームに生きる三男私が思っていた人生とはちょっと違う気がするけれど確かにそんな選択肢もあったと静かに見守っている （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/20

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• 歳をとりたい

  　　歳をとりたい　　　南風一女性は若く美しくあることを願うものという固定観念があったからテレビの向こうで「早く歳をとりたい」という女優の言葉に我が耳を疑った彼女は若く美しくそんなに早く歳をとらなくてもこれから何度でも恋愛を楽しめるだけの美貌や快活さを備えていた彼女の言葉は偽善とは思えなかったが私はため息をついて「そんなに若さをうとましく思うなら　一夜で若さの喜びを味わわせてあげるのに」と思ったものだったそれから　１０年最近　私もそのときの女優の気持ちが分かるような気がしてきた早く歳をとって目先の利害や瑣事に惑わされることなく自然のリズムに合わせて生きてゆきたいと思いはじめた（詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/18

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• ピエロ

  　　　　ピエロ　　　南風一彼の祖父は子爵か男爵だった地方の名家だったから地方政府から請われて　鉄道会社の株式を引き受けた木炭バスが走り出したらバス会社の株式も引き受けた地方のことだから客数は知れたものだったが堅実にやっている分には特に経営難に陥ることもなかった戦後４０年が過ぎても大手鉄道会社から払い下げを受けた戦前の電車を走らせていたくらいだから彼も質素堅実な経営者の部類に入っただろう（ただし人生の終章を除けば・・・）とき悪しくもバブル華やかりしころ地方でもご多分にもれず鉄道会社の駅ビル経営が盛んに喧伝された彼の地でも　戦災を受けたままの駅舎を建て替えて中央の大手デパートを呼ぼうと地元自治体や経済界のお偉方は盛んに彼を焚き付けたそれまで設備投資らしい設備投資を経験したこともない零細な地方鉄道会社であったがなるほどそんなにみんなが言うならとついつい坊ちゃん癖が頭をもたげて彼は駅ビル建設を決めてしまったデパート経営は中央のデパートに丸投げしたので開店から数年の売上は老舗の三越に迫る勢いだったそこまでは良かったところが提携していた中央のデパートが破産してしまったさあ　それからが大変駅ビル会社は連鎖破産駅ビル建設のために巨額の資金を借り入れた鉄道会社も破産小さな田舎都市に分不相応な駅ビルを建てた責任は彼にあると地元の自治体も経済界も手のひらを返したように彼を責め立てた彼は　祖父の時代からの社長職を追われ個人資産の供出まで求められたが憮然として「俺は悪くない」とうそぶいた彼の鉄道会社の再建計画はもめにもめて結局　地元自治体や経済界が再び談合支援を決めた社長の首もすげ替えて再出発した彼は流刑囚よろしく祖父伝来の地に逃れて隠遁生活を送っていたがまだ７０才を越えたばかりであっけなく世を去ったその無念さや　いかばかりだったか （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/17

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• 純心

  　　　純心　　　南風一ほんとうに純心な心の人は人を疑うすべを知らない地味な服装をしてちょいとそこいらに買い物に出たくらいの普段着姿だったでも小さなショルダーバッグを掛けていたから学校帰りの女子大生に見える私の目の前を横道に逸れていったから下宿は近いのだろうと想像できた古本をあさるのを中断して私も彼女が曲がった方角へふらふらと　曲がっていった地味だけれど　スタイルは良かったどこまで行くのだろうと思ったらすぐ近くのお米屋さんに寄ったので下宿はいよいよ近いと直感した彼女が店から出てくると私はまた何食わぬ顔して彼女のあとをつけた高田馬場は道を少し逸れると田舎に迷い込んだように急な坂道や谷、丘が出現する彼女は３０メートルと歩かないうちにいよいよ建て込んだ家の方へ曲がった後ろを振り向くこともなく細い小道を進んでいくふーむ　考える暇もなく着いてしまったのでどうしてよいものやら思いつかないとりあえず彼女が鍵を開けてアパートの中に入ったのを確認して　彼女のアパートの裏側に回ったアパートの裏手といってもある人には家の玄関口だったそこから彼女の部屋のあたりを見上げてびっくりした一階なのに下着が干してあったブラジャーとショーツだったうーん　どこまで純情なのだろうと考え込んでしまったそのうち下着泥棒にあったりして用心深い女になっていくのだろうけれどそれなら　純心なままの方が良いかと問われればそれも何やら危なっかしい私は彼女の下着を暫く眺めてから彼女のことは忘れることにした （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/16

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• 

  縁日の箱

  　　　　縁日の箱　　　南風一「さあさあ　寄ってらっしゃい　見てらっしゃい　美味しいお菓子がぎっしり詰まった箱だよ　ケーキより美味しいよ　１個食べれば　もう気分はトレビヤン！　天にも昇り竜太郎　さあさあ　ちょっと食べてみようかしらと思った方は　試食も結構　毛だらけ猫灰だらけ　あなたのおつむは　コンペイトウだらけ　どんなお菓子がいいかしら？」「おい　おやじ　１箱くれ。お代は幾らだ？」「さすがは旦那　ものわかりがよろしいようで。　デコレーションケーキなら１個５千円。　そこんところを半額の２千５百円ときた。　２千円に負けとくからさ。ありがとよ　旦那」お菓子が一杯詰まった箱を受け取った男は帰路を急いだ家では娘が父親の帰りを今か今かと待ち侘びていた「ただいま。お小夜　お菓子が一杯詰まった箱だ」父親が差し出した包みを受け取った娘は　さっそく包みを解いて中のものを取り出した」父親は中に何が入っているのか皆目分からなかったがとにかく娘が買ってきてくれという箱を買ってきたのだった娘が箱の中から取りだしたものは１冊の詩集だった父親は騙されたとかんかんに怒ったが娘の方は天にも昇る気分で詩集を読みふけるのだった・・・（詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/15

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• 風のいたずら

  　　　風のいたずら　　　南風一休日の昼下がり川渕を歩いていると後ろから足音が聞こえたきみが歩いてきたような気がして振り向くとビニール袋が風にころがっていた （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/14

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• 筍

  　　　　筍　　　南風一筍は　とんがり帽子が見えた頃にはもう食べられないというまだ見えないうちから掘り出して食べろということだがなかなか難しい見えていないからあれこれ迷っているのにきみの胸の奥まで読めていたらもう恋することなんてなかっただろうだから食べられなくなった （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/14

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• あねといもうと

  　　　あねといもうと　　　南風一「そんなんじゃ　自転車の意味がないじゃない」川のすぐ向こうに姉と妹らしい女の子が二人先に進む女の子は自転車にまたがったままそろそろ歩む姉らしい女の子は　そのすぐ後ろで自転車にまたがったまま妹の所作を冷ややかに眺めているこちら側は川向こう側は家の壁そんなところを自転車で通るのは誰だって怖いと思うけど （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/14

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• 一番美しかったセブン・ティーン

  　　　一番美しかったセブン・ティーン　　　南風一１６と１８のまん中にセブン・ティーン高校生活は２年目受験なんて　ずっと彼方のことだったきみが一番美しかったセブン・ティーンきみはエロスの象徴きみの姿を思い浮かべるだけで人生はバラ色母親の目を盗んではきみと長電話したそんな日々がいつまでも続くなんてありえないことだったけれどきみはずっとセブン・ティーンと信じていたあれから幾霜雪が過ぎてきみの姿は　やっぱりセブン・ティーンきみの声も　やっぱりセブン・ティーンきっと俺が死期の枕元で思い浮かべるきみの姿もやっぱりセブン・ティーンかな （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/14

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• 勲章

  　　　勲章　　　南風一今さらきみに会いたいなんて不遜なことは望まない若き日に　もっと違う自分を望んだのは確かなことそれが人生の目標であったかどうかそれは分からない人生に目標なんてものが要るのかどうか分からない若き日に　少なくとも　そんな雲をつかむような期待に惑わされることがなければきみと暮らしている人生が　あったのかもしれない目標なんてものが消えて久しいけれど日々仕事に行ってサラリーを貰っていることは　俺にしちゃ上でき過ぎさきみの代わりに妻をきみとの子どものかわりに子どもたちを養っているのか（養われているのか）それはわからないけれど一市井人として暮らしているそれが勲章かな （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/13

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• ワッペン

  　　　　ワッペン　　　南風一私のワイシャツの右腕を見た同僚が驚いたように言った「それ　どうしたの？」「ああ　これ？」私は澄まして「ワッペン」と答えた子どもの頃肩や半袖の襟に洒落たワッペンが付いた服が好きだったパイロットみたいに格好良かったからそんなことを暫く忘れていたけれど朱肉が付いたワイシャツの右腕がちょうどワッペンに見えるので私一人だけ得意になっているまわりは不思議に気の毒がっているけれど （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/11

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• 謎

   　　　　謎　　　南風一呼び止められたばかりのきみはもっと不思議だったろうおかげで　おばの説明からはじめなければならなかったよりによってこれから　大事なことを告白しようというところで俺の名付け親に出会うなんて随分因果な話しだったおばは察しが早かったのですぐ近くにきみの姿を見たはずなのにそんなことはおくびにも出さない「はじめちゃん　お元気？　お母さんによろしく」と言ってそそくさと立ち去った「さっきの人　俺のおばなんだ。　すぐそこのスーパーに勤務しているので・・・」「・・・」きみは何とも答えなかった夏の陽射しが照りつけるアスファルトの道をきみは自転車を押しながら俺はきみの甘い香りを楽しみながら歩いた何をどう伝えていいものやら皆目分からなかったただはっきりしたことはきみは俺より一つ年上でどう値引いても俺には過ぎたレディということだった仕方なかったので友だちになることにしてその日は別れたきみはうなずいて名前と住所を教えてくれたけれどますます謎だったろう「なぜ友だちなの？」 （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/09

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• 遠足

  　　　　遠足　　　南風一目を覚ますと枕元まで　甘いにおいが漂ってきた昔　遠足に行く朝おかあさんが作ってくれたお弁当あれと同じにおいだにおいに釣られてキッチンに行くと妻が子どものお弁当を作っていた （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/08

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• 雨

  　　　雨　　　南風一朝から雨の休日特に用事がないときは心なしか薄暗い部屋で雨の日を楽しむ晴れの日と比べてどこがどういいというわけでない雨粒や雲に遮られて向こうが見えないところかな替わりに　どこからともなくスクリーンが現れてまだあどけないきみの姿を映しはじめている （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/07

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• 俺の彼女を返せ

  　　　　俺の彼女を返せ　　　南風一目の前にとびきりかわいい女の子がいれば学園祭だし　時間を持て余している連中ばかりだから無理やり拘束することも平気の平左教室の前を通りかかった方が悪いくらいにしか思わなかっただろうきみは１時間も拘束されて教室から出てきたときは　すっかり上気していた１時間も二人きりになったことすらなかったのにそこに　きみがいることが分かっていたのに「さっさと解放しろ」と怒鳴り込むこともできなかった最低の男きみと初めてのデートはさんざんな結果学園祭なら気やすいだろうと誘ったのがあだ花になったきみは俺のことを呆れただろうし俺はきみの尻軽ぶりに不信感だけ残ったきみが悪いわけではなかったのに嘘でも「俺の彼女を返せ」って言えていたら （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/07

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• 根無し草

  　　　根無し草　　　南風一日曜の早朝子どもを学校まで送って行くとき交差点で　１台の車とすれ違った誰かに似ていると思ったら会社の総務部の部長代理だったでもその人は海の向こうに住んでいるし昔見た車はわりと高級っぽかったからまさかカローラには乗らないだろうと思った彼は伊勢市の出身で父親が気象台勤務の根無し草だったので香川の大学を出てそこで同級生だった女性と結婚して奥さんの実家の近くに家を建てたはずだったいつ電話をかけても無愛想に　ぶっきらぼうに返答するその人は何が楽しくてこの地に勤めているのだろうと思う昔「なぜ　ここに勤めているの？」と尋ねたら「成り行き」の一言だった （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/07

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• ないこと

  　　　　ないこと　　　南風一いつもそこにあるものがないなぜだろう？ただないだけなのにあるときは　全然気にとめなかったのになくなってから気になりはじめる （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/06

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• ５月の風

  　　　５月の風　　　南風一５月の暖かな風が吹いている金木犀　ムクゲ　月桂樹　モチの木　の枝葉が揺れているある５月の日　同じような風が吹いていた私は誰を待っていたのだろう？いたずらに　過ぎゆく時を　風の中に感じていたきっと彼女は来ない風に吹かれていただけなのにいつかしら　陽は傾いていた昔から　そうやって　風に頬をなぶられるのが好きだったすぐ隣で上目づかいの視線を投げて寄こしたきみの姿を思い出したきみはなぜ漫画の中の少女のように黒目がちの目をしていたのだろう？それから　きみはきっと走れメロスのように一生懸命にこちらに向かっているのに違いないのになかなか近づけない川堤を吹き上げる風はひんやりしてきた会えたところで　どうなっていたわけでもないきみはやってこない５月の風の中に　きみが駆けてくる姿を見たはずなのにきみはやってこなかった （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/06

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• ＧＷの病院

  　　　　ＧＷの病院　　　南風一息子を駅まで送った帰り道病院に立ち寄ったゴールデンウィークの中日のせいか病院は空いていた家族連れの一団が病院から出てきたところだった年輩の人から中年の男女が揃って年老いた親でも見舞ってきたのだろうかそういえば私も父親が健在だった頃ゴールデーンウィークに実家に帰省してまだ小さかった子どもを連れて入院中の父親を見舞ったものだった父親は久々に見る息子や孫の顔がうれしかったのか車椅子で院内を回ったものだった息子はおばあちゃんにミニカーを買って貰って病院の広い廊下で遊んでいた・・・そんなことを思い出した （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ

  2006/05/06

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• 新緑

  　　ふぞろいな新緑　　　南風一見上げる新緑は生まれたばかりで皆すがすがしい見下ろす新緑は虫に食われて穴ぼこが開いていたりでこぼこに湾曲してそうでないのを探すのが難しい （詩集の宣伝）詩集「異国のお姫様」（南風一著）を発売しました。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキングへ  

  2006/05/05

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