「日本における西洋美術コレクションの形成」
10月21日。国立西洋美術館の館長であられた馬淵明子先生の御講演。市川国府台の和洋学園の125周年記念。おしゃれですてきなキャンパス!ポイントはこんな感じ。勉強になったなぁ。・松方、大原、石橋コレクションが有名だけど、その前に林忠正がいた。西洋の美術館を、教育・啓蒙を目的として考えたのは林。パリ万博のディレクターとして、日本の美術を伝えた功績も大。(就任当初は批判もあったけど)・松方は自ら「美術は素人」と言っていた。買い付けとして欧州に滞在した期間も数ヶ月として長い。国からは、スパイ的な密命があった。川崎造船は、第一次世界大戦を商機として拡大。ドイツの潜水艦?の設計図を入手したとも。・松方コレクションの内容の評価は微妙。欧州で保管していた作品が火災で消失、その数は数百とも言われるが、いわゆる「名作」があったとはいえず。•近年は、旧ナチスが不当に安価で入手したり強奪した作品をもとの持ち主に返還させるような、訴訟が相次いでいる。SOMPOの「ひまわり」も、そうした訴訟の対象。しかし、「ひまわり」はオークションを経て入手している。・.国公立の美術館は、そうしたことから、購入する作品の履歴を厳しく精査している。購入を諦めた作品も複数。一方、海外の美術館とは、作品の貸し借りを行う。流出した作品も多いが、「貸し」を作っていることも、ある。相手との信頼関係。・.アジアにおいて国として豊かなコレクションを持つていることは貴重。