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カテゴリ:おしん
口入やのげんすけがたづねてきて、おしんのいえでは、初めておしんが二十日も前に奉公先をにげだしていたことを知らされた。
おしんは、家へは帰っていないのだおしんがそんなだいそれたことをするとは、。作造もふじも 信じられなかった。 口入やとその相棒たちは、おしんの家に押し入り、納屋から米俵を無理やりとってゆく。 作造が、そうはさせまいと口入やたちともみあいになっている。 作造は、ふりきられ、雪の上に投げ出された。 「ちくしょうーー」作造が、追いかけようとする。 ふじがそれをとめる。 「やめてけろ、やめてけろ、けがでもしたらどうするんだ」 「離せ、おれのコメを。。。」 「やめてけろ、やめてけろ、ほだなことしたってもっていくんだ。 ほだなやつらだ。米よりおとッつぁんの体のが大事だべ。」 その言葉に作造は追うのをやめた。 作造は、力なく、その場にしゃがみこんだ、 「おしんのやつ、親をふみつけにしやがって、、。帰ってきたって二度と敷居なんてまたがせねえ」 「おとつぁん、帰ってきたらおしんば、どだな仕打ちしてもええ、おれとめねえ。でも、、でも、、 おしんは、かえってこねえかもしれねえ。」 ふじも雪の中にしゃがみこんだ。 「ほ、ほだな、、縁起でもねえことを、、」ばっちゃんがふじのそばにきていう。 「もう、何の音さたもねえってことは、途中吹雪にあって、、雪の下埋もれたかもしんね、、」 そういって泣き崩れた、。 「ふじ、、」と、ばっちゃん。 ふじが、顔を上げて、作造に言った。 「おとっつぁん、おしんば、探してケロ。おしんがかわいそうだ。」 「ばかこくな、こだなゆきのなか、どこさいったかわからねえもんば、どうやってさがすだ」 ふじが立ち上がった。 「おれが探す!」そういってどこかにいこうとするふじ。 「ふじ!」作造がふじをとめた。 「おしんが、まってるー」いうことをきかないふじを、作造は、つかんでつきとばした。 「このばかたれが!」倒れて泣き崩れるふじ。 「おしんだけがこどもでねんだぞ。当てもないものを探しに行って、なんになるんだ」と作造。 赤子の泣く声が聞こえている。 「ほかの子供がひもじいしてもいいのか、泣いてるでねえか。 おれとしょうじは、明日から炭焼きだ、おめがいねえで、誰が留守みるんだ。 それより、さっさと明日から山さ入るしたくさしろ。」 そういって作造は行ってしまった。 ばっちゃんと、ふじが、そこに残された。ふじは、雪の中、伏して泣いている。 「おしんは、おれたちのために奉公さでた、、おれがさがしてやらねば、おしん、 うかばれねえ、、」そういってさらに激しくなくふじ。 「いぎてるよーおしんは」ばっちゃんがふじにいった。 「あのおぼこは、ほかのおぼことはちがう。しっかりしてるんだから。かんがえのねえことは しねえよ。逃げるには逃げるだけのわけもあったんだべえ。」 「でも、七つのおぼこが、こだな雪の中、どだいして帰れるってんだ、、」そこまで話して 又、泣くふじ。 「母親のお前がほだなことでどうする!」ばっちゃんが、ふじの肩をもってゆらした。 「おしんば、しんじてやらねと、、な。」そういってふじを抱き起すばっちゃん。 「そのうち、そのうち、きっと、けえってくるぞ、な、、。」ばっちゃんの言葉に 泣きながらうなづくふじ そこへ、しょうじが畑からかえってきた。 「これ、口入やの源助が、おしんばわたしてくれって」 そういって懐から、紙の包みをふじに渡した。 「奉公先で預かってきたんだけんど、わたすのわすれたんだど」 そういってしょうじはおもやにいってしまった。 包みを開けるふじ。 50銭銀貨が出てくる。 「ばっちゃん、、この銭、なんだべ」ふじが言った。 ばっちゃんがおどろいて包みをみる。 「おしん、、なして、この銭、、。」 家を出る前にばっちゃんが、おしんに渡した銭である。 ふじには何がなんだかわからず、50銭銀貨をじっと見ている。 「おしん、、、お前一体、何があったんだ」ばっちゃんが一人言のようにつぶやく。 今までふじを元気づけていたばっちゃんの顔は、みるみるしずんでいった。 ばっちゃんがわたしたはずの50践銀貨、それが、なぜか奉公先からかえされたのか? 一体、おしんの身に何があったんだ? ばっちゃんの頭には、たとえようもない 不安がよぎったのである。 ふじは、銀貨を見ながら 「銭子も、もたねえで、おしん、、」 そう言って不安そうにばっちゃんの顔をうかがった。 山小屋の中、、おしんがぬいものをしている。 そこへ、俊作が入ってくる。 「あんちゃん、これ、破れてたから縫っておいた。」 「そんなことしなくてもいいんだ。」怒ったように言う俊作。 「おれだってこれぐれえできるんだ。弟や妹の繕い物やってたんだもの。」 「そんなこと自分でする、、」 「おれ、何かしねえど。ここさおいてもらいてえんだ。あんちゃんのこと、なんでもする。 やりたいんだ。」 俊作の怒った顔は、おしんの境遇に対しての怒りだったのかもしれない。 一瞬、その顔がくずれそうになるや、、 「もういい!」そういっておしんからつくろいものをひったくった。 悲しそうな顔をするおしん。 炭焼き小屋で松じいが、炭を切っている。 その後ろに俊作が黙って座っている 「どげんした、悔やんでるんだか」と松じい。 「おれには人助けなんてする資格なんてなかったんだ」 俊作がつぶやいた。 「犬ころみてえになつかれると、めんどくせえことになってしまうぞ。 おれたちはみがるでねばだめなんだ。 余計なものはしょえねえ。おめえはやさしいおとこだども、情けかけると、それが 仇になるってこともあるんだぞ。 あのわらしのことはあんまりめんどうみねえほうがいいな、あのわらしに情がうつると、てめえのくびをしめるようなことになってしまうんだ。 春になったら、ここ、うつるべ あのわらし村さけえすど、ここもあぶなくなるさけ。」 俊作は松じいの話を黙って聞いていた、口を開いて、 松じいに何かいおうとしたが、すぐにやめた。 雪の中で獲物を探して走る俊作。 銃をかまえて、1発、2発、3発と弾をうつ。 4発目、うとうとしたが、何かを思い出したかのように、手をとめ、うつのをやめた。 小屋の中でおしんが鍋に火をかけている。 どこかから、何かの音が聞こえてくる。あたりを見回すおしん。 外で俊作が、ハーモニカをふいている。 ふいていたハーモニカを急にやめる俊作。 おしんが、そばにきたのだ。 「あんちゃん、なんだそれは?」 黙ってたちあがる俊作。 「ええ音するもんだなあ」 おしんのほうを一瞥して、また、雪の中に黙っていってしまう俊作。 時どきみせる怒ったように見える俊作の表情が、おしんには悲しかった。 やっぱり、ここでも、おらは、余計もんだとおもうと、急に母の家が恋しく しみじみと孤独であった。 鍋に火をかけ、大根を切るおしん。 俊作が戻ってくる。 入るなり、いきなり倒れる俊作。 びっくりしておしんが振り返る 「あんちゃん、あんちゃん、、」 おしんは俊作の頭に手を当てる 「ひどい熱だ」 おしんは、外に走って松じいを呼びに行った 「じいちゃん、じいちゃん、、 あんちゃんが大変だ!」 「どうした?」 「ぐったりしたまま動かねえんだ」 「またか?」 松じいとおしんは、小屋に向かった。 俊作が倒れている。 松じいは、俊作の着物を脱がしはじめた。 「何するんだ?」おしんが叫んだ 「雪の中あるいてきたから、濡れてるんだ。乾いた布こさ、もってこい」 おしんが、布を渡した。 松じいが、俊作の体をふいている。 その時、おしんは、俊作の胸から腹にかけての傷を見てしまった。 「あっちゃいってろ!」 おしんは、おそるおそる、その場を離れようとした。 「かわいそうに、、熱は、この傷がもとで出てくるんだ。」 松じいが、俊作の体をふきふきいった。 「未だ、鉄砲の弾が、体のなかさ残ってるさけ、少し無理すっとこげなことになってしまうんだ」 「なして鉄砲の弾?」おしんが驚いて聞いた。 「二百三高地だ!戦争がこいつをこげな体にしてしまったんだ。お湯もってこい、あの薬飲ますから ぬるま湯だぞ」 おしんがお湯をとりにいく。 「冷やして熱下げねときけんだ」 「雪とってこい、あの雪とこ溶かして、その水で冷やすんだから。」松じいがおしんに言った。 「はい」おしんは、返事をして急いだ。 おしんは、桶を片手に外に出た。外は吹雪であった。 寒いことも忘れ、おしんは、雪を一生懸命たるに詰めた 雪のたるを戻してその雪を溶かしては、そこに布をひたし、ひとしきり絞ったあと、 俊作のおでこにのせている布ととりかえた。 いつしか、松じいは、俊作の横で眠っていた。 おしんは、何度も何度も外で雪をつめては、俊作の熱を冷ますために布をかえた。 布を絞るおしんの手は、いつしかしもやけで真っ赤になっていた。 それでもおしんは、俊作の熱をとるために、布を代え続けた。 いつしか、外は明るくなっていた おしんは、まだ雪をたるにつめていた。 松じいが目を覚ました。 おしんを見て、「眠ってしまった、、」と。 おしんは、樽の雪水に布をひたして、絞っている。 俊作のおでこにてをやる松じい。 「熱さがったぞ」 笑顔で松じいのほうをみるおしん。 おでこの布を取り換えるおしんをじっと見る松じい。 俊作の目が少しあいた。 「あんちゃん」 今度ははっきりと目があいた。 「俊作、えがったな、、もう峠は越えたんだぞ」 おしんの方を見る俊作。 「おしんがな、一晩中、ねねえでひやしてくれたんだ。ああ、こんな汗かいて、、 今、きがえさしてやっからな。おかゆもにてあんど。なあに、こんなときのために 米も残してあんでねえか」 「着替えはこれでええか?」 着替えを松じいにわたすおしん。 「おかゆは、おれがやっから、しんぱいしねえっちゃ。こめだしてけろ。」 複雑な顔をする松じい。 俊作は横になったまま、じっとどこかを見つめている。 そして、今度は、ゆっくり目を閉じた 囲炉裏にひがともっている 鉄なべをひにかけるおしん。 汗で濡れた俊作の着物をてにとるおしん。 「おしん、、」松じいが驚いていった。 「いま、あらっとくんだ、また、汗かいても着替えねえがら」 そういって樽に着物を詰めてそとにでてゆくおしん。 「よおぐ働くわらしだな。。きもちぐせよ、たとえ、ななつとはおもえねえんだな」 俊作は黙って聞いている。 外の水場で着物を洗うおしん。 いつになく楽しそうに着物を洗っている 小屋の中、俊作が座っている。いろりにはこうこうとひがもえている。 その日に向かって藁のくずをなげる俊作。 「あんちゃん、おきてもええのが?」おしんがきく。 「今夜は、豆腐汁だど。」鍋をかきまぜながらおしんがいう。 「じっちゃんが作ったんだよ、豆腐、じっちゃんはなんでもできるんだなぁ。 着替えるが?」 鍋にふたをして、干してある着物を取るおしん。 「今日は天気がえがったから、もう乾いたがな、今、あっためてやるがらな。」 そういうとおしんはちっちゃな手で俊作の大きな着物を火のそばで広げた。 おしんがはなしているあいだじゅう、俊作は、じっとおしんをみていた。 ちっちゃな手で着物をあやつりながら、おしんも俊作を見た。 「せわかけたな」俊作が言った。 「ほだなこと、、、」おしんが着物をまたちがうほうこうにひろげる。 「でも、えがったー死ぬんじゃねえかと思った、びっくりしたー。」 おしんは着物を火の方に向けて顔を下げている。 「おしん、おまえ、ほんがよめるようになりたいっていってたな」 おしんはだまっていた。 「元気になったら、おしえてやるぞ」 おしんが驚いて顔を上げた。 おしんは耳を疑った。時々、厳しい表情で、おしんを寄せ付けまいとする俊作に 幼い心をきずつけられていただけに俊作の言葉がうれしかったのである。 俊作がにっこりとおしんに笑顔を向けた。 「あんちゃん、、」 おしんの目には、涙があった。 でも、おしんは笑っていた。 俊作がおしんに心を開いてくれたのだ。 笑みを浮かべ、おしんをじっとみつめる俊作であった ※ 今日は、ほっこりと心があたたまる回でした。 小林綾子さんが、本当にあいらしくいじらしく、、、。 しかし、おしんがべらべらしゃべるすがたをみて、不安になる松じいのきもちもよくわかります どうも、俊作は追われているようです。 二百三高地、、。乃木将軍が馬鹿扱いされるようですが、陸軍には大変な問題がありました。 中国大陸に渡った日本の兵隊の多くが実は、脚気でなくなっていたのです。 当時の陸軍の軍医は、森鴎外です。 彼は、脚気の原因を細菌説と信じ込んでいました。 ところが、海軍の軍医は、脚気は、栄養不良からくると見抜いていたのです 海軍から、栄養不良からくる脚気なのだから、兵隊への食事に玄米を使うよう、助言が ありましたが、森鴎外はがんとして聞き入れず、白米を出し続けました その結果、陸軍の兵隊の多くが脚気でなくなってしまいました。 これは、人災です。 それでもやはり、森鴎外は責任をとらず、、、どんどん出世していくのです。 医学界における権威の弊害は、ハンセン氏病の時も同じです。 森鴎外のひげをみると、胸糞悪くなります。 鴎外は、自宅に文化人を招いて、ぜいたくな食材を使い、豪勢な食事をふるまっていました。 「けっ」と思います。 海軍は、イギリス式、陸軍は、ドイツ式、 という違いもありました。 乃木さんの采配への批判はありますが、 食事で、兵隊たちに病をはびこらせ、中から滅ぼさせたのも、要因だと思います。 海軍からの情報で、陸軍内部からも、食事をかえるように再三意見があったのに。 ?おかしい、と思ったときに立ち止まる 勇気の重要性、、歴史が教えてくれています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.09.13 18:40:10
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