動くナインインチー!
土曜、サマソニ参戦のため海浜幕張へ。東京から京葉線で、ひたすらガタゴト揺られてゆく。車窓からの風景はきわめて牧歌的。そして京浜幕張の駅前風景はアレだ、新横浜とソックリ。11日の日記で決意したように、翌14日(日)のチケットは換金したいので、駅前で道ゆく人に声をかけまくっているオジさんが本日最初の目標。これまでも、年末東京ドームのXライブに毎年行ってたので、ダフ屋のオジさんの存在は見慣れた感じ。でも今回みたいに話すのは初めてなんだけど、思うに彼らって基本的に無視されるのに慣れてる人たちなんだよな。だいたい現場に来る人は自分の分のチケ持ってて、「ナイ人あるよ~、余ってる人買うよ~」って言ったって、めったに用はない。今まで私もそうだったし。なので、私から寄ってって話しかけると、ビックリ半分うれしい半分、みたいな反応が毎度返ってきた。結局3人目で商談成立して、土曜だけのチケットと私の2日券を交換、プラス、1万円ゲット。うん、まあまあじゃん?あんまり欲を出しすぎても仕方ないし、すんなり決まったからイイや。それでも「1万以下」というところを「せめて1万!」と食い下がったんで、プロのオジさん相手に健闘したと言えよう。それに何より、先にチケ売っちゃえば後はライブに集中できるもんな。いよいよ会場内に。ロッテマリーンズの聖地、千葉マリンスタジアムは、hideが生前、夏のLemonedイベントをやっていた場所でもある。行ったことはないけど、行っとけばよかったなぁ、と今さらながら思ったり。私が参加して強く印象に残ってるのは、六本木のLemonedイベントで、イエローなんかのクラブを3~4コ借り切って、いろんなミュージシャンがあちこちに出没する(しかも予定表はシークレット)、オールナイトのクラブイベント。確か、まだギリギリ二十代だったんで若い子にもまれてフロアでスタンディングでもどうにか大丈夫だった。ああ、あの朝の充実感は良かったなぁ…それに比べるともはや三十代も後半で、今回のサマソニは素直にスタンド席。特攻すればステージに近いアリーナ席も入れそうだったんだけど、トシ半分以下の若者たち(しかもヘビメタファン寄り?)と一緒に立ち見はムリ、と冷静に判断して、スタンドの方で格好の立ち位置をみつけて陣取った。一番手前のスタンド席の、すぐ後ろにある通路。柵があるので、そこに寄りかかったり掴まったりして終始タテノリキープ。この場所でよかったと思う。入った時にやってたのは、おそらくイケメンを隠すため?に不気味なマスクや、FSXっぽい怪物顔で歌いまくるSLIPKNOT(スリップノット)。低い声が響き渡る、好きなタイプのバンドだった。名前を聞いたことがあるので、たぶん全米チャートにも乗せたことがあるハズ。こんな超コワモテ怪物バンドでも、「おまえら愛してるぜ!!」とか何度か絶叫してるのを見て、ああやっぱりアーティストは自分の創作物を愛してくれる人を愛するんだなぁとしみじみ思った。そしてナゼか、自分は「エッセンス選んで下さい」とお願いする人を一部断ってることに意識が向き、心が狭いのかなー、とも思ったけど、イヤイヤそれはまた別。と思い直した。だってエッセンスは私の創作物じゃないから。選ぶことも、私の直感メインで行うことであって、苦心して創作したわけじゃないし。そんなわけで、ヘビメタの曲に乗って「自分は当分これでイイや」という、自己肯定の気持が訪れた。めでたしめでたし。その後セットチェンジの中休みを経て、予定よりやや遅れてトレント登場。いやーこの人、私のなかでは青白い腺病質青年のイメージが強かったけど、(サマソニの宣伝アーティスト写真にあるみたいな)雑誌だかネットだかで見てみたらけっこうマッチョ系なので驚いたっけ。そしていよいよ初・リアルトレントもやっぱり、腕がぶっとい「たくましいおっさん」であった。夏の暑さのせいか?めっちゃ短髪だし。例えは悪いかも知れないけど、フレディ・マーキュリーよりよっぽどそのスジの人にもてんじゃないかと思うくらい。詳しいライブレポは、たまたまネットで見つけたkenさんのページが秀逸なので、セットリスト(曲順)など興味ある方はこちら→Blood of Reptileヘドゾー。NIN周辺情報も豊富で、見応えあるサイト。私としてはとにかく、ライブ盤で聴いてた曲のアレコレが生で聴けて幸せ…これに尽きる。新譜のWith Teethについてはイマイチ重くないように感じられて、まだ聴き込む意欲が湧かず、よって新譜からの曲ではひそかにテンションが下がらなくもなかったけど、でも、それでもやっぱりナインインチは良かった。夢にまで見たStarfuckers inc.とかHead like a holeを合唱できる日が来るなんてなぁ。ずーっとタテノリか踊り狂うかでジッとしてなかったので、気づいたら靴擦れが何箇所かできてた。これも一つのサマソニ記念。あと上記のkenさんのサイトでも掲示板で触れられてるけど、Starfuckers inc.のサビで「Don't you」と繰り返すトコで観客が延々叫び続け、トレントが困ったような嬉しいような微妙な苦笑を浮かべたのがスクリーンに大写しになってた。管理人さん曰く、ココは本来「Fuck you!」と返すところだけど、ニポンジンがあまりに熱心にコーラスしたので、そうは言えずに「All right」と言ったんじゃないか、とのこと。ちなみにナント、大阪会場ではここで「おおきに」と言ったらしい。む、やるな~トレント。ブラジル人には「オブリガード」、ロシア人には「スパシーボ」、大阪人には「おおきに」。外国人や地方からのお客には、片言でもお国言葉を使うのが客商売の鉄則だ!(笑)そういえば途中、基本的には大ラスでやるもんだと思ってた名曲Hurt(Xでのエンドレスレインに当たる)が入り、思ったよりライブ時間が短いのか?と焦ったが、さにあらず。ちゃんと続きがあったので一安心。でもなー会場もっとNINファンだらけだったら、Hurtの大合唱聞かせてあげられたのになー。残念。いつか単独公演を見たいな、とあらためて思った。帰りは、大森の叔母の家に泊めてもらった。ここはもともと2~6歳まで育った家で、時々夢にも出てくる懐かしい家。いまどき草木がいっぱい生えた庭があるので夏も涼しく、しかし蚊がスゲー。現役で蚊取り線香が生きている木造一戸建て、築約五十年である。電話も、私の自宅と同じく黒電話。でもADSL導入済。でもOSは98。ライブで興奮したせいか寝つきが良くなかったけど、夜明け前いつの間にか眠りについたらしい。