「夏実」という名の苺
スーパーで、高設栽培(檜山方式)と表示してある「いちご」を見かけたので、見るからに貧相な果実であったが、購入してみた。1パック400円は、いささか高い。さて、インターネットで品種を調べると、どうやら「夏実」というらしい。檜山方式と、この「夏実」は、深い関係にあるようである。苺の高設栽培というのは、苺は背が低いので、腰を屈めなければならないので、肉体的にもきつく作業性が悪い。そこで、楽に作業が出来るように「苺」の方を、高く上げてしまったのである。いわば、苺の高架鉄道である。土を使うのでは芸がないらしく、人工土壌を使うようで、水耕栽培に近いもののように感じる。果実が貧弱なのは、この「水耕栽培風」の為ではなく、品種に依存している。「夏実」は、HS138とも言われ、「花房数が多く果皮・果肉が硬いので洋菓子/ ケーキ他業務用として最適」なんだそうである。で、檜山方式は、通常の品種を高架上で育て、この「夏実」を高架下で育てて、苺の二毛作をやるのである。 さて、食べてみると、なるほど、果皮も果肉も硬い。味は、酸味が強く甘みは弱い。しかも、苦みも感じる。生食には向かないようである。しかし、日持ちはしそうなので、夏日のような運動会に持参しても、問題なさそうである。