股関節骨折を増やす薬の組み合わせ
JAMA Network Open誌2019.11.13掲載の研究結果によると、股関節骨折のリスクを増やす薬剤の組み合わせがあるという。原題:Association of Receiving Multiple, Concurrent Fracture-Associated Drugs With Hip Fracture Risk食べ物と同じように薬にも飲み合わせがある。薬の飲み合わせは命にも関わることがある。この研究では、寝たきりにつながるという股関節骨折を対象にしている。コホート研究の対象者は67歳以上だという。癌患者、進行した腎疾患患者、椎骨骨折者、ホスピス入所者は、対象から除外されている。股関節骨折の粗の発生率は、女性が1000人・年当たり6.65、男性は2.96だったそうである。日本人の場合と同様、圧倒的に女性の骨折が多い。研究では、・オピオイド+ループ利尿薬・オピオイド+プロトンポンプ阻害薬・オピオイド+セロトニン再取り込み阻害薬・セロトニン再取り込み阻害薬+ループ利尿薬・硝酸薬+ループ利尿薬の飲み合わせが特に要注意としている。さらに第3の薬剤が加われば、骨折リスクが増すと考えられ、これら高リスク薬剤の組み合わせは、なるべく避けるべきとしている。(藻緯羅注)オピオイド 強い痛みに処方される鎮痛薬ループ利尿薬 利尿薬として一般に使用されるプロトンポンプ阻害薬 一般にPPIと略され強い胃酸抑制作用を持つセロトニン再取り込み阻害薬 うつ症状に処方されることが多くなっている硝酸薬 いわゆるニトログリセリンを指すようです