カテゴリ:名画のアート リーディング
これは、ワッツが描いた、エンデュミオーンの絵です。
エンデュミオーンというのは、ギリシア神話に登場する男性で、彼のあまりの美しさに、月の女神セレーネが恋に落ちました。 セレーネは女神ですが、エンデュミオーンはそうでは無かったので、だんだんと年を老いて行きます。セレーネはそれが嫌で、(諸説ありますが、一説によると)ゼウスに頼んで、彼を不老不死の姿に変えてもらいます。するとエンデュミオーンは、永遠に眠り続ける存在となり、若いままの美しい姿を保っています。という、おはなしです。 この絵では、画面が大きく、上下ふたつに分けられていて、その下のほうに、人間としての重みのある肉体を持った、エンデュミオーンが描かれています。そして、画面の、上半分に、月の女神である、肉体としての重みをもたない、セレーネが描かれています。この、肉体を持った人間の重みと、女神の軽やかさが、みごとに描き分けられていますね。 画面の中の、上下の意識は、現代人の私たちには、当たり前のように、あります。つまり、画面の上のほうは、空とか、軽いものが描かれ、画面の下のほうには、大地とか、重いものが描かれる、という、暗黙のルールが存在します。 だけど、それが無い絵もあります。それは、少し古い時代の絵と、小さな子供たちの絵です。 また、この絵では、エンデュミオーンと女神の頭部から膝にかけてが、半円を描くように構成されていて、二人合わさると、丸になるような、構図になっています。たしか、プラトンとかも、この半身の思想を語っていたと思いました。 それによると、私たちには、失われた半身があって、だから、みんな相手に恋をするのだ。ということです。 ☆アトリエえんどうまめのHPは、《こちら》です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.08.05 15:21:02
[名画のアート リーディング] カテゴリの最新記事
|