【名画分析】 実は子どもが欲しかった スーラ。
名画の絵画分析を試みようと思って、いろいろな絵を見ていたら、すごい発見がありました!わたし的には、久しぶりに興奮して、指が震えたくらいです。それを今から、ここに、書いてみます。これは、フランスの画家スーラ(1859~91)が、1886年に描いた『グランド・ジャット島の日曜日の午後』という絵です。スーラは、点描画を始めた画家として有名ですが、31歳の若さで亡くなっているとのことです。この絵を分析してみると、手前の月位置や金星位置にかけての大地に影が落ち、そこはモスグリーンで描かれています。調べてみると「彼は寡黙で、内省的な性格であったと言われ、私生活については他人に全く語ることがなかった」(Wikipediaより)ということで、月位置や金星位置が影の中にすっぽりと納まっている表現とその性格は、一致しますね。占星術で見てみると、月は12時で出した時に魚座の5度。この月がたとえば8ハウスや12ハウスに入っていたら、そのような傾向がより強まることが、想像されます。この絵では、ほとんどの人が向かって左の方を向いていますが、おとなの絵の場合は、これは内向性を示す向きでも、あったりします。(子どもの絵は、逆なのが、とてもおもしろいことなのですが。)この絵では、背景の奥のところに樹木が重なり合って、森のように描かれていて、空に解放されて抜けているのは天王星位置ということになりますが、この絵は、実はかなり、当時としては最新のアイテム(天王星の象意)が描かれているとのこと。それは何かというと、パラソルなのだそうです。「かつてパラソルは、鯨の骨ときでつくられており、重く、非常に高価だったため、貴族や大金持ちだけの持ち物だった。だが、19世紀に入って産業革命が起こると、鉄製の骨の軽くて安いパラソルが大量につくられるようになる。パラソルを手に散歩を楽しむ女性たちの姿は、新しい時代の到来を人々に強く印象付けたのだ。」(『クイズ迷宮美術館』河出書房新社 2009年より)天王星から土星位置に描かれているセーヌ川には、ヨットや蒸気船らしきものも描かれていて、これらも産業革命がもたらした新しいものだったのだろうと、思われます。実は、わたしが最もドキドキしたのは、このあとこれから書くことなのです。9分割した時の画面の真ん中、太陽位置に何が描かれているか、注目してみてください。太陽位置は「~したい」という能動の意志をあらわす場所になるわけですが、その画面のど真ん中に描かれているのは、真白い服を着た子供と、女性の下半身があることになります。これをどのように解釈するか?抽象的に解釈するとしたら、「子ども」というのは「未来への可能性」ということになりますから、白い帽子と服の子どもは、画家の「未来への純粋で無垢な希望」と解釈されることになります。先ほどのパラソルのおはなしのように、近未来的な天王星的要素も、たくさん盛り込まれている絵なので、この抽象的な解釈も、あながち間違っているとは思えません。「これから世の中は、どんどん新しいものが生まれてゆくぞ~」ということを、この寡黙な絵描きは、声なき声を大にして、静かに絵の中に歌いあげているのです。だけど、もっと具体的に解釈するとしたら、画家は、現実的に「子どもが欲しい」と無意識的に思っていることが、分析できます。その子どもが、白い帽子をかぶり白い服を着ているということは、まだ色づけされていないので、今はまだ存在していないという、推測ができます。どっちかな?と考えていたら、先ほどのWikipediaにあったのです!「スーラは死の直前の1890年、内縁関係にあった女性との間に一子をもうけているが、スーラの母親さえそのことをしばらく知らなかったというほど、秘密主義を貫いていた。」うわおっ!やったね!この絵が完成したのは1886年。なので、彼はその4年後に、この能動の意志を現実化させたことになります。(逆に言うと、これは未来の予言画、というふうにも言えます。このケースよりももっと極端に、絵の中には近い将来現実化することが、まるで予言のようにあらわれることも、実は少なくないのが、とても不思議です。)彼のネイタルの太陽は射手座10度。わたしの土星とオーブ無しでコンジャンクション。これから土星期に入って行こうとしている私が、第一回の名画分析に、しらずしらずスーラを選んだのも、この幕開けを「輝かしきもの」(太陽の象意)としてもらったような、そんな感じがしています。スーラさん、ありがとう!《追記》そうそう、それと、大事なことを書き忘れちゃったけど、画面向かって右手に一番大きく描かれた、重なり合って描かれている男女は、金星位置と木星位置と海王星位置に貫かれていて、金星(,ネツァク)と木星(ケセド)のパスは、「10.運命の輪」であることからわかるように、この絵描きの絵で身を立てて行きたいということを、とても良くあらわしていると思います。彼は、ネイタルで、射手座の金星と魚座の海王星のスクエアーを持っているので、「とうてい手に入らないようなイメージ」を、そしてその金星には獅子座の土星がトラインなので「追求し続けた」人なのだと思います。その海王星には、蟹座の木星がトライン。なので、大きな(木星の象意)人物として、描かれている。金星と木星は、インコンジャンクト。訓化して、能力を磨くアスペクト。ふうむ。この、金星=木星=海王星の位置にこれだけ大きな人物が登場するのも納得です。ちなみに、この女性の影に男性が寄り添って立っているわけですが、スーラの金星には、天秤座の火星(火星は若い男性を示す)がセクスタイル。セクスタイルは、「協力する」ことをあらわすアスペクト。こう見て行くと、その画家の傑作と言われる絵は、まるで、ネイタルチャートを絵にしたような、そんな感じなのだなぁとつくづくわかって、わたしの大興奮は止まりそうにありません。た、楽しい!です。