カテゴリ:名画のアート リーディング
この絵も、前回《第7回》と同じ、ギュスターヴ・カイユボットの1884年の作品です。
『エトルタにある セント・クレア湖への道の ペール・マグロワール』という題名が付いています。 ペール・マグロワールで検索してみたら、ペール・マグロワール社というのが見つかりました。1821年にボン・レヴェックという街で創業されたブランデーの酒造メーカーの名前だそうで、フランス国内で知名度・販売数量ともにトップクラスだとか。「カルヴァドス」という名前のお酒が有名みたいです。 いっけん地味で退屈な印象のある絵です。 このテイストは、たとえるなら占星術の「土星」が持っているようなテイストです。揺るぎないけれど、たんたんと同じことが繰り返される、地味な感じ。この後ろ姿で描かれている登場人物の男性も、ほぼ土星期(55歳から72歳)くらいの年齢であるようにも思えます。 明るく照らされた太い道が描かれていて、遠くにとても小さく描かれていてる女性との対比から、この道がずっと遠くまで続いている、その距離感が表現されています。 道は、海王星(またはコクマー)の位置に、ゆるくカーブしています。この海王星(またはコクマー)の位置や、反対側の上部の天王星(またはビナー)の位置は、人生を終えた人たちが消えて行く位置でもあって、ややラベンダー色味がかった空が、その印象を強めています。 象徴解釈する時に、「道」は「人生そのもの」に例えられます。 ここに描かれた男性は、明るく輝いて平坦な道を、リラックスして歩いていますので、おそらく何の苦労もない人生を歩んでいることでしょう。 右側にそれる細い道も一本描かれていますが、それもほぼ木星位置から海王星位置にかけてなので、この人物は、たとえ会社の経営者であったとしても、実質的な経営からは退いて、悠々自適な生活をしていることが想像されます。 あまり面白味は無いかも知れないけれど、立派で日の当たる人生を歩いてきた人のようです。 むしろその地味さのなかで、ブレずにそれを保守することに自身の役割があることがちゃんとわかっていて、むしろその人生の道自体を愛してきた人なのでしょう。 少し丸みを帯びた後ろ姿からは、この人物が持つ柔和さや温かさも、絵を見た人に伝わってきます。 ☆アトリエえんどうまめのHPは、《こちら》です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.08.25 10:07:54
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