カテゴリ:名画のアート リーディング
エドアール ヴィヤールが描いた『マダム ミリアム フリート』という絵です。
エドアール ヴィヤールは、19世紀から20世紀にかけてのフランスの画家。室内情景など身近な題材を好んで描きました。 ミリアム フリートというのは、現在72歳の女性バイオリニストです。 若い女性バイオリニストが練習をしている姿が描かれています。 使われている色彩は極端に少なく、画面のほとんどがオレンジ色となっています。そこに、白色と黒色での表現が加えられています。 いっけん退屈ささえ感じられる表現です。背景の壁面に規則正しく並んでいる板も、単調な繰り返しをしていて、その黒いストライプ模様に注目すると、まるでこの女性バイオリニストは、檻の中に入っているようにも見えてきます。 ここで感じられる退屈さと、単調な繰り返しや厳格さは、占星術の土星に置きかえられる象意でもあります。 クラッシックの音楽を習得して行くプロセスの中には、この土星的な練習の積み重ねは避けて通れないことで、あるでしょう。 でもここに描かれている女性バイオリニストは、そのような土星的な繰り返しの向こうに、もっと楽しい世界を見つけ出していて、そのことに「はまって」いることがわかります。それが、この画面のほとんどを覆い尽くしているオレンジ色が物語っています。 自身を律したその向こうに開ける、味わい深くて、深遠で、とても面白い芸術の世界。そのことへの愛があふれた絵画ということができると思います。 よ~くこの絵を見ていると、頭の上に水の入ったガラスのビーカーのようなものが載っているようにも見えて、そのようにしてこの人はバイオリンの練習をしていたのかな?とも思ったのですが、このあたりのことは調べてみたけれど、良くわかりませんでした。 ☆アトリエえんどうまめのHPは、《こちら》です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.09.14 12:29:54
[名画のアート リーディング] カテゴリの最新記事
|