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♪アトリエえんどうまめ 今季洋の日記。

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2018.09.29
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オーギュスト ルノワールの『田舎のダンス』という絵です。1883年に描かれました。

ルノワールは、現在では誰もが知っていると言っても良いくらい有名なフランスの画家です。もちろん私も知っていました。でも、今回このブログの文章をアップするためにいろいろと調べてみるまで、どのような人生を歩んだ人であったのかは、全く知りませんでした。

へぇーっ、そうだったのかと思うことが、いくつかわかりました。





まず最初に意外だったことは、ルノワールが当時としては貧しい労働者階級の出身であったこと。

経済的なゆとりがなくては、絵だけ描いて生きて行くのが難しいのは、今も昔もいっしょです。この印象派の頃の有名な画家たちの多くは、お金持ちのブルジョア階級の出身者でした。


つぎに、そうだったのか~と思ったのは、この絵の描かれている人が誰であるのか、はっきりわかっているということ。

この絵の男性は、ポール ロバートというルノワールの友人、そして描かれている女性は、アリーヌ シャリゴという、のちにルノワールの妻となる人なのだそうです。

もうひとつ面白かったのは、この『田舎のダンス』という絵と、まるで対になるような『都会のダンス』という絵を、同じ年にルノワールは描いているのですが、そちらも描かれているのは誰かがハッキリしていて、男性は『田舎のダンス』と同じポール ロバート、そして『都会のダンス』のほうは、シュザンヌ ヴァラドンという女性とのことでした。

そして、ルノワールは、一時期、この二人の女性と同時に付き合っていたのだとか。

こちらが、その『都会のダンス』です。





年譜的には、この二枚の絵が描かれていた時に、どちらの女性と結婚するとルノワールの腹が決まっていたとは考えにくいのですが、『田舎のダンス』のほうの女性は満面の笑みを浮かべて微笑んでいるのに対して、『都会のダンス』の女性は、伏し目がちに描かれているのがわかります。

このように書くと、絵画に表れている未来予言?と、いぶかる人もいるかと思いますが、それは、全くないわけでもないのが、興味深いところです。


いずれにしましても、ルノワールの出生チャートを出してみますと、牡羊座に、月・金星・冥王星のコンジャンクションを持っていますので、恋人にするにしろ、結婚するにしろ、ルノワールにとっては、この『田舎のダンス』アリーヌ シャリゴのような、素朴で元気あふれる女性が好みであったことがわかります。


また、この『田舎のダンス』の絵では、アリーヌ シャリゴは、頭をすっぽりと覆う赤色の帽子をかぶっています。ここで赤色が使われているのは、この女性が持つはつらつとした健康美が強調されている表現になっていると思います。

先ほどのルノワールの金星と月が牡羊座であることを思い出すと、牡羊座の人体対応は「頭」で、赤色の色彩は牡羊座らしい色のひとつであることにも気がつきます。

ちなみに、頭に赤色で思い出されるのは、たとえばグリム童話の『赤ずきん』などがありますが、こちらは、母からの言いつけを守ること(母から娘への守り)を象徴する色彩として使われていることがわかります。


また、この『田舎のダンス』の絵で、アリーヌ シャリゴは黄色い手袋をはめています。黄色い手袋は、手広く、いろいろできることを表しています。

でも、ファッションとしては、この赤い帽子と黄色い手袋の取り合わせは、ちょっとダサいものとなってしまい、田舎臭さを強調するものとなっていると思います。

しかしながら、アートリーディングの色彩配置的には、この赤色と黄色は「本命」を思わせる組み合わせとなります。赤色は、根源的な母性を、黄色は、根源的な父性の意味合いを、その奥底に持っています。


『田舎のダンス』の金星位置には、麦わら帽子が落ちていますが、麦わら帽子は田舎っぽさをあらわすアイテム。それが落ちていることは、ルノワールの金星が牡羊座であること、つまりざっくばらんでおおらかであることを好ましく受け取る性質が、表れていると思います。

またそれだけではなくて、麦の色はゴールドにも通じ、金運の良さを象徴することにもなります。

麦わら帽子が裏を見せてひっくり返っていることは、くぼみがあることになり、この金運は、引き寄せ運・もらい運であることがわかります。絵描きの多くがそうであったように、ルノワールにも経済的な支援者、つまりパトロンが付いて行きますので、稼ぎ運と言えなくはないけれど、もらい運でもあるような収入のあり方がこのあと展開されて行きました。


その一方で『都会のダンス』のほうの金星位置を見てみても、ここにも金運の良さは暗示されていることがわかります。

ドレスの長い裾を引きずるは、豊かな富の象徴で、家系的な過去の蓄積があることを示します。おそらく、ここに描かれているシュザンヌ ヴァラドンという女性はブルジョア階級の女性で、豊かな金運の持ち主であったのでしょう。


ルノワール自身は、最初にも書きましたように、生活のために絵を売って行かなくてはならない立場にありました。

もっと、未来を先取りするような最先端の絵画表現を追求して行こうとした時期もあったようなのですが、「そちらは当時の社会が彼に求めたものではなかったので、社会の要求に合わせて、社会が彼に求める絵を描いて行く決意をした」と書かれたルノワールの手紙が残っているそうです。

ちなみに、ルノワールの出生の土星はやぎ座にあり、さそり座の火星とうお座の太陽で小三角をつくっていました。

その絵画表現こそが、今、私たちがルノワールという名前を耳にした時に思い浮かべるような、豊満な女性の幸福感あふれる姿を描いたものでもありました。


残念ながら、この『田舎のダンス』に描かれた、のちに妻になるアリーヌ シャリゴの生年月日はわかりませんので、彼女の星配置がどのようにルノワールの星配置に影響を与えたのかはわかりませんが、ここまでの流れを見てきたときに、アリーヌ シャリゴの存在自体がルノワールに与えた影響の大きさは、とても良く分かるのではないでしょうか。


『田舎のダンス』では、アリーヌ シャリゴは高らかに扇子を持った右手を、天王星位置に伸ばしています。扇子を持っていることは、当時ヨーロッパで流行していたジャポニズムの影響と思われますが、この表現は、アッパレアッパレと、上昇して行く未来を暗示しているようにも思えてきます。

ルノワールはこのあと、社会的な評価を獲得して、当時のヨーロッパ画壇の最高峰にまで、上り詰めて行きました。

そこに、人生のパートナーとしての、このアリーヌ シャリゴの存在が無くてはならないものであったことが、とても良く分かる一枚の絵だと思います。





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Last updated  2018.09.30 10:18:49
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