スイスで不妊治療。~心からありがとう~
もうすぐ出産を迎えます。子作りを始めてから5年、最初の流産から4年、2度目からは3年半、本格的に治療を始めて2年半。長かったかな~、やっぱり。人工授精の前日に見た超音波画像の20mm弱の卵胞の中に、見えないけれども卵があって、それが受精して、もうすぐ人間として生まれてこようとしているのが、とてもとても不思議です。そして、ここまで育ってくれて、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。3年ぶりに陽性反応を見たときは、結構冷静で、「あっ、私、まだ妊娠できるんだ」と、淡々と思いました。その直後に、また流産したらどうしよう、と不安になりましたが。3ヶ月のときに出血があり、どうしようもない不安におそわれたりもしましたが、それ以降は、ありがたいことに大きな問題もありませんでした。それでもやはり、流産・不妊から受けたトラウマというのは簡単には消えないもので、安定期に入っても、ちょっとしたことで、不安になったりしました。妊娠を報告をしたとき、私の今までのことを全部じゃなくとも知っている友達は、自分のことのようにうれしいと、半泣きで喜んでくれました。そして、安定期に入っても不安な私の気持ちを知っている友達は、「あなたは今まで辛い思いをしてきた分、絶対にいいことがあるよ。きっと大丈夫だよ。」と、優しい言葉をかけてくれました。どれだけうれしかったか、どれだけ心強かったことか。そんな友達みんなに感謝でいっぱいです。ありがとう、ホントにありがとう。3年前に乗り越えられそうにないと思った、自分の前に立ちはだかる高い壁、こういう結果になったからだけではなく、ならなかったとしても、前ほど高くは感じなくなっていました。ツライ経験でもありましたが、たくさんのことに気付きました。いろんな気持ちがあることに気付きました。そして妊娠すること、それを継続すること、生まれてくることがどんなに奇跡的なこと、それに気付けたことは、本当によかったと思うし、だからこそ、経験してよかったと思います。そして、30後半にして、親になるということ。体力面から言って、正直もっと若いときに、とは思います。でも4年前に私達が親になれなかったのには、きっと理由があるんだと思います。人生全てタイミング、今がそのときなんだろうな、と思います。自分自身に起こることには必ず意味がある。なりたかった強くてやさしい人間に、少しは近づけたのかな~。今まで読んでくださって、ありがとう。これにて、「スイスで不妊治療」を終わりたいと思います。最後に、ツライときに支えてくれた友達のみんな、心からありがとう。