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カテゴリ:日本とモンゴル(経済・ビジネス)
モンゴルでは最近韓国系のコンビニが増えており、モンゴルではビジネスで韓国系が強いようだとのネットニュースを目にした。
また、少し前にウランバートルで北朝鮮と日本の当局者が秘密裏に会談をしたとのニュースを目にした。この時は、なんでこんなニュースが一か月近くたってから韓国から流れてきて、モンゴルから漏れてこないのだろう?かと思った。 モンゴルのマスコミが鈍感なのか日本への関心が薄れているのかのどちらか、あるいはその両方であろう。私は少なくとも後者については、あたっていると思う。モンゴル人の日本への思いはやや複雑に変遷してきた。 民主化後1990年代のモンゴルは、社会的混乱や経済的困窮に大いに苦しんだ。そんな時に最大の援助国として日本が現れた。モンゴルは中国とは違って、日本が援助していることを国民に伝えた。それらのことで日本は大人気になった。 大いなる誤解を含めて曰く、日本は世界一の経済技術大国である、日本人はいい人ばかりで噓をつく人はいない。笑い事ではない、モンゴル人は素直にそう思ったのである。そして日本からは偉い人や企大業がたくさんやってきた。 もちろんモンゴル人は大いに期待したが、いつになってもSonyもPanasonic、資生堂も来ない。世界に冠たる五大商社さえ、あるのは営業活動ができない駐在員事務所だけ。たまに目にする日本企業は日本人の税金で支払うODAの建設関連企業くらい。 2000年代いわゆる‘00年代まではおしんやトレンディドラマの影響もあり、弱まりながらも日本人気は続いた。その間に、当初は見向きもされなかった韓国製品がじわじわ浸透してきた。‘10年代になると、ビジネスや人的交流など全てにおいて韓国が圧倒していた。‘20年代?もう話にならない差である。 本格的進出を噂されて10年以上経てから資生堂がしょぼい店を出した頃には、韓流コスメが溢れていた。モンゴル最大の企業グループのトップは私に、日本企業とはもう会いたくないと言った。日本企業は話すだけで何も進まないということである。 冒頭に書いたこのネットニュースにはそんな背景があることへの洞察は微塵もなく、最近モンゴルに行ったら韓国系コンビニが増えてますね、という旅行者の投稿記事のような内容である。こんなに期待されなくなった日本企業でも、コンビニはやはり別格であった。 コンビニをやりたいと考えた複数のモンゴル企業は、最初にセブンイレブンへ、そしてファミリーマートもローソンへもモンゴル進出のお願いに行った。このコンビニ3社は、三井物産、伊藤忠、三菱商事と関係があるから、それぞれの駐在員事務所にも行ったかもしれない。 結果は全て断られた。理由は推測だが、いつものように市場が小さいとか国土が広すぎる、などであろう。私はかなり前の本ブログにモンゴル市場は北海道に似ており日本のコンビニ企業には有望だと書いた。 札幌とウランバートルは似たような人口であり、全体としては人口減少が続く北海道は500万人でコンビニ3000店。人口増加が続くモンゴルは320万人で本格的コンビニはまだこれから。どちらが有望か? 北海道内店舗数はセブンイレブン1000店、ローソン700店、ファミリーマート234店でさらに王者セイコーマートの1100店がある。この激戦地ではセブンイレブンでさえ店舗数を減らすほどで、追従2社には利益も成長もなく単なる負け犬である。 モンゴルでのCUは2018年スタートのわずか6年で300店となった。今期売上は前期比48%増加である。韓国CUにとっては海外で初の300店舗達成とのこと。なぜ達成できたのか?それは競合がいない市場での先駆者だったからである。 日本市場で300店もの出店余地はあるのか?海外?喜んで出ていった中国で利益出ているのか?店舗数じゃなく利益で。なんだか昔の電機業界を思い出す。どの会社も成功したと思っていた、しかしどこも似たようなビジネスモデルで競争激化となり自滅した。 CUはモンゴルでの成功を踏まえて海外進出を加速化するそうだ。また一つ、日本企業がモンゴルでやれそうな機会がなくなった。あと残っているのはあの会社くらいか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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