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田崎正巳のモンゴル徒然日記

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2024.10.18
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異常気象の影響か、日本のスーパーでも100%オレンジジュースがあまり売られてない状況のようである。主要輸出国であるブラジルの農場の被害状況がテレビに出ていたが、回復にはかなりの時間がかかりそうだ。

日本はジュースの輸入大国なのは承知しているが、少量ながら輸出もしている。牛肉でも米でも、価格競争力がなくとも付加価値で買ってくれる国があるということだ。

この場合の付加価値は、美味しいということだろう。とはいえ日本産食料品の輸入先はほとんどが台湾、香港、シンガポール、中国などの中華圏とアメリカである。

ネット上に日本の果汁輸出先ランキングがあったので見てみると、1,2,4,5位は、中国、台湾、アメリカ、シンガポールと順当であるが、3位がなんとモンゴルなのだ。何でモンゴル?正確にはわからないが、以下に私の推測を書く。

まず日本から輸入したいと思う果汁とは何があるのだろうか。あるとしてもコスト高だろうから、大量のはずはない。実際の各国の輸入量を見ても、500kgから多くて3000kg程度と液体と考えると非常に少量である。

日本の果実としては、みかんとりんごがアジアで人気があるという報道は何度か見たので、そのジュースが輸出されているのだろう。だがそういったジュースが圧倒的に人口が少ないモンゴルへの輸出量が3位というのは理解できない。

ではどんな果汁がモンゴルに輸出されているのか。それは、カゴメの野菜ジュースやトマトジュースであると思われる。日本のスーパー、コンビニでお馴染みの小容量紙パック入りのジュースである。

一昨年あたりから、何人ものモンゴル人に「カゴメのジュースがすごい人気」というのは聞いていた。実際に昨年モンゴルに行ってみると、確かにほとんどのスーパー、コンビニに売られていた。

特定メーカーの日本産食品が、これほどウランバートルのどこにでも売られているのは見た覚えがない。日本産醬油は結構売られているが、メーカーはキッコーマンとヤマサに分かれている。

人気の理由は、モンゴル人の健康志向である。私の知る過去のモンゴル人は肉食中心で、あまり健康を気にする様子はなかった。しかしながら、今はかなり違うようだ。

若い世代はもうあまり肉を食べず、野菜が多いとのこと。韓流の影響は大きいようで、確かに今の若者はほっそりした男女が多く、かつての筋肉も贅肉もたっぷりの男性やふっくら系の女性は少なくなった。

実際街を歩いても、ベジタリアンレストランは日本よりも多いように感じるほどだ。とにかく健康志向はまるで流行のようで、その象徴の一つがカゴメのジュースなのだろう。健康志向の大人だけでなく、お母さんたちが子供たちに買い与えている。

何でこんなに人気が?と思ったが、カゴメのジュースを気にいったモンゴル人が地道に何年間も売り歩いたんだそうだ。こうなると心配なのは、真似して輸入する並行輸入による乱売だが、これはカゴメとちゃんと契約している模様。

となると、競合は既にお茶の自販機販売でモンゴルに進出している伊藤園の野菜ジュースとなろうか。ただ現地でのカゴメのブランド力はかなり強く、当分は人気が続くだろう。この商品は単なるジュースの小型版ではなく、技術的な参入障壁がある。

以前米系トマトジュース最大手の会社のアジア太平洋トップのアメリカ人と話した時に、日本のメーカーとの技術比較について聞いた。

彼は自信満々に「ジュースの製造技術では絶対に負けない。」だが「一つだけ勝てない技術がある。」と言った。「それはカゴメの少量パック製造技術だ。あれは単なる少量パックだというだけではない。」と言った。

モンゴルでなかなか定着しなかった日本のブランド。ソニーもパナソニックも資生堂も難しかったが、トヨタに次いでカゴメが定着してくれそうだ。





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Last updated  2024.10.18 15:00:37
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