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田崎正巳のモンゴル徒然日記

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2024.08.19
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モンゴルから日本へのはちみつの輸出に関する記事を見つけた。著者は西山亜希代氏でJICAの方だ。その記事を読んで過去の私の経験と重なる部分が多く、モンゴルから日本への輸出の難しさを再確認した。

2016年に両国間でEPAが締結された。「日本はモンゴルの何が欲しいんだい?」モンゴル人ビジネスパーソンは気楽に聞いてくる。要するに、EPAは日本人が欲しいものがあるから締結したと思っているのだ。

ここで気軽に「カシミヤかな、岩塩かな」などと言おうものなら、「OK、どのくらいの量を欲しいんだ?すぐに手配するよ。」と言いそうな勢いであった。

私は日本へモンゴルからの輸出に関する相談を、モンゴル人と日本人から何度も受けた経験がある。日本人はモンゴルからの輸入は難しそうという前提で来るが、モンゴル人の多くは楽天的である。

これは仕方ないこともある。モンゴルからの輸出品の多くは、相手国が望んだものを輸出してきたからだ。石炭などの鉱物資源は典型だ。資源開発のための資金と技術は外国企業がやり、産出物は中国が喜んで買う。それに次ぐカシミヤは製品ではなく、ほとんどが中国や欧州からの「原毛買付」なのだ。

だがこれらの輸出のほとんどが低付加価値のままである。石炭は鉄になって、カシミヤはセーターになって高付加価値品となるのだが、そんなことはモンゴル側もわかっている。だがその売り方がわかっていない、のが現状なのかもしれない。

売り方と書いたのは、日本への輸出方法から日本での流通やマーケティング全部のことであるが、それらがほぼ全部できてないのが現状のようである。これらは問題が多すぎるので別の機会に書くこととし、今回はモンゴル側の根本的問題を1つ書く。

それは検査機関の問題である。ほとんどの輸入国には輸入品に対して品質基準などの要求事項がある。一定の条件下での成分量や原産地国の品質証明書などが必要となる。日本は60か国以上からはちみつを輸入しているが、全てに適用されている。

しかしながら、モンゴルには国際的に認証されている公的検査機関がないのである。認証どころか、検査能力が十分ではない上に、輸出向けの経験もほとんどないようである。

今回のはちみつの場合はアメリカや日本の検査機関にも依頼したようだが、その度に多大な時間とコストがかかったという。だがその後の関係者の努力もあり、モンゴルの検査機関が日本から認証されたようだ。しかしながら、日本に届いた検査表はモンゴル語であったという。。。

検査機関には、そもそもの検査能力の問題がある。以前日本の大企業から漢方薬の原料輸入の相談があった。その企業は中国企業経由でモンゴル産を買っていたが、直接輸入して取引の拡大を望んでいた。モンゴル産の品質の良さが認められてのことなので、これは良い取引になると喜んだ。

問題はモンゴル側の姿勢と検査能力である。薬の原料になるものだから検査は大切だが、そもそも検査機械がないとか、OO大学に機械を持ち込んでも使えないなどなど、できない理由はきりがない。

「モンゴルの薬草は昔から使っているから、日本人にも安全だ」とか「日本人はうるさい。中国人はそのまま持って行く。」など輸出意識がないから、中国人に安く買いたたかれ「これはモンゴル産ですよ。」と高値で日本に輸出されるのである。

結局その日本企業は「こんなにやってもできないなら、直輸入は諦めて中国経由で買います。中国なら簡単にできる検査なんですけどね。」と諦めた。

EPA締結はいいけれど、こうした輸出に必要な基盤整備が必要だ。第1号案件で何年間もかかった結果が、今後の輸出継続は難しいという。モンゴル語ペラペラの日本人のIさんがやっても大きな壁がある。検査機関の整備は喫緊の課題である。

JICAは企業同士のお見合いパーティーもいいけど、こうした問題の解決を優先してほしい。





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Last updated  2024.08.22 09:35:50
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