[墓場に住みついた元・哲学部教授のことば]の記事一覧 | We want 駆け出し作家・森真暁！

一人ひとりに一つひとつの真実

[一人ひとりに一つひとつの真実]　一人ひとりの人間の顔つきや体つきが違うように、一人ひとりの人間の眼球や脳細胞の機能だって違うのだよ。　だから、言ってみれば、全く同じものを見ても、一人ひとりの人間が見ているものは一人ひとり違うのだし、一人ひとりが同じ対象に対して考えていることは一人ひとり違うのだと言えるよね。　だから、たった一つの真実というものなど存在はしなくて、一人ひとりにとっての真実というものしか存在しないのだ、というのが私の最新で最後の学界での主張であったのだ。　どうして最後なのかって？　その主張が、私が学界を追放される理由となったからだよ……　更に、一人ひとりにとって違う一つひとつの真実が、人間を悟りへと光へと導くという理論を展開したのだから、光が感じられない者たちは不安と疑心暗鬼の塊と化したし、自己保身の鬼と成ったのだね。　　まぁ、今は昔の、とっても懐かしい思い出だね……

2010.04.10

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中小企業という迷路をさ迷うことはない

[中小企業という迷路をさ迷うことはない]　君、今日は特に浮かない顔をしているね？　どうした？　社長が給料を上げてくれると言ったのにそれを反故(ほご)にしたのかね？　クライアントに口頭で見積金額を君に言わせておいて、そんなベラボーな金額じゃ出来る訳がないと前言を翻(ひるがえ)したって？　きっと、何度もそんな卑劣なことをして来たのだろう、君の所のシャチョーは。　サラリーマンだから、なかなか上司には意見できはしないだろうが、いつかは腹をくくって、正誤を進言することをしなければ、君はどこにも行けないのじゃないかな？　中小企業という迷路を、定年までさ迷うつもりかね？　言うべきことを言った後は、成行きに任せるしかないのだよ……　相手を変えようとしても無理な相談だ。　自分が変わるか、相手が相手の意思で変わるのを待つしかないのだよ、この人生では。　そこに突っ立って泣くことはないじゃないか。　そこの樹々の後ろで泣いておいで、私はちょっとその辺りを散歩してくるから……

2010.03.28

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彼岸に先祖の墓に詣でることが、立派な社会人の証なのだろうか？

[彼岸に先祖の墓に詣でることが、立派な社会人の証なのだろうか？]　墓参に来ていながら、イアフォンで音楽を聴き続けている息子や娘がいる。本当は少しも来たくなどないのに、無理矢理連れてこられたのだろう。　勝手に他人の墓所に入って墓石に刻まれた文字をしげしげと見たり、大声で下品な話をしたり、古い供花を憚(はばか)り無く通路に捨てる大人たちは、そんな子供たちに注意が出来る筈が無いね・・・　形だけの墓参りをしたって、先祖だけでなく、誰だって喜びはしないっていうことが判らないのだろうか？　それとも、春秋の彼岸に先祖の墓に詣でることが、立派な社会人の証(あかし)なのだろうか？　君は、彼らのような春眠や霊園の静寂を破る無礼者たちを反面教師にするがいい。

2010.03.22

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独りの時間が最上

[独りの時間が最上]　ここに来てからの最上の経験とは何だと思う、君？　やはり、独りで生きることの寂しさとか意義を見出したことだろうか。　独りの時間は、人間の弱さや強さ、俗や聖といったことを、ありありと見せつけてくれるのだ。　桜吹雪の中に独り座して、己の中の宇宙や本質を見据えている時の、えもいわれぬ恍惚。　独りの時間に人間は、自分の本当の姿を見出すのだろうね……

2010.03.15

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今いる場所で今のベストを尽くす

[今いる場所で今のベストを尽くす]　北海道にいようがニュー・ヨークにいようがこの墓場にいようが、生活を抱えている一個の人間、悩みを抱えている一個の人間、夢を抱えている一個の人間、人生を抱えている一個の人間としての君なり私なりには、人間としての存在意義に何らの変わりは無いのだということが分かるね？　分かるのだったら、今いる場所で今のベストを尽くして生きればいい。

2010.02.25

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雪降って身固まる

[雪降って身固まる]　雪が降って喜ぶのは、犬と子供だけとは限らないよ。この私も、正直に言えば、雪が降るたびに嬉しくてしょうがないのだよ・・・　雪が降るたびに心が洗われて、雪が降るたびにしがらみがひとつひとつこの体から落ちて身がより軽くなる。　そんな気持ちがしたことってないかね？　哲学者みたいだって？　おいおい、これでも元は哲学を教えて収入を得ていたのだよ。

2010.02.18

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金太郎飴のような会社は生き残れない

[金太郎飴のような会社は生き残れない]　そうか、君がいちばん嫌なのは、人間を将棋かチェスの駒のように操ろうとする上司や規則規則で縛ろうとする会社なんだね……　そうだね、今は不景気のどん底のただ中だから、上司も会社も不安なんだよ、君が不安であると全く同様にね。　だが、金太郎飴みたいな社員ばかりで構成される会社にダイナミズムとかフレキシビリティは皆無ではないのかな？　だとしたら、この悪経済下での生き残り競争で、一番初めに淘汰されるのは君いる会社や同類の会社ではないのかね？　派遣社員でも警備員でも新聞配達人でも、いま実質、1日の内の15時間を会社に捧げている君と比べたら、1.5倍の給料をもらっていることになるのじゃないかな？　今年はボーナスだって無いだろうと考えたら1.6倍かも知れないね。　恐怖政治に潰されないことだよ……　今いる会社に囚われないことだよ……　言うのは簡単だと思うかね？　あなたは独りで生きていて、何のしがらみも、何の重荷も無いと言いたいかね？　私の言っていることはおかしいかね？　それとも、世の会社や社会がおかしいのかね？

2010.02.11

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墓石療法　猫療法

[墓石療法　猫療法]　ここやこの近くに住む者たちの前職は、上場企業の部長であったり、国家公務員であったり、家庭の主婦であったりと様々なのだよ。　全員に共通しているのは、金銭問題か人間関係の問題か健康問題、肉体だけではなくて精神の健康についてもということだが、いずれかの問題を抱えていたということだ。肉体か精神のどちらか、それとも両方に問題を抱えていない者など天然記念物に近いわけだし、お金や人間関係の問題も皆無という者なら、ギネス・ブックに登録申請しても良いくらいだね。　ここではじめて見た彼らは一様に、仮面を被っているようだった。表情というものが全く無いのだね。それが今ではどうだい、こんな所で生きているにもかかわらず、あんなに生き生きとした表情を見せるのだよ。　ここには、墓石の群れと猫の群れしかいないのだが、彼らは例外なく癒されているのだね……　私はそれを『墓石療法』とか『猫療法』と呼んでいるのだが、墓石はものを申さないし猫は鳴くだけだ。それなのに確実に癒されている。　自分が自身との対話を通じて癒されていくのだ。自己催眠療法の一種と言えば良いのだろうかね？　ここに来る前は、生活に一杯いっぱいで、人生を生きる余裕が無かった、心や魂というものが無かった、だから病んでしまった。それが、ふたつの療法で心と魂を取り戻したのだ。　普通の、何が普通かはその者の考え方や感じ方次第なのだがね、世間一般で言うところの普通の生活に戻っていった者も沢山いるが、年に1、2度はここに立ち寄ってくれるね。　ここに住む人間たちも、向こうに住む人間たちも、何ら変わりが無いし、いつ生活する場が入れ替わったって何の不思議も無い……　さて、昼寝をすることにしようか。　君、またおいで。

2010.01.24

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草花の寿命　人間の生命力

[草花の寿命　人間の生命力]　墓前に活けられた切り花の寿命と言ったら、実に驚くべきものがあるんだよ。　信じられないかも知れないがね、2週間も、場合によっては3週間ものあいだ枯れずに咲いているんだよ。　草花にそれだけの生命力があるのだから、同じ生物として、私たち人間だって、大きな怪我をしたり、大きな心の痛手を負ったって、それからもまだまだ、何年も何年も、生き延びなくっちゃいけないのだよ……　おいおい、君、どこに行くんだい？　もう帰るのかね？　また、私の話が説教じみたり教訓じみたりし過ぎてしまったのかね？　おい君、待てよ、話はこれから面白くなるというのに……

2010.01.13

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自分の悩みを他人の視線で観察する

[自分の悩みを他人の視線で観察する]　何が私をここに連れて来たかって？　そうだね……　自分の悩みの自家中毒に罹(かか)ってしまったのだろうね。　いま考えると、家族も大学部教授の地位も名声も金も何もかもを捨てて、こんなところに住む決心をさせるほど、その悩みが大きかったとは思えないね……　今なら、自分の悩みを他人の視線で観察して評価・判断するという、悩みを解決に導く手法を使ったことだろうが、その時はまだまだ若かったのだね……　まぁ、52歳の時のことだったのだが、52歳など、まだまだ、人生というマラソンの折り返し点でしかないのにね。　さぁ、私は疲れたから寝るとしよう。　またおいで。

2010.01.09

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悪口を吐き胃の中のものを吐く

[悪口を吐き胃の中のものを吐く]　忘年会やクリスマスに託(かこつ)けて上役や同僚や友達の悪口を吐くだけではなく、食べたり飲んだりしたものまでこの辺りで吐いた不届きな輩(やから)が少なくなかったね……　大晦日や新年にも、そんな奴らが絶えないのだろうね？　人の振り見て我が振り直せというがね。　まさか、君に限ってそんな事は無いだろうね？

2009.12.28

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ここには家なき人しかいない

[ここには家なき人しかいない]そう、間違いないよ。ここには、私や、そこで空き缶を60リットルのゴミ袋に詰めている男のような、家なき人しかいないのだ。千の風がどうしたとかって歌が以前に流行ったね。まさに、あの通りなのだよ……

2009.12.21

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恐れと不安が現代人の最大の病理

[恐れと不安が現代人の最大の病理]　何ら実体など無いものを恐れること、何の根拠も無いのに不安がること、それが今を生きている人間の最大の病理ではないのかな？　実体や根拠が無いということは、幽霊を恐れたり祟(たた)りに不安を募らせたりした古き時代に生きた人々と毫(ごう)も変わりは無いではないか……　恐れは不安など、人間には不要なものなのだよ。　今日は、これを肝に銘じてください、こんど来た時にはまだ銘じているか試すからその積りでいてくださいよ……

2009.12.13

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冬は必ずやって来る

[冬は必ずやって来る]　ご近所さんたちがダンボール箱を集めだすと、冬が来たのだなと改めて思うね。　そうだったね……　早い遅いの違いもあるし、暖冬厳冬の違いもあるけれども、冬は必ずやって来るものなのだね。　季節は、動物だけではなくて、人間の心身にも、途轍もなく大きな影響を及ぼしているのだからね……　そうか……　君の田舎のご両親はまだ健在で、冬になっても畑に出て土作りをしたりしているのだね。　私の両親もそうだったが、昔の人は休むということを知らないからね……

2009.12.10

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リハーサルの無い舞台

[リハーサルの無い舞台]　この人生という舞台には、リハーサルなんてものは存在しないのだよ。　舞台に上がる前に、あれこれと実体の無い不安や恐怖に怯(おび)えてかけがえの無い時間を無為に過ごしたり、ぬか喜びでしかない根拠の無い希望とか妄想を邪(よこしま)している者たちの何と多いことだろう。　ぶっつけ本番の舞台で、全身全霊を注いで持てる力を出し切って生きる／演じるのが、この人生という劇場のルールなのだよ。

2009.11.22

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「さよなら」ではなく「また会いましょう」

[「さよなら」ではなく「また会いましょう」]死に逝く人や、もう死んでしまった人に私は、「さよなら」ではなく「また会いましょう」と言うのです……

2009.11.22

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恐れるものが現れる

[恐れるものが現れる]　おい君、知っていたかね？　君が恐れるものが、現実となるのだということを。それがある人物との齟齬(そご)であろうと、降格であろうと、貧困であろうと、死であろうと、君自身が恐れているものが、大変残念ながら現実のものとなってしまうのだよ。　おっと、早とちりは駄目だ、短気は損気というだろう。　幸いにも逆もまた真なりさ。ならばだ、君が望むものを大いに心待ちすればいいのだよ。　人生、そう深刻に難しく考えることなどこれっぽっちだって無いのだよ。　さぁ、肩の力を抜いて、脳味噌の硬直を解(ほぐ)すことだね。

2009.11.21

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生きて生きて生きよ

[生きて生きて生きよ]　なあ君、一人や二人だけでもいいから、伝えられないかな？　自己破産したって、不治の病に罹(かか)ったって、死ぬまでは死にはしないから、自ら死ぬなんてことは、決してしてはならないと。　金がなければ墓に住めばいい、ウォシュレットはここには無いがね……　病いが治らなければ治らないまま生き続ければいい……　生きて生きて生きよ、と。　なあ君、どうだろうか？　コンパや合コンの時にでも、話してみてはくれないかな？

2009.10.24

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秋の記憶たち

[秋の記憶たち]　たった今、今年最後の蝉が逝ったよ。雨に濡れた大きな落ち葉の下でね。　こんなに遅くまで蝉がいる訳が無いと君はいうだろうが、事実なのだよ。　ひと雨ごとに秋が深まり、やがては冬がまたやって来るのだね。　ひたすら読書に集中した高校1年の秋、ひとり娘の運動会の前日に不安げに見上げた秋空、学芸会でたったひと言の科白(せりふ)を言った孫の横顔に射していた秋の日差し……　これは今生の記憶なのか？　それとも前世のものか？

2009.10.17

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人間世界では完全主義者は生き残れない

[人間世界では完全主義者は生き残れない]　ここは人間世界だから、完全主義者は生き残れないのだよ。　何故、100%正しい必要が有る？　96%でも、63%でも、39%でもいいじゃないか？　生れ落ちた時が0%なのだから、死ぬ時に零を上回っていればいいのじゃないか？　100%完全な人、そんな存在を神とか仏とか呼ぶようだが、完全主義はそんな方々に任せておけばよい……　だから、君が完全である必要などこれっぽっちも無いのだよ。　今の自分のままでベストを尽くせば、それが君にとっての完全になるのだからね。　どうだろうか、私の考えは？　古すぎるだろうか？　硬すぎるだろうか？

2009.10.12

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歌うことも笑うことも、確かに体には良いが……

[歌うことも笑うことも、確かに体には良いが……]　歌うことは体に良いから、同僚たちとカラオケに行くのもいいだろう。　笑うことも体に良いから、友たちと居酒屋で酔っ払うのもいいだろう。　歌うことも笑うことも、確かに体には良いが……　だが、自分ひとりになって、自分の心を覆っている皮を、1枚いちまい剥がしていけば、自分の本心とか、自分の生存の意義が知れてくるのではないだろうか？　必ずしも寺院とか教会に行かなくとも、自分の心や自分の中にいる神（のような存在）に出会うことは出来るのだよ……

2009.10.10

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ヴィジョンやミッションを分かりやすく即答せよ

[ヴィジョンやミッションを分かりやすく即答せよ]　「200字以内で感想を述べよ」とか、「1分間で自分の考えを主張せよ」とか、そうした設問とともに学生生活、新社会人生活を送って来た君たちなのに、「5年後のヴィジョンを2分間で、なるべく分かりやすく説明せよ」とか、「あなたのミッションを具体例を3つ以上挙げて、400字詰原稿用紙3枚以内で宣言せよ」という、実人生からの設問に即答できないとは、一体全体どうしたことなのだ？　自分の人生のヴィジョンやミッションを、5歳の子にも分かりやすく即答できなくて、これからを生きていこうとしているなんて、本気でこの人生を生きようとしているとは、決して思われないね、私には。　私はとっても寂しい思いに囚われるね、こんな時々には……

2009.09.30

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自分の正しさを誰に証明しようというのか？

[自分の正しさを誰に証明しようというのか？]　私が独りで生活をする決心をした大きな理由のひとつは、自分の正しさばかりを証明しようとする者どもとは、もう一日たりとも、一緒にいて、同じ空気を吸いたくはないとの思いが私の全身を満たして、溢れ出したからなのだ。　一体全体、自分の正しさを、誰に証明しようというのだろうか？　自分が対面している相手か？　社会に対してか？　まさかとは思うが、ひょっとして神に対してか？

2009.09.23

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独りの時間は至高

[独りの時間は至高]　私のように、世間との繋がりをほぼ完全に断つ必要など無いよ、君のような、極ごく平均的な人間にはね。　ただ、本当に行き詰った時とか、誰を頼っていいのか皆目見当が付かない時には、世間と君との間に少しの隙間を作ってあげることも必要だろうね……　自分の本心が判らなくなったり、自分の本来の使命を忘れてしまった時には、独りでいるがいい……　私の所に遊びに来るがいい……

2009.09.14

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蝉がまだ

[蝉がまだ]　蝉がまだ鳴いているな、9月も半ばだというのに……　晩熟(おくて)なのかね、人間にもそんな輩(やから)が最近は多いようだが……　鴉(からす)はもういい、うんざりって感じだが、蝉はいくら鳴いても鳴いても、この耳に空しく聞こえるのは、この夏限りの命だという付帯事項がその鳴き声に染み付いているからなのだろうかね？　君はどう思うかね、まだ手も付けていない大学の自由課題レポートのネタにしたらどうだい。

2009.09.13

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代替物の人生ではない

[代替物の人生ではない]　Aが欲しかったのにA'しか手に入らなかったと君は言うがね、A'と出会う必然と必要が有ったのだよ君には……　BをしてしまったがB'こそ本当にしたかったと君は言うがね、B'を経験することで成長と未来が約束されたのだよ君には……　それならば、AやBに執着(しゅうじゃく)する君の心や頭や体は、理論的だと言えるのだろうか？　なぁ君……　代替物(だいたいぶつ)と思えるものが実は本物だということが、人生では絶対的な真理なのだね。

2009.09.08

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知覚を疑ってみる

[知覚を疑ってみる]　いま君が目にして知覚していることは、過去の経験や記憶の積み重ねの反映でしかない。この仮定が正しいとすると、君は現実を正しく知覚していないし経験もしていないということになりはしないかな？　困難なことだが、一度、過去の経験や記憶に照らし合わせるという行為を止めて、偏見や先入観なしに、有りのままの現実を有りのままに知覚して有りのままに心に納めるということをしなければ、私たち現代人は、もうどこにもいけないのではないのだろうか？　君、どこに行く！　まだ私の話は終わってはいない……　おい、君……

2009.09.05

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上に行くか下に行くかなんて、大した問題じゃない

[上に行くか下に行くかなんて、大した問題じゃない]　君も世間のみんなと同じで、ところで世間のみんなとはどんな人たちのことだろうか？　君には判るかね、私にはよく判らないのだがね、実際のところ……　君も世間のみんなと同じで、上ばかり見てこれまでの人生を生きて来たのではないかな？　たまには下も見たのだろうが、自分の位置を確認して優越感を得るためだったのだろう？　その君が、下へ下へと堕ちて来て、もう底だろう、いくら何でもここが大底だろうと思ったのに、まだまだ下がある……　上には終りが無いが、下にだって終りなんて無いのだよ。　さぁ、今日からは上を見たり下を見たり右を見たり左を見たり後ろを見たりせずに、ただ目の前を見て今この時を呼吸することだね。　上に行くか下に行くかなんて、大した問題じゃないさ。

2009.08.30

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世知辛い世の中

[世知辛い世の中]冴えない面(つら)をしたサラリーマンたちが、雑誌や新聞をゴミ箱から漁(あさ)るのだそうだ。商売上がったりだと、私の隣人たちが、そのボヤくこと、ボヤくこと・・・世知辛(せちがら)い世の中になってしまったものだね。

2009.08.18

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何歳になっても自然から学ぶべきだ

[何歳になっても自然から学ぶべきだ]　もう70の声を聞こうかというこの私でさえもまだ、ゲリラ豪雨や震度4の地震に驚いているのだよ。　自然から学ぶべきことは、まだまだ無数に残されているのだね。心に心しないとエゴみたいなエコ活動に堕してしまうものとはまた別の話になるのだがね……

2009.08.09

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変わらない奴　変われない奴

[変わらない奴　変われない奴]ねえ、君……三つ子の魂百までとか雀百まで踊り忘れずとか言うけれど、あぁ、今どきはそんな古臭いことは言わないか…　まあいい、物心ついてからの人間には二通りある。死んでも変わらない奴と、死ぬほどの思いをして変わる奴とがね。君はどっちの人間かな？変わらない奴は、辛い人生を送る。変わる奴は、飄々(ひょうひょう)として人生を送る。

2009.08.09

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何処へ行こうが何をしようが生き続けられる

[何処へ行こうが何をしようが生き続けられる]　何処(どこ)へ行こうが何をしようが、生き続けられるじゃないか！　会社を馘首(くび)になろうが、返せないほどの借金を作ろうが、配偶者が犯罪を犯そうが、脳に腫瘍が有ろうが、いい事がなんにもなかろうが、とにかく生き続けることだ。　自らの死を以って償わなければならないことなど、こんなに狭い、こんな田舎のこの世界に、有る訳がないじゃないか……　何処へ行こうが何をしようが、生き続けられるじゃないか！　そうじゃないか、君？

2009.08.05

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そうなんだ、死んでしまったんだよ・・・

[そうなんだ、死んでしまったんだよ・・・]　そうなんだ、あいつが、手洗いした下着を他人の墓石に干していたあいつが、死んでしまったんだよ・・・　随分と長い間、おんなじ場所に住んでいたから、家族に近い気持ちが芽生えていなかったと言えば嘘になるね。まあ、出来の悪い兄貴ってところかね・・・　生きている内に、関係を大事にしておくことだ。　死んでしまえば、何ひとつ一緒にすることが出来なくなってしまうのだからね。　君も、来ればいつだって家族の悪口を言っているが、一緒に住んでいる内に、まだ生きている内に、せいぜい大事にすることだ・・・

2009.07.30

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まだ、98の煩悩が

[まだ、98の煩悩が]　他人(ひと)の思惑や顔色ばかり気にして生きるなんて、どれほど詰まらないことだろうかと思わないのかね、君は？　まあ、ここに住んでいてさえ、近くを通り過ぎる人たちの視線が気になる私ではあるが……（こう見えても、こんな所に住んでいても私は、少しは名の知れた学者であったのだ……）　まだ、98くらいは残っているのだろうな、煩悩が。

2009.07.18

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梅雨も逝ってしまったな

[梅雨も逝ってしまったな・・・]あぁ、梅雨も逝ってしまったな・・・私の人生の一部もまた逝ってしまった。時は飛び去って逝き、人もまた去って逝く。

2009.07.15

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自分にウンザリした時には気を付けなければならない

[自分にウンザリした時には気を付けなければならない]ねえ君、自分にウンザリした時には、本当に気を付けて、良く考えなければいけないよ。本当に自分自身が悪いのだろうか？　と。それとも、他人が悪いのか、自分がいる環境が悪いのか、もっと他にウンザリする理由が有るのかどうか……自分の人生だからといって、良いことも悪いことも全て、自分に原因や責任が有るなどと考える必要など露ほども無いのだよ。そうしないと、人生の幕を閉じる前に、身も心も疲れ切ってしまうことになる。

2009.07.05

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仕事の流行り廃り

[仕事の流行り廃り]　ここのご近所さんたちは何をして生計を立てているかって？　残飯漁(あさり)は最近は流行らない様だね。コンビニのゴミ箱よりは、コンビニ裏のゴミ集積所に掘り出し物が溢れているというのは、この世界の者たちの常識のようだね。　ゴミ箱漁りは、食べ物というよりも、日々の生活で使えそうなものが当たり前のように捨てられているから、そうした生活必需品の収集のためのようだね。　雑誌拾いやダンボール箱拾いは、長時間・長距離労働の割りに実入りが少な過ぎるといつもいつも愚痴っている者たちがおるが、だったら辞めれば良いといつも言い聞かせているね、彼らには。　個室ヴィデオ鑑賞とかサラ金とかの看板を持って、朝から晩まで、照っても降っても、案山子(かかし)のようにしている者たちもおる。足腰の弱い者には到底勤まらないね。　いつかはリストラされて、ここのご近所さんたちのような生活を送るかもしれないと君が恐れを抱いているのなら、ひとつだけアドヴァイスしてあげようか？　スーツ、ネクタイと靴下、革靴は、たとえ3日間食べられない時があっても、決して質屋に売ったりしてはだめだ。　何故か分かるかね？　ここのご近所さんたちの少数の者たちは、公園の水道で体を清めてから身なりを整えて、デパート地下の食品売り場で試食をして、日々食いつないでいる者たちがいる。　有名人の出版記念や受賞記念、政治家の資金集め、企業の何周年記念などといった、ホテルで催されるパーティ会場に潜り込んで、鱈腹(たらふく)呑んで食べる者たちもいる。招待状がないからと断られるのは10回に1回くらいしかないそうだ。加藤君の大学時代のゼミの教授の重森ですなどと騙(かた)ればいいのだそうだ。　千円の香典を包んで、寿司や酒を堪能する兵(つわもの)だって何人かおる。　だから、一張羅(いっちょうら)だけは、どこに行ってどんな生活をするにしても、手放してはならないよ。　いつか社会復帰する時が来たら、また必要になる訳だしね。

2009.06.27

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無理して眠ることなどない

[無理して眠ることなどない]眠れないのなら、無理して眠ることなどないではないか？読書するなり、物思いに耽るなり、瞑想などをすればいいではないか？体が本当に眠りを必要とする時が来たら、意識して寝ようとなどしなくても、自然に眠れるものだ･･････

2009.06.26

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パンツを墓石に干す

[パンツを墓石に干す]信じられるかね君、パンツを墓石に干す輩がおるのだよ！どこに寝ようが構わない。何を食べようが構わない。誰から金を得ようと構わない。でも、でもだ･･････洗濯したパンツを、墓石に干すなんてのは以ての外(もってのほか)だ。そんな輩は、パンツなど穿(は)かずに、空っ尻(からっけつ)で生きて行けば良いのだ。

2009.06.22

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やはり雨は良いものだね

[やはり雨は良いものだね]やはり雨は良いものだね。体だけではなくて、頭の中や心や魂の汚れまで落とすことが出来るからね。ああ、梅雨ももう往ってしまうなぁ･･････

2009.06.21

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愚痴や不平不満を言わずに行動を起こせば良い

[愚痴や不平不満を言わずに行動を起こせば良い]おいおい、君はまた私に愚痴や不平不満を聞かせる為にここに来たのだね？いつも言っているじゃないか･･････愚痴や不平不満を言ったって、解消されるどころか、君の身に澱(おり)として溜(た)まっていくだけなのだよ。そして、早かれ晩(おそ)かれ、君を押し潰す、それも必ず･･････学校や勉強が嫌だったら学校になんて行かなくてもいいのだ。学べるものは、教師の体たらくだけだからね。今の会社が嫌だったら辞めればいいじゃないか。でも、辞めてから後の生活維持の手立てを確認してからだがね、行動を起こすのは。さあ、今は口から言葉を吐く時ではなくて、具体的な行動を起こす時だね。これが君という存在にとっての必然だ。

2009.06.20

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この風なんだよ！

[この風なんだよ！]　この時期には、いわゆる梅雨寒(つゆざむ)と呼ばれるこの時期には鬱陶(うっとう)しく感じられるこの風が、あと半月もすれば、お金には換えられない最高の贈り物だと感じられるということを、人間は、それも毎年経験しているのに、人間は忘れてしまっているのだね･･････　これも、人間が性(さが)として、心して捨てないと捨て切れない、五万とある傲慢さのひとつの形なんだね･･････

2009.06.14

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求めたのは「心の平安」

[求めたのは「心の平安」]税込み2,300万円の年収をフイにするのは惜しくなかったかって？「次期ノーベル賞受賞最有力候補」とか「人間の心に付いて判らないことなど無い学者」という触れ込みや評価を失ったことを後悔してないかって？君たち、良く聞くがいい……君たちはいま大金を持っていないから、お金さえ有れば幸せになれると思っているかも知れない。世間がくれる名誉や評価を得さえすれば、自分は幸せになれると思っているかも知れない。でも、そんな考えは大間違いだし、幻想にしか過ぎない。ごまかしや、気の迷いや、思い込みや、無、でしかない。なぜ私がこんな所にいま住んでいるとお思いだろうか？心の平安こ・こ・ろ・の・へ・い・あ・ん私が死ぬまでに欲しい、たったひとつのものは、これだけだ。

2009.06.07

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いつでも進む道は残されている

[いつでも進む道は残されている]何度も何度も修羅場を乗り越えて、今はこんな所に辿り着いたのだな……そんな場数を踏んだ私に言えることは、こんなことだろうか？八方塞(はっぽうふさがり)に見えても、いつでも進む道は残されている。

2009.06.03

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金を払って成功を教えてもらおうとする魂胆は頂けない

[金を払って成功を教えてもらおうとする魂胆は頂けない]　150万円や200万円もする、成功法則とやらのコースを受講するなんて、正気の沙汰ではないよ、君。　そんな物で成功できるのだったら、巷(ちまた)には成功者が溢れているのじゃないかな？　自分が良いと思う本を買うのにそれだけの金を使って、それらの本を読破した方が、成功を手にする確立が1000倍くらいは高いと確信するがね。　それとも、その金をゆうちょ銀行に貯金するか、割安の株でも買って10年ほど寝かしておけば6倍くらいにはなる筈だよ。　いずれにしても、金を払って成功を教えてもらおうとする魂胆は頂けないね……

2009.05.24

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梅雨を孕んだ雲たち

[梅雨を孕んだ雲たち]今日のように、もう寒くもなく、まだ暑くもない日々は、この老体にとっては本当に楽だね。でも、この雲たちはもう梅雨を孕(はら)んでいるね。君たちは、梅雨を親の仇(かたき)のように言うが、私は割合と好きだね。だって、雨が有るから、陽の光の有難さも一入(ひとしお)なんじゃないのかな……

2009.05.23

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今頃の気候

[今頃の気候]　ここ数日のように、朝晩は少し肌寒くて、日中は汗ばむ位の気候が、初老の身にはいちばん楽だね。　君も、50を過ぎたら、今の私の言葉を思い出すことだろうよ……

2009.05.16

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答は、やはり、自分の中に有る。

[答は、やはり、自分の中に有る。]君はまた来たのか……私は仙人や聖者や覚者などではなくて、ただの落ちぶれた老人なんだよ。君に答を与えることなど出来はしない。でも、これだけは教えられるかな。「答は、やはり、自分の中に有る。」

2009.05.12

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水が生命の源

[水が生命の源]来る日も来る日も、ここの草木たちや動物たちを見ているから、「一気に」とか「いつの間にか」などということは無いだろうと君は言うが、それが違うのだよ……昨日など、本当に、それこそ一気に、という勢いで若葉が一斉に大きく開いたのだよ。梅雨の前に、初夏が訪れたような感じだったな。打って変わって、今日はこの雨だ。梅雨が、俺を忘れるんじゃないぞと威張っているようだね。でも、雨を嫌がるのは、生き物の中では人間だけだね。他の動物たちや植物たちは、日の光をもっとも喜ぶが、それに劣らぬほど雨を歓迎するのだよ。雨、すなわち水が生命の源（いのちのみなもと）だということが、そのDNAに深く刻まれているのだね……

2009.04.25

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心を鎮める豪雨

[心を鎮める豪雨]昨夜の雨はすごかったね。黒澤明の『羅生門』だねあれは……あんなにもの凄く降りしきっている雨音を聞いていると、心は、逆に、鎮まって来たものだったね。過去のしがらみを洗い流して、未来に対する雑念や妄念が浄められたって感じがしたね。人間は、自然の中でしかまっとうには生きられないって、改めて銘じたね。

2009.04.15

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