ザスパ草津 好調の要因は・・・?【MF編】
さて、続いての草津分析はMF編。【サイド攻撃】今年の特徴は、何と言ってもサイド攻撃だ。去年の植木サッカーが島田を中心とした飛車角の動きだとしたら、今年のサッカーは両サイドの縦への香車の動きを全面に押し出している。その中心にいるのは、新加入の廣山だ。右サイドに陣取る彼は、高いテクニックでロングボールも易々とトラップし、サイド攻撃を仕掛ける。個人技での突破もあれば、サイドの高い位置でタメをつくり、味方の上がりを促す。右SDFで復活した佐田とのコンビネーションは、とても新加入とは思えない動きだ。廣山の捌きが佐田の良質なオーバーラップを促し、強固なサイド攻撃を産み出している。頼りになる10番として大車輪の活躍が期待される。廣山とコンビを組むのは熊林。当初玉乃の起用が予想されたが、佐野監督はこのスキルフルなパサーを左サイドに配した。同じく今季復活を果たしたプレイメイカーの櫻田と共に、攻撃に良いリズムをもたらしている。廣山と熊林のイメージの共有が完成したとき、ピッチには燦然たるファンタジーが描き出される。彼らを中盤の底で支えるのが、櫻田、松下。サクは一昨年ブレークしたものの、昨年は著しく精彩を欠き、今年はトリさんの6番を受け継いだ勝負の年だった。持ち味の長短のパス捌きと共に、今年はゴール前に顔を出す積極性と、しつこくボールを追い回すディフェンスの運動量でチームに貢献している。テクニックの高い両サイド、空中戦に抜群の強さを誇る都倉というレシーバーがいるおかげで、松下、櫻田という良質なパサーが恐れる事無く善戦にパスを供給できている。こなきじじいではありません。IMG_0094 posted by (C)もとやん櫻田です。このカルテットの組み合わせを発見した佐野監督に敬意を表したい。熊林をボランチではなく左サイドで使うことで、櫻田の復活など、様々な波及効果を生じさせている。廣山という新しいピースを、熊、松、櫻という慣れ親しんだピースに嵌め込み、チームとしての熟成を損なうことなく、新たなストロングポイントを生み出した名采配ではないだろうか。彼らの控えには玉乃、山崎という実績のある選手が控えているが、草津が夢を見られるポジションに居続ける為には、秋葉、大基、穣という若手の成長が絶対的に必要だと思う。大卒という即戦力的扱いで結果を残せていない秋葉はもちろん、穣の加入で尻に火がついた大基、この2人には死に物狂いで頑張って欲しい。期待したいのは高卒ルーキー、佐藤穣だ。度々このブログでも触れてきたが、彼のポテンシャルは様々な専門家から伝わってくる。いずれ草津を背負う選手になるだろうが、1年目からドンドン出てきて欲しいと思う。運動量を求められる草津のサッカーの心臓部だけに、疲労、怪我など51試合を戦い抜くのはまさにサバイバル。誰を休ませ、誰を使い、誰に経験を積ませるか。佐野采配に注目したい。