ミャーボーのよせばいいのに寄席放浪記#2
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ ミャーボーのよせばいいのに寄席放浪記#2 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 6月24日の日曜日に新宿末広亭下席に友人小峰くんと☆君と行ってきた。 昼席は寄席文字の橘右近13回忌追善興行で寄席文字実演と座談会があった。 ゲストは内海桂子師匠と小沢昭一さん。 大好きな『権太楼師匠』や平成の爆笑王『三遊亭歌之助さん』等素晴らしいメンバーがプログラムに名を連ねている。 しかし何と言っても今日の一番のお目当ては夜席主任の『柳家小三治師匠』である。 僕たちというか・・・・僕が貧乏性のため寄席が入れ替えがないことを好いことに小峰くんと☆君と行くときは必ず、正午前の前座話から夜の部終了9時過ぎまで通しで落語浸けをお二人に強要する。 この日も11時前に集合して、吉野家の『牛丼弁当』とお茶を購入して、末広亭に向かうが・・・・末広の前には長蛇の列! (それにしても僕の日記には良く牛丼が出てくる。昨日、僕のお食事の記録を見るとこの一ヶ月に11回牛丼を食していた。一ヶ月あたりの牛丼率は0.366でイチロウの打率を上回っている。なんとかこの率を松井の打率くらいに下げたいというのが、目下のところ、僕の切ない願いなのである) 恐るべし『柳家小三治師匠』人気!やっぱさあ・・・・・現在の現役の噺家の飛車角は『立川談志師匠』と『柳家小三治師匠』だからね。 正面最前列かぶりつきを狙っていた僕たちは、その見通しの甘さを反省しつつ200人くらいの最後部に並んだ。 しかしですね。木戸の前の張り紙に『柳家小三治』→『柳家権太楼』代演のお知らせ!さらにもう一人のお目当て『三遊亭歌之助』も代演。その張り紙を 小峰くんと☆君に知らせると、前に並んでいた初老の御夫人が「ええっ!がっかり!」と激しく反応なさった。『柳家権太楼師匠』の代演にがっかりなさるなんて贅沢な話だ。 なるべく近くでと角度は悪いが、桟敷席前方に席を取る。桟敷席は畳敷きで靴下を脱いであがる。席を取ったはいいが、ミャーボーはこの日、穴の空いた靴下を着用していたことを忘れていた。とても恥ずかしい。小学校の時、身体検査があることを忘れて、母に新しいサルマタを用意してもらえず、ツギのあたったサルマタを穿いていってしまった記憶が蘇ってきた。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 昼席で面白かったのは『三遊亭歌之助さん』の代演の鈴々舎馬櫻さんの『マキシム.ド飲兵衛』 北千住の流行らない居酒屋の爺婆がいます。婆が孫娘に『マキシム・ド・パリ』に連れて行かれ、その完全予約制などのシステムなどを、北千住の流行らない安居酒屋に取り入れる爆笑落語でした。 確か三遊亭白鳥さんも『マキシム.ド飲兵衛』をやったことがあるような記憶がありますが、このお話は誰が作ったものなのでしょうか? 『柳家権太楼師匠』は『代書屋』を熱演。権太楼師匠が高座に出て来ただけで、含み笑いがこみ上げてくる。 お中入りの休憩のとき、小峰君と僕は喫煙室に行き一服.席に戻るとケツのでかいババアが僕の席と前の方の席の中間にどっかりと座り込んでいた。 場内で座布団の数以上に桟敷にあがらないように注意していた。にもかかわらずこのババアはちょっとでも隙間があると割り込んでくる。前の席の人が帰ったのかと思って「へんな場所にすわってないで、もっと前に座ってください」と僕はババアに注意した。「前には人がいる」とババア。「この狭い隙間に割りこんでくるのか!」という言葉を飲み込んだ。おかげで昼席後半は窮屈でとても居心地が悪かった。 ☆君の話では、このババアは夫婦で来ていて、だんなが「やめろと」と咎めるのにもめげずに「逆に旦那に、ここに隙間があるから、あんたもこっち来て座れ」と誘っていたそうである。 さすがに旦那の方は、ずっと桟敷の後ろで立って見物していた。 こういう図々しい御夫人がいるから、綾小路君麻呂のギャグが生まれるのか?! 恐るべきおばさんパワーでした。 『寄席文字実演と座談会』では客席からのリクエストで色紙にその場で、文字を書き リクエストしたお客にプレゼント。中には粋な方がいて色紙を頂くとき、おひねりというのかしら?カンパではないし、お布施でもないし・・・ とにかく色紙を頂くとき半紙に包んだお金を差し上げていた。 『座談会』のゲストは内海桂子師匠と小沢昭一さん。大衆演芸の生き字引=小沢昭一さんは雑誌の写真でお顔を拝見したこととラジオでお声をお聞きしたことはあるが 生のお姿を拝見して感激ひとしおでありました。 昼の部主任は『三遊亭円歌師匠』(むかしの歌奴さんね)の『中沢家の人々』。面白いものは何度聞いても面白いなあ!とあらためて思いました。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 夜の部は入れ替えで帰ったお客のイス席3つ(正面3列目)確保して、やっと楽な姿勢で聞くことができるようになった。 『三遊亭円丈師匠』のお着物の紋のところに、ローリングストーンズのベロマークのワッペン!正調の古典落語が好きな☆君は円丈師匠にあざとさを感じるようですが、 『ぺたりこん』以来のファンである僕は、ローリングストーンズのベロマークのワッペン!の紋だけでも大喜び! 前回は居眠りをしてしまった『入船亭扇橋師匠』は『東京の博覧会で一等賞をとりそこなった玄米パンのほやほや♪』という枕のトボケた味わいに引き込まれ、今回は最後迄聞きました。 色物では今日の『笑組』の漫才は思いの他面白く、収穫であった。 『川柳川柳師匠』落語協会分裂騒動のころのお話や当時流行のラテンも唄える噺家として売れてしまったため、師匠『圓生』に真打ちになるのを大幅に遅らされた話。 ただのお茶のみ話のようでもあるが、もうこのくらいのお年の芸人さんからこういう証言を聞くことができることが尊いと思えます。 川柳師匠はなんとソンブレラを被ってギターを弾きながらラテンの曲を熱唱! 川柳師匠お若い! 夜の部主任は代演で『柳家権太楼師匠』は『ざる碁』たっぷりと聞かせてくださった。 まだ寄席初心者の僕が『柳家権太楼師匠』のお話を聞いたのは6回目ですが、全部演目がちがっていました。素晴らしいレパートリーの広さ!寄席に行くと噺家さんが「また同じ噺をやっているというという場面に遭遇することが多いが、『柳家権太楼師匠』は裏切らない!『ざる碁』のできばえは人間国宝『柳家小さん師匠』に肉薄していると思う。現役落語家の飛車角に迫るのは『柳家権太楼師匠』だと僕は思います。 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 寄席のあと、新宿の安い中華居酒屋『石の家』で飲み会。 ここのお支払いで財布の中が電車賃+αとなり、飲み足りないミャーボー、小峰君に缶酎ハイ購入のため1000円借りる。小峰