祖国愛と「愛国心」は、どこがどう違う?
表記のタイトルで、8/19に集いがありました。はじめに、上原良司という穂高出身の特攻隊員について、松商学園放送部の生徒たちがつくったビデオを見ました。彼は、慶応大学在学中に学徒動員されたのですが、イタリアの哲学者クローチェに傾倒していたようで、人間の本性である自由を滅ぼすことはできないということと、イタリア・ドイツの敗戦を知り、権力主義的な国家は土台を失った建築物のように滅亡するしかないことを特攻前夜に書き上げた所感で述べていました。そして、軍隊という組織が、人間の自由を奪い、器械としてしまうものであることも表現していましたし、真に日本を愛するものによって国が立っていたなら、現在のような全体主義的な雰囲気と戦争という道に追い込まれなかっただろうとも叙述されていました。そして、特攻という悲惨な状況に追い込まれながらも、自由を愛し、人間の自由を生かす国づくりこそが偉大な国を生み出すのだ、という思想を垣間見ました。祖国愛とは自由な精神に基づくものであり、批判精神を伴うものだと思いました。 次に東京都における日の丸・君が代の強制していく現場の信じがたい状況が語られ、その後、松本の鈴蘭幼稚園の園長でもある西村忠彦さんのお話がありました。戦争について歴史について考える本として、井上ひさし『子どもにつたえる日本国憲法』、『おじいちゃん』(神津良子 文/北野美子絵)、『かわいそうなぞう』、『世界史のパサージュ』が紹介されました。 18日のNHKテレビ、視点・論点「シリーズ 文学にみる戦争」(5)で鎌田實さんが紹介されていた『バスラの図書館員』(ジャネット・ウィンター絵と文 長田弘訳),『せかいでいちばんつよい国』(デビッド・マッキー作、なかがわちひろ訳)を思い出しながら、武力に頼らない平和の尊さについて、分り易い図書に興味を惹かれました。