水気の本質-3
水気の本質-3 前回は「水」の氷結の話しでしたが、今回は逆に「水」の蒸発、つまり「気体化」について考えて見ます。 みなさんもご存じのように、「水」が「液体」から「気体」に変わる沸点は摂氏100度です、しかし「水」を除く他の「水素化合物」は現在約20数種類確認されていますが、フッ化水素の摂氏19.5度を除くと全てが摂氏0度以下で沸騰します。 なんと、メタンなどは摂氏マイナス183度です。 つまり、地球環境では「水」と「フッ化水素」以外の「水素化合物」は全て気体で存在すると言うことです。 この沸点の化学的な非常識な高さが実は地球に「水」を貯めておけた理由の一つなのです。 もし、「水」が他の「水素化合物」のように摂氏0度以下で「気体」に変わる性質であったらどうでしょうか? どのような理由で地球に「水」が生成されようと、一瞬にして気体となり液体で留まることなく他の惑星のようにカラカラの星となっていたでしょう。 100歩譲って摂氏50度としましょう、この場合何とか地球に「水」を留めておくのに成功しても生命体全てが存在できません。 人間も含めて地球に生存する生命体の約60%が水分で出来ています、勿論血液や細胞などを含めてです、これが摂氏50度で「気体」に変わるとしたら夏場の太陽に照らされ表面温度は摂氏50度を超えます、もうお分かりですよね。 生命体が誕生し、そして進化を経ながら生存できている、これに大きくこの「水」の化学的視野での特異性が関与しているのです。 そしてこれは極めて化学的に非常識であり神秘の力が「水」の性質をそのように「予め決めた」としか言い様がありません。 もう一つおまけにお話しますと、「水」は更に他の「水素化合物」に比べると倍以上の「比熱」性を持っています。 これは温度を留めておく程度の比率を言うのですが、つまり「比熱」性が高いと言うことは冷めにくく温まりにくいということです。 つまり、生命体の60%が水分であることから、この「比熱」性の高さが外気温の急速な変化にも対応し身体(生命)を守っていると言えます。 粘度との兼ね合いで見ますと、もっともサラサラした液体で最も「比熱」が高い液体、これが「水」なのです。 ついでに、今回の「水」を追いかけていて「私の疑問が解けた」という話を。 海水は河口付近など塩分濃度によって氷る温度が異なりますが、海底など安定した濃度の場合は摂氏マイナス15度程度です、そして沸点が100度ですね。 地球上に生存する人間も含めた恒温動物(外気温に関係なく一定の温度を保てる動物)の体温は通常何度ですか? 実は私はこれが今まで非常に疑問でした、「何故体温は37度なの?」って、そして「水」の特性から確信したのです。 地球上に生存する哺乳類を代表とする「恒温動物」の通常体温は海水が氷る温度と、海水(「水」)が沸騰する温度のちょうど中間点である、ということを。