【この空は生まれたての青】

[オトナ道〜四方山] カテゴリの記事

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• 【そぞろ神のゆうわく】

  12月に入って急に冬らしくなったなぁ、など呟きながら午前中は真冬のような寒さにふるえた。あれこれひと段落し、すっかり暮れた頃に地上に出ると夜の闇はぬるい空気に満たされていた。たった半日の間にいくつ季節が戻ってしまったのか…。このぬるい風は、カラダを覆う皮膚細胞のすべてが記憶している。肌馴染みのいいこの風を頬に感じると、居ても立ってもいれなくなる。今も昔も変わらず、夏の夜虫のように都会の灯りめざして飛び立ちたくなってしまうんだ。『そぞろ神の物につきて心をくるはせ…』（奥の細道）青山学院の脇を抜け、六本木通り近くにそのバーはあった。深夜まで飲んで発散させることが、翌日の仕事の活力になっていた頃だ。店へ続く並木道を、気持ちを高揚させながら歩いた。ぬるい風の吹く初夏の頃には、街路樹が樹液を発散させ、あたりはいい香りに満たされていた。重いドアを開け、定位置にすわるとTanquerayの緑のボトルと、トニックウォーターにライムが運ばれてきた。「おつかれ。食べる？」「うん。ぺこぺこ…」なんて最小限の会話で済むほど、その店で過ごす時間は日常に組み込まれていた。…時が流れれば、街も人も変わる。今、その店はオーナーも変わって、すっかり様変わりしてしまったようだ。今夜のようなぬるい風が誘うと、育った水にもどりたくなったりもするけど、もうあの街路樹の通りを歩くことはないだろうな。

  2011年12月03日

• 【夕暮れはすみれ色】

  飛行機の窓から見える景色の映像を眺めていると大切な忘れものを思い出したようでさみしくなった。旅立ちの日はいつでもときめく。そして、いつでも不安だ。なにか大切なものを置き去りにしてはいないかと振り返る一瞬がある。飛行機の窓。窓のこちらから見つめるまなざし。過ぎた時を振り返る一瞬。No tears.No fears.Remember there's always tomorrowSo what if we have to part We'll be together again

  2011年11月04日

• 【風の吹くまま】

  窓をあけると、ぬるくて心地いい風が吹いていた。どこかに出かけたくなる気持ちいい風だ。煩わしい暑さをまとって奔走した日々はたったひとつ前の季節なのにはるか彼方の記憶をたぐり寄せるようだ。濃厚な緑のにおいをあたりに発散していた木々も葉の色を変えさみしい佇まいに変わりつつある。さあ、どこへ行こう。風の吹くまま、こぎ出すには情熱が足りないから。夕暮れはシャツ1枚では頼りないから。Tossed between the sky and sea, we'll sail until we find the harbor lights. （Blue In Green）

  2011年10月15日

• 【宇宙のゆりかご】

  夜空を見上げた。雲ひとつない空。輝く月がそこにあった。差し向かい。ごまかしようのない会話。遮るものがないっていうのは、すこし照れくさいものかもしれないな。スーツにネクタイのまま校庭のど真ん中に仰向けて冬の大三角を示す教授。プロキオン、シリウス、ペテルギウス。無心に見つめる。夜空のきらめきを追う。星空は大人に魔法をかける。遠い過去の時間軸に想いを馳せる。眠れるがごと覚めたるがごと暫しとどまり、眠れるがごと覚めたるがごと我ら去りゆく。…なんて大きなゆりかごだろう。

  2011年10月08日

• 【半酔半夢な人生】

  足もとがふらふらするし、頭痛がするし、ついに熱中症か？と思ったら、夏風邪だった。おどろくほどの高熱に体がぎしぎしとひずんだ。5日経って、いよいよ諦めて病院へ行った。しかし、少し食べては眠くなる、薬を飲んでは眠くなる…と、常に半醒半睡状態。カラダが眠りを欲しているんだろうけど…それに逆らおうとする自分がいる。いつからだろう。2時間をスクリーンの前で過ごすことに抵抗を感じ始めたのは。テレビのひと番組を、ただ見入るだけに抵抗を感じ始めたのは。何か行動してないと気持ちが落ちつかなくなったのは。与えられるままに過ぎていく時が、惜しく感じてしょうがない。これこそ病気だなぁ。と、独りつぶやく。海へ出て、砂浜に寝ころんで、じっとしていたっていいじゃないか。世界の果ての果ての広い世界に想いを馳せてもいいじゃないか。玉の汗をひたいに浮かべて、さやえんどうみたいな蟷螂の体にじっと見入ったっていいじゃないか。夕暮れのうつりゆく雲の形をぼんやり眺めたっていいじゃないか。…そう思うんだけどね。

  2011年09月17日

• 【白い纏足】

  たいせつなのは、じぶんのしたいことを知っていることだ。どこへ行って、なにをしたいのか、だれに会いたいのか。倒れていたクルミの木の皮を剥いで、丸いボールを編んでくれたフランクリンが、そんなことを言ってたっけ。フランクリンは、そのボールを膝で蹴って、「なんでも、ナイフ一丁で作ることができるんだ」と片目をつむってみせた。……フランクリンの作ってくれたモカシンのおかげで、旅をしていて、一度だって足が痛くなったことはない。コッペパンみたいに不恰好だけれど、それは足のかたちをなぞっているからだ。フランクリンのお母さんが石膏で足型をとってくれながら、これがあなたの足、あなたの足を愛しなさい、と諭してくれたものだ。ほんとうにじぶんが必要としているものに出会うまでに、なんてたくさんの遠回りをしたことやら。じぶんの足とは関係のない、お洒落な靴を、いったい何足はいてきたことか。探していたのは、ほかのどれでもない、じぶんの足のかたちの不恰好な靴だったなんて。佐伯誠／『足まかせ風まかせの旅をすることについて』より抜粋……この夏。特別な日のために、と白いサンダルを買った。すこしヒールが高すぎるかなと思ったけど、すこし甲がせまいかなと思ったけど、緊張すると足もとがふわふわしちゃうから地面に縛りつけるくらいの感覚がいいんだと、デザインで即決した。でも買ったばかりの白のサンダル。その時のままクローゼットの中で眠ってる。

  2011年08月04日

• 【あなたにほめられたくて】

  昨今『ほめて育てる』という言葉をよく耳にする。なるほど、と思う。「だれかに褒められたい」という欲求は、この世に生を受けたと同時に生まれる自然のものだ。幼いうち、その対象の多くは母親であろう。「よくできたね」「これでいいのよ」そんな言葉をかけて欲しくて褒めて欲しいという想いが成長する、前に向くパワーになっていくのだろう。生きるお手本にしていた人がひとり、またひとりと旅立っていく度に思う。先をゆく人は確実に先に老いてこの世を先に去ろうとする。だから、急がないと、はやく形に残さないと。あなたに褒めてもらうために。って。

  2011年07月12日

• 【無患子】

  知人が北の丸の散歩で拾ったという無患子（むくろじ）をくださった。拾ったものを？と思われる方もいるかもしれないが北の丸のすべての植物は、手折ってはいけない事になっている。都心ではなかなか見られなくなった貴重な自然の落とし物を巡り会えた人はハンカチに包んで大切に持ち帰るのだ。実の中にある黒い種は羽根つきの羽の黒い部分になるのだとか。少々べたつきのある実の部分は石けんに使われたそうだ。同色のワイン色のリボンをかけてくださった。こういう何気ない心遣いがなにより嬉しい。形もおもしろいし、その名の通り縁起ものなので、ひとつ絵に描いて残しておこうと思った。なかなかこう思える贈り物に出会えることはない。

  2011年06月27日

• 【砂時計】

  幼いころ、砂時計をながめてた。薄いガラスの曲線の中、きめの細かい砂が落ちてゆく。たったそれだけの事なのに。あきることなく、ながめてた。砂時計、金魚鉢、風にゆれるカーテンの裾、サヤエンドウのような蟷螂、地面の小さな穴…。ぼんやり夢でもみるようになにかをながめる。そんな時間を過ごすのがすきだった。そしてそんな時間が永遠に続くと思ってた。さらさらさら…月日は流れた。少女のころの記憶は遥かで、自分でないようにすら思える。訪れる日々を大切にできることを、できるだけやっているつもりなのに時間が手から滑り落ちていくようだ。残り少なくなると驚く速さでさーっとなくなってしまう。砂時計のようだな、と思う。さらさらさら…あとどれだけ残されているのかは分からない。私は、いったいいつまで生きるつもりなんだろう。いつか突然来るだろうその時までにしておかなくてはいけない事って、なんだろう。きっと、それが分からないから今をめいっぱい生きているんだ。

  2011年05月23日

• 【三月の雨】

  A stick, a stone.It's the end of the road.It's the rest of the stumpIt's a little alone.It's a loss, it's a find.It is life, it's the sun.It is night, it is death.It's a hunch, it's a hopeAnd the riverbank talks of the waters of March.It's the promise of life in you.It's the joy in your heart.（Waters Of March より）明日から新年度。The new fiscal year 2011！はりきっていこう！

  2011年03月31日

• 【ぎらぎらはもう要らない】

  休日に家電量販店に出かけた。いつもの脳みそを揺さぶるような騒音もなくぎらぎらと脳裏に刻みつけるムダな光源もなく静かで、非常にいい環境だった。いつもは商品のPR合戦で煩すぎて…アドレナリン放出され過ぎて疲れるから足を運ぶのを最小限にしているが、先日は人も少なく、ゆったり買い物を楽しめる空間があった。その後、しばらくぶりに街を少し歩いた。有楽町という街でありながら節電のためどのビルも照明を控えめにしてて、怪し気な東南アジアのショッピングモールのようだった。しかし、あの光量で十分だ。普段は電気使い過ぎのまぶし過ぎ。まさに、光害だと思う。東京という街が、どれだけムダに贅沢に電気を使っていたのかとあらためて気付かされた。レストランも照明を少し抑えめにしてたようで、昼間っからむーでぃな感じ（笑）食材の判別のつきにくいアジア料理だったから『闇鍋』などいう言葉を思い出しひとり笑ってた。間接照明のような、ちょっと薄暗いくらいでちょうどいい。女性はたぶん2割増できれいに見えるしね（笑）それにほの暗い程度の明るさに、人間はほっと和み落ちつくのだろう。出かけた時に必ずあらわれる、疲労が感じられなかった。計画節電は夏まで続くと聞いた。その期間が終わっても、このまましっとり落ちついた大人の街であって欲しいな。東京の街はギラギラを卒業して、次世代の照明プランを考えてみてはどうだろう？

  2011年03月23日

• 【桜のランチ】

  テラスで放ったらかしたままのゼラニウムの先端のあざやかな緑に春はもう訪れているのだと気付いた。もうすぐ新年度だ。私のボランティア団体は組織形態も改めたし、活動も新しく増えたし、春だし、桜の季節だし、桜の名所の千鳥が淵も近所だし、と、いろいろかこつけて盛大にランチを楽しもうという話になった。さすがにお濠沿いの気の利いたレストランは特別メニューでとっくに予約が埋まっているし、ごく一般的な店ではその時期予約をしぶる。そりゃそうだ。靖国神社から千鳥が淵に続く歩道橋は一歩も前に進めないほど人でぎゅうぎゅう詰めになるほどなんだもの。ランチ難民をどれだけ回転させて受入れるかの勝負時だ。というワケで、この時期に至ってしまっては一軒ずつ交渉して回るしかないかも、と悩みながら「皆さまどこかご存知だったらお願いします」と声かけしてみた。すると即日、場所が確保できたとの報告。人の力ってすごいなー。とにかく、これで桜の時期に盛大なランチパーティが実現する。あとは、ほがらかに晴れることを祈るだけね。

  2011年03月09日

• 【胡蝶の夢】

  　一夕復一朝　（一夕復た一朝　顔色改平常　（顔色平常を改め　精神自損消　（精神自ら損消す　胸中懷湯火　（胸中湯火を懷き　變化故相招　（變化故に相ひ招く　萬事無窮極　（萬事窮極無く　知謀苦不饒　（知謀饒（おほ）からざるに苦しむ　但恐須臾間　（但だ恐る須臾の間に　魂氣隨風飄　（魂氣の風に隨って飄るを　終身履薄冰　（終身薄冰を履む　誰知我心焦　（誰我が心の焦（あせ）るを知らん　（阮籍）【訳文】一日また一夕、一夕また一朝と、容顔は衰え、精神は消耗していく。胸中に火のように熱い思いを抱いているから、このような変化を招くのだ。万事は窮まりなく、智謀の足りないことが苦しい。恐るべきはあっという間に、死んで魂が風に吹かれてしまうことだ。一生薄氷を踏むような、自分の心の焦りをわかってくれるものは誰もいない。…2010年。胡蝶の夢を見ている心地のうちに終わってしまった。来年も夢の続きを紡ぐことになるんだろうなぁ。どうせ夢ならば、いまより少し高みをめざして舞ってみよう。佳い年を。

  2010年12月31日

• 【あたらしいスタート】

  なにか変わるかな？と、思い切って一歩ふみだしてみた。こころはどう動くかな？自分でコントロールできなくなったらどうしよう？と、不安だったけど、踏み出してみた。ちょっと胸を張って強気で切り出してみた。感動を忘れてしまった心はどこに向かうかな？『冒険』。…冒険にはかならず犠牲が伴うのかもしれない。これまで頑なに守り続けていた大事なものが一瞬にして風の彼方に消えてしまったそんな気もした。『卒業』。そう。どんなものでも卒業しなきゃいけない時がある。いつまでも、いつまでも、ひとところに留まるなんてあり得ない。どんなに居心地がよくても、いつまでもひとつの場所にしがみついているワケにはいかない。人は次の目標を見つめなきゃいけない。さみしいけど、ひとつ終わりにして明日はThe first day of the 2010 fiscal year。まじめに自分の目標にむかって生きていきたい、そう思った。

  2010年03月31日

• 【そらを見上げよう】

  今夜はすばらしい満月。宇宙から見たfull moon by Astro_Soichiこの"Silver" moon、真央ちゃんにあげたいなぁ～。終わってみればあっという間のthe Vancouver Olympic Games でした。。。みんな、がんばったね。。。

  2010年02月28日

• 【いくつからおばさん？】

  いくつから「おばさん」になるんだろー？と、ふと考えた。一般に子どもたちは、誰かのお母さんであれば「おねえさん」でなく、「おばさん」と認識するようだ。でも、50歳くらいの人を見れば、やっぱり「おばさん」だろうし、70歳くらいの人を見れば、やっぱり「おばあちゃん」だろう。うーん。人はいつから「おばさん」になるんだろう。で、いつから「おばあちゃん」になるんだろう？万世橋に寄った帰り、本屋にいく用事があって、JRにはのらずに昌平橋を渡った。江戸の昔はこのあたり一面草ぼうぼうで、追いはぎが出たとか言う。なるほどね～。平日の昼間は人通りも少なくて、魂をしっかりつかまえてないと、そんな時代にトリップしそう。そこの角からほっかぶりしたコワイ男衆が出てきそうな…。な～んて考えていると、向かう方角、交差点に70度に腰の曲がったおばあさんがいた。両手の大きな荷物を植え込みに置いて、なにやらごそごそしてる。狐？いやいや。そんな、まさか。……意識を現実にもどして、「どうしました？大丈夫ですか？」声をかけてみた。おばあさんは恥ずかしそうに笑って「いえいえ。人に会うときは補聴器をつけているんですけど、こういう町中だとうるさくて仕方ないので、外すようにしてるんです。今日は外すのを忘れたものですから…うふふふふ」ごそごそしてたのは、補聴器を外そうとしていたのだ。「お荷物、お持ちしますよ」「いえいえ。そんな。重いものを持つのは慣れているんですよ。お嫁に行った先がすぐそこの神保町の本屋でしてね。本って重いでしょ。いつも本を運んだりしてたものですから、こんなに腰が曲がっちゃって……おほほほほ」頬を赤らめて話す横顔には、乙女の恥じらいがあった。しかし補聴器を外したためか、わたしの言葉が聞き取れないのだろう。おばあさんは次の交差点までずっと話し続けた。わたしはただ聞き役に回っていた。年配の人とお話をするたびに、つくづく思う。腰は曲がっても、耳は遠くなっても、顔にどんなにシワが刻まれようと、人間が変わるわけじゃない。おばあちゃんだって、生まれて初めておばあちゃんを経験してるんだもの。おばあちゃんとして初めて出会う多くの出来事もあるだろうし、その都度ココロはふるえるだろう。困ったナ、恥ずかしいナ、と思うことも、いっぱいあると思うんだ。それを隠す必要なんてない。「もう、おばさんなのに～」「おばあちゃんなのに！」な～んて人は好き勝手に言う事もあるだろう。だからと言って、おばさんぶってみる。おばあちゃんぶってみる。そんな必要ないと思う。妙に年相応にしようとせず、その時々で自分が等身大でいたいな、とわたしは思うんだ。

  2010年01月29日

• 【人の縁って…】

  不思議だなぁって思う。昨日までは知らなかった人が『ハジメマシテ』で顔見知りになり話をして、気が合ったり、同じ趣味を共有できたり、その人の信念にココロ動かされたり、その人の夢見る未来を垣間見ることができたり……あれ？この人…「いつから私の人生に関わるようになったんだろう」って、よく思うことがある。もちろんお互いに一生かかわりあうのはレアなことだけど人生のその時、その時で、出会った誰かと、とても大切な時間を刻んでいるなぁ、このひとつひとつの記憶が人生の宝物になるのかなぁ、と思ったりするんだ。人生が幕をひくわずかな瞬間に刻むのも、きっと出会った人たちの顔なんだろうな、ってね。

  2008年09月30日

• 【その背中に…】

  銀座、有楽町。このところの再開発で、訪れる人が増えた。オシャレなファッションビルが立ち並び、少し若い年齢層も多く見かけるようになった。有楽町駅前は平日もオシャレを楽しむ女性たちで賑わっている。そのほとんどが、ブランドバッグを抱え、ヒ－ルのある靴をカツカツ音を立てて闊歩している。子ども連れであっても、母親は皆オシャレだ。ハンパ丈パンツで足首を出して、足元はサンダルでもペディキュアがキラキラ輝いている。ブランドバッグをナナメにかけて、マクラーレンのベビーカーを押している。そんな有楽町駅のエレベーターを上がっていると、前に同じブルーの作業着を来た4、5人の団体がいた。地下鉄のメンテナンス要員か、、、？私の目の前にいたのは白髪頭で背中が幾分丸くなった男性。たぶん60代後半か、70代か、、、。作業バッグ（ズタ袋）をナナメにかけてる。その作業着の背中にはかぎ裂きの後が２ケ所。それを丁寧に裏から当て布をして、縫い付けている。作業着は着古して灰色がかっているが、当て布は明るいブルーで目を引く、、、。しかも同色の糸が無かったのか、白糸で縫い付けてあった。それも3ミリの等間隔できちんと縫い付けてある。きっとこの作業をした人は、几帳面な人なんだろう、と思った。その背中を見ていると、とても大事な何かを思い出した。だけど改札を抜けた瞬間、それが何だったのか掴み損なった事に気付いた。

  2008年06月27日

• 【めでたいしるし】

  ミレニアムと騒いでいたのを先頃のように感じながらも2006年のスタートです。平成元年生まれの子は17才に。2000年生まれの子は6才になる年。戌年は、犬が笑う。というけれどあなたにとって、良い１年となりますかしら。初春の吉凶禍福占い。初詣で、おみくじ引いてみました？昨年いいことが無かった人もいいこといっぱい夢のような日々を過ごした人もさらに飛躍の一年でありますように。『禍福は糾える縄の如し』長い人生、災いが福となったり、福が災いとなったり縄を寄り合わせたように転変するもの。明日、何が起きるか。目覚めてみなきゃ、分からない。おっと、茶柱が立っている？瑞祥、ですな。今年も平穏に過ごせますように。「今年もよろしくね」

  2006年01月06日

• 【運気上昇タイプ】

  『不安な感じがたまらない。ぞくぞくしますね。』　と、開幕に向けてイチロー。『こんな大役を果たせるか、武者震いがしています』　と、鈴木京香。プレッシャーを逆手に取れて楽しめるなんて…運気に勢いのある人はセリフも違うね。

  2005年03月03日

• 【カレンダー職人】

  12月になると、カレンダーや手帳の売り場が賑やかになるね。銀座のITO-YAなんて、この時期すごい賑わい。世の中デフレで物価が下がって、カレンダーだって100円で買えるようになったけど、いい物を見ると欲しくなるのが、人の性。『リフォームしたり、新しい家具を買う余裕はないけど、　せめてカレンダーくらいは、ステキなものを買おう！』と思うものらしい。ITO-YAなどで扱っているカレンダーの平均価格って、いくらくらいなんだろう？　2,000円くらいかな？カレンダーで、手軽に部屋の模様替えが楽しめるわよね。ワタシはグラフィックデザイナー。依頼があればカレンダーも作る。でも、たいていは企業や商品のPRカレンダーで、販売用のカレンダーを作ったことはない。知人に販売用のカレンダーを専門にデザインしている人がいた。その人は、明けても暮れてもカレンダーをデザインしていた。ワタシたち広告に携わるデザイナーは、仕事のサイクルが早いのがメリットだ。いろんな業種、いろんな商品、いろんな媒体の仕事をする。毎日、日替わりメニューなので、飽きない。それが、楽しい。デザイナーは、ほとんどがそんな人種だと思っていた。だから、『カレンダーだけなんて、そんなの、つまらない』って、若い頃のワタシは思っていた。が、世の中には、カレンダーだけ、百科事典だけをやるデザイナーだっているのだ。その知人は一年の半分、カレンダーデザインだけを制作し、残りの半年は趣味に費やして暮らしていた。今、考えれば…悪くない人生だ。半年間、アリのように働き、残りの半年間はキリギリスのように歌って暮らすのだ。日替わりメニューを選んだワタシは…1年365日、24時間、ひたすらアリのように働いてきた。人生、いろいろ。どの道がいちばん良かったか、なんて死ぬまで分からないね。

  2004年12月09日

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