【強い背骨】
『尊敬すること』『思いやること』『責任をもつこと』マンハッタンに暮らす瀧川宏子さんのコラム“Respectということ”。それによると、小学校の各クラスに標語があり、クラス担任によってバリエーションがあるものの、『Respect,caring and responsibility』の3つは必ず入っているらしい。『尊敬すること、思いやること、責任をもつこと』だ。――――――――――――――――――――――――日本の小学校。黒板に記される標語の多くは『廊下を走らない』『給食を残さない』『忘れ物をしない』等々…では、なかっただろうか?『尊敬をもって人に接しましょう』なんて書く先生は、田舎育ちの私の知る限りでは、いなかった。――――――――――――――――――――――――日本人は波風立てぬよう、主張を控えることが多い。良く言えば“協調性がある”…だ。しかし言葉にしない主張は、どこにも届かない。だから、もっと言いたいことを言える社会に変っていくといいな、と思う。ただ、自己を主張するとき、忘れてはいけないコトがある。それが『責任をもって発言すること』 と『相手を思いやること』と『相手の尊厳を傷つけないこと』だ。それらが欠けた場合、主張ではなく、ただの勝手な言い分(我が儘)になる。――――――――――――――――――――――――少子化時代になり、『子どもたちに、どう接すればいいのか、分からない』というオトナが多くなった。方向性を見失った日本の福祉と教育。マニュアルにしばられた学校の先生たちは、“子どもたちを、どこへ、どう導いていいのか”分からずに悩む人も多くいるだろう。すべてのオトナたちへ。忘れずにいて欲しい。人と人との関わりで、何がいちばん大切なのか、を。『尊敬すること、思いやること、責任をもつこと』を。次世代が、そんなしっかりと強い背骨をもってくれたなら、きっと未来に成熟した社会を造り出してくれるだろう。