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カテゴリ:読後感
朝の連ドラが好きである。
毎朝、アホのように見てから出勤。 もちろんBSのほう。 変態の癖に小市民な朝を過ごしているサド那智でした。 さて、いまの連ドラ「風のあすか」は由布院が主要な舞台の一つである。 そんな訳で興味を持って読んだのが本書 「由布院の小さな奇跡」木谷文広 新潮新書 小さな町の小さな闘争、小さな勝利・・・そして敗北の予兆と小さな希望を描いた快作です。 基本ラインは別府温泉の付け足しのような存在だった由布院温泉がいかに自立した観光地として生き残ってきたか、と言う苦闘の歴史を追ったもの。人を中心に描いたのは正解だったと思う。 有名(行ってみたい温泉地で常にトップを争っている)になったがゆえに由布院独自の良さが消えかかっていると言うのも皮肉な感じで良い。 よくまとまった新書的な佳作と思う。 個人的に興味深かったのが、記述の片隅に見え隠れするPRプロフェッショナルの影。 気のせいかも知れないが、街を思う真摯な思いが類似の行動を取らせているのかもしれないが、いまや一国の運命すら左右しかねないPR企業の定石戦略行動に近い動きが垣間見えた事。 (当プログでも彼等の冷徹非情な宣伝戦を描いた本は紹介したな) つまるところ、町興しは奇麗事だけではないって事だ。 「独自の試み」「地産地消」「自然保護」「住民参加型」「オンリーワン」 いずれも本当に大切な事である。これらなくしては地域興し・町興しの意味が無くなってしまう。 が、これらの美しい理想を実現し維持する為には、影で、美しくも素晴らしくもない現実と戦うハードボイルドなスタッフがいる・・・のだと思う。 名も知れぬ彼にこそ賛辞を送りたく思うのだ。 ともあれ、ビジネス書としても地域問題の提言書としても朝ドラ関連書としても秀逸な本作。 読んでみそ^^ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jan 8, 2006 12:38:43 PM
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