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カテゴリ:読後感
稀に活字で人を酔わせる作家がいます。
力みかえった主義主張でなく、キャラクターの魅力に寄らず、ストーリー展開の妙味ですらなく。 塗り重ね、積み重ねる文字の力で、悪酔いの一歩手前にある独特の浮遊感をもたらす。 純粋に文章だけが持つ魔性を解き放ち、読むものを異界に絡め取る技を心得た現代の魔法使い。 久々に出会った、そうゆう作家。 正直、かなり歯ごたえある作品ではありますが。 読むことで走る戦慄が心地よいのです。 エジプト。 アラブ。 フランス。 ナポレオン。 マムルーク朝。 オスマントルコ。 エチオピア。 秘教隠秘学 などなど。 ノーマルな人には耳慣れない&知ってるだけ。 と言う舞台設定だからな^^; 少々馴染むのに根性がいるかもわからんですが、がんばってみる価値は充分にある。 勘違いされないように書いておきますが、本作はストーリーテイリング。キャラクター造形。実に深い意味で神の高みに立った視界の広さ。語彙の豊穣さ。その全てで小説に望み得る高峰の極みに立っているぞな^^ アラビアの夜の種族(1) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Sep 12, 2006 06:37:05 AM
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