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ケルトの夢

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2009年03月28日
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感ガエル会.png  参加の映画鑑賞です。



イギリスの港町の楽器店に立ち寄った、うらぶれたトランペッターが語り始めた、数奇なピアニストの物語。

それは1900(ナイティーン・ハンドレッド)の伝説…

20世紀の幕開けに豪華客船上で生まれ、黒人の機関士に拾われた赤ん坊。
彼は機関士によって船の上で大切に育てられ、育ての父が事故死してしまった後、一等船室でピアノに出会い、天才を発揮する。

そのまま船の子として成長した1900は、人気のピアニスト、ただし一度も船から降りたことのないピアニストとして過ごし…




ティム・ロス、表情がものすごく魅力的ですね。
英国の役者の台詞回しが好きなので、堪能しました。

音楽がとても魅力的なのですが、ティムの演奏の演技にも本当にびっくり。
ピアノが弾けないなんて思えません。
「弾く演技」を相当研究し、トレーニングしたそうですが。
インタビューでも語っていますが、力の抜けた、自然に見える「演奏」です。
「対戦」するジャズピアニスト役のクラレンス・ウイリアム三世の「演奏」もとってもすてきです。


魅力的なシーンの一つが、トランペッターが初めて1900に会った、大シケの日(廊下に靴がいっぱいなのもシュール)。
グラウンドピアノを弾きながら、ピアノがまるで乗り物のように広間中を自在に動いていく。
幻想的です。

かつてのヨーロッパと新大陸を結ぶ大西洋の航路は、私たちの想像以上に大きな意味を持つ存在に違いありません。
そして、豪華客船というのは素晴らしい建造物なのだなあ、とあらためて思いました。


冒頭、船の甲板いっぱいの人にびっくり。
1900は一度の航海で出会う数は2千人と言っていました。


1900が恋する少女役の、メラニー・ティエリー(映画初出演)が魅力的。
恋する瞬間の演奏がレコードとして残っているなんて例はあるかしら?

トランペッターとの別れのシーンの演技もいいです。
1900の不思議な存在感が、いつまでも心に残っていきます。

1900の演奏シーンの中でもお気に入りは、三等船室での演奏と、イタリア移民のリクエストで、鼻歌からタランテラを演奏するところ。

音楽映画なので、できれば劇場で観たかったです。


ロマンティックでさりげない(仰々しくない)大作です。





作中で名前の出る港は、サウザンプトンとジェノバとニューヨークだと思いましたが、冒頭英国の港町はどこだろう?

かつて(18世紀、19世紀?)は、ヨーロッパから新大陸への船は、すべてリヴァプールから出航したそうですが。

リヴァプールは内陸(マージー川で海へでる)ですが、大きなドッグがあり、世界の海商都市でした。
リヴァプールとポーツマスには行ったことあるのですが、ポーツマスは軍港(かのネルソン提督が出航した港)だから、たぶん違うのでしょうね。

ポーツマスは「行った」と言っても、駅から豪華なお船が見えただけで、ライに行こうと思って列車を乗り間違えただけ(笑)なので、降りずにすぐ戻りました。
今思えば、提督を偲んで、下車してもよかったかなあ。
でも、余分に列車に乗ったのに、寛大な英国鉄道は間違って買った切符の差額まで返してくれました(腕にイレズミをした優しい車掌さんのおかげ)。






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最終更新日  2009年03月31日 03時01分39秒
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