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カテゴリ:極上の暇つぶし 映画
いよいよ(?)クリスチャン・ベール祭りも佳境な『アメリカン・サイコ』ですが、予想と全然違う映画でした。 大量殺人鬼には違いないのですが、猟奇殺人を描くことが目的でないし、むしろ凄惨な表現は避けた、笑える方向の作品でした。 なので、サイコ・サスペンスを期待して見た人からは大ブーイング(そりゃそうだ)。 主人公は80年代バブル真っ盛りのニューヨーク、絵に描いたようなヤング・エグゼクティブ。 若くて毛並みがよくて、高学歴(ハーバード)で、ハンサム。 デザイナーズ・ブランドのスーツがこの上なく似合う。 一流会社の中に個室と秘書を持ち、超高級マンションに住んでいる。 音楽聴いて、レストラン予約してるだけで、全然仕事してる描写ないけど(笑) まあ、お嬢様な婚約者(ウイザースプーン)が、「休めないよ」という彼に対して「お父様の会社なのに?」と言っているので、そんなわけなんでしょ。 エクササイズとエステで体とお肌のメンテナンス完璧で、自分にしか関心がない、いや、自分がどう見えるかにしか関心がない。 そんな彼だけど、「これは自分ではない」と感じている。 というか、どう見えるか、に腐心するあまり、自分はどこにもなくなってしまっている。 似たようなヤッピー仲間(スーツもメガネも髪型もそっくりな人物まで現われます)が集まると、話題はレストランの予約と、どこのスーツかと、そして、どんな名刺を刷ったか(笑) この、ほとんどそっくりな名詞合戦で、フォントや紙やインクにこだわって、本当におかしい。 もう、いいレストランに予約出来るとか、名刺の出来とかで殺意抱いちゃう(笑) 80年代の消費文化への痛烈な批判の映画でした。 このカリカチュアは、公開当時、実際のヤンエグの中で話題になったそうです。 きっと、「ほんと、俺たちこんなだよね」ってとこでしょう。 監督が、絶対ディカプリオでなくベールで!と主張したそうですが、もうぴったり! 軽快な動きで楽しそうに殺人の準備をする様子とか、美しい筋肉見せて、全裸でチェーンソー持って追いかけるとか(笑 映像全体がスタイリッシュで、凶器の一つの斧がまるで銀の美術品みたい。 外からは完璧な成功者に見えて、中は空疎でどうしようもなくて、みんな似たり寄ったりで、実際にしょっちゅうみんな名前を取り違えてるし、それが話のオチにつながったりもする。 クリスチャン・ベール、素晴らしいです!!(笑 どれか一作だけ見たら、ベールって役作りではなく「そういう人なんだ」って思っちゃいますね。 恐るべし(笑 ビジネス・スーツ姿がものすごく決まってるので、そんなところも必見です。 予告■(YouTube) 本作に向けてのインタビュー■(YouTube)とってもかっこいいですが、作中の人物と全然雰囲気違います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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