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テーマ:映画館で観た映画(8562)
カテゴリ:極上の暇つぶし 映画
公開前から楽しみにしていたのですが、楽しい内容でないことはわかっているので、いざとなると足が重く、今ごろ行きました。 期待通り、見応えのある作品でした。 吉田修一原作 李相日監督 脚本は吉田修一さんと李監督の共同脚本。 公開前にネット上で、祐一役としてはブッキーは背が残念としきりに言ってる方があり、すごくファンにとって思い入れのある役なのだなあ、と思いました。 その役をブッキーは切望したとのことで、どんな仕上がりなのか、楽しみだったのです。 人を殺した祐一ですから、色々な感じ方があると思います。 私には、途中から祐一が、というか、幼い時の祐一が愛しくてたまらなかったです。 原作は群集劇の中から、色々な証言の中で祐一という人間と事件が浮き上がって来る構造なのだそうです。 映画は、そういった群集劇の魅力を持ちつつ、最初から祐一を明確に描きました。 作者の吉田さんが脚本を書こうと思ったのは、原作では周囲から描いた祐一を、今度はしっかり描ききろうと思われたからだそうです。 そういう意味で、映像によってまた新たな肉付けをされた、何か幸せな作品、という気がします。 音楽に頼らない演出・演技と、だからこそ効果的な音楽。 ストイックな印象の美しい映像。 肉厚な作品で、ものすごく心を揺さぶられました。 吉田さんが脚本を引き受けた背景には、ブッキーが祐一を演じるという側面もあり、祐一と光代に関しては、キャストに引っ張られてより明確に描けた側面があるそう。 賞にも輝いた深っちゃんの光代の存在感。 祐一は、無感覚・無感動に毎日を過ごしていて、光代に出会って、幸せを感じて初めて罪の重さを思い知ります。 それが切ないし、人間としての救いだとも思う。 そして何より、「もっと早く出会っていればよかった」本当にその通りなので、運命が哀しい。 きっと私にとって、ずっと忘れられない二人です。 どのキャストもよかったですが、老人をだます松尾スズキさんが中々の好演。 日本映画に欠かせない光石研さん、もちろん出てます! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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