生きる上での幸福感
毎日毎日、多くのステキなことや出会いがあり、楽しく素晴らしい人生に感謝である。本日は午後から兵庫県健康管理士会の定例会がある。嫁さんは例のごとく孫目当てに大阪の娘の家に遊びに行った。さて日野原先生によると、人間が生きる上で重要なのは「生きる上での幸福感を持つ」ということらしい。幸福感こそ、最も大切なもの 私は2月の連休に2年振りにハワイに出張しました。羽田からホノルルへの直行便が夜半に出るので、成田発よりも時間的に1日得をした感じがしました。 出張の目的はホノルルで国際健診学会があり、私は会長としての発題講演をしました。定期的健診とは、人間ドックともいわれている、症状がなくても、体内に何かの異常があるかも知れないので、精密検査をし、結果も即刻知らされて非常に有効です。私はそこでは在米の健診にはない認知症(アルツハイマー病)の早期発見のテストと、加齢と共にからだが脆くなり、壊れやすくなる(脆弱性)を先延ばしできるよう早期に診断することの必要性を述べました。 それと同時に精密な検査装置としてのMRIやCTスキャンで検査すれば、誰でもどこかに異常が発見され、傷のない人は誰もないことと分かります。だが、たとえ体に何かの致命的ではない病気や異常があっても、その人が健康感をもち、生き甲斐を持って働ける、つまり生きる上での「幸福感」を持てば、その生き方こそが大切です。 一言でというと、国内総生産(GDP)よりも国民の幸福感(Gross National Happiness: GNH)の方がむしろ個人には大切だという、考え方の転換をもたらすという内容の本"Gross National Happiness"(「国民総幸福量」、作者Arthur C. Brooks, Basic Books, 2008)を紹介する講演を私は英語で発表し、日本からの参加者には日本語に同時通訳をしてもらいました。 くだいて言うと、健康問題についても、経済問題についても、また外交問題についても、この幸福感こそが地球上に生まれた人間すべての最も大切なものだという考え方です。 その翌日は、一般市民に「生き甲斐を求めて」と題しての公開講演を行いましたが、1000名近い日系や諸外国からの移民の市民が集まり、素晴らしいフラダンスのショーに皆幸福感を持って帰られたようです。 国際学会の懇親会でもフラダンスがありましたが、昔はスローなのどかなフラでしたが、最近はテンポが早く両手をたたいて調子を取ったり、体を「く」の字のようにそらせて速やかに踊るフラとなり、エレキで拡大したウクレレやギターでの伴奏や合唱で、聞く者、見る者を強く興奮させるパフォーマンスだったことが印象的でした。 日本では、高齢者の間にスローテンポのフラが流行っていますが、フラは手足や体の障害のリハビリテーションに効果的だと分かり、リハビリのダンスとも言われていることをお知らせしたいと思います。プロフィール 日野原重明(ひのはら・しげあき) 誕生日: 1911年10月4日 聖路加国際病院理事長 [出典:読売新聞]