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2007.09.19
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音符やさしくキスをして~音符のフレーズで有名な
 ドリカムの曲がありましたが・・・

 リンク先のracquoさんお勧めの映画
 「やさしくキスをして」
を見ました。

 なお、この映画はドリカムの歌とは無関係ですが、映画の中でも
 このフレーズが織り込まれた歌が登場しています。

 監督は「麦の穂をゆらす風」のケン・ローチ。

 かちんこやさしくキスをして
 2004年 イギリス/ベルギー/ドイツ/イタリア/スペイン
 監督  ケン・ローチ

  

 あらすじ ↓
 スコットランド、グラスゴーの高校で音楽教師をしている
 ロシーンは、ある時パキスタン移民二世のカシムと出会う。

 感想  ↓
 何かの宗教の敬虔な信者でもなく、とりあえず周りを
 みれば、同じ民族ばっかりという日本に住んでいる
 私達には、この映画で語られている宗教の重み、
 パキスタン移民の方々の苦労、家族のあり方などなど、
 判り難い部分は多いかもしれない。
 
 しかし、想像力を働かせ、スコットランドに渡った
 パキスタン移民の40年にわたる苦労、
 外国で差別を受けながら、異なった宗教と生活を
 守っていく中でつちかわれた家族という絆、

 言い替えれば絆が強い故のしがらみは、はかり知れない
 ものだと思える。

 そういう環境の中で育ったカシムが、家族の想像を
 絶する反対にあいながらも、ロシーンとの愛を育もう
 とする姿勢に、ジーンとくる。

 ややネタバレあり ↓
 そして、一見、優位に立っていそうなロシーンも、
 ミッション系の学校ということもあり、カシムと
 付き合っているという事で、自分の職を失ってしまう
 あたりは、さすがケン・ローチという感じ。

 そしてこの映画の中で登場するピアノは、
 ロシーンにとってかけがえのないもの。

 生活していくための糧であり、大切なもの。
 持ち上げるのには、かなりの困難を要する。

 そのピアノを運んであげ、ロシーンと急接近
 できたカシム、彼女にとってはこのピアノが
 物語の中でのカシムと家族の部分なのではないか?
 などとも感じられる。

 この映画を観ている時、おばあちゃんの言葉を思い出した。
 私の家族の一人が、結婚をする際に相手の家族と
 ややもめていた。
 
 短絡的な私は「そんなにうるさいこと言われるのなら、
 駆け落ちでもしちゃえばいいじゃん!」
 などと呟いたが・・

 祖母は一喝「犬や猫の子を貰うわけじゃあるまいし、結婚
 とは、そんな簡単なものじゃない~」
 「簡単に家族を捨てられるような薄情な人間がいいのか?
  そういう人間じゃないから、好きになったんでしょ。
  だから、やっかいなんだ」

 確かに・・その通り。カシムが家族のしきたりと
 ロシーンの狭間で悩む姿は、痛々しくもあり
 非常にやっかいな問題。

 カシムの姉はかなり保守的。カシムの行動の
 全てが自分の結婚にも影響を及ぼすとなっては、
 保守的にならざるを得ない。
 
 そして、カシムの妹はパキスタンの文化と
 イギリス文化を融合して、きちんと受け入れ、
 自分を主張できるミックス型。
 
 この2人の対比が興味深く描かれている。

 あの妹のように、少しずつ融合させていくことが
 できれば、もっと良くなるのだろうな・・・
   
 ともあれ、一歩踏み出したカシムとロシーンの
 2人に心からエールを贈りたいと思えた。

 考えさせられる部分も多いけれど、
 とても好きな映画の1本となりました。
 ラストも素晴らしい。

 ご紹介してくれたracquoさん
 ありがとうございました!!

 カシムとロシーンの初々しさもとても良かった。
 「カシムとロシーン」って、いい響きだな・・・





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最終更新日  2007.09.19 16:18:05
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