与那国島
ビッグローブの記事を読んで複雑な思いをした。 「与那国島町長が、防衛省に陸自の配備を要請した」という記事である。 かつて与那国島は女王が支配した(琉球王国から独立した)国家であったという説がある。その後、琉球王国は中継ぎ貿易を行うために、与那国島を支配した。与那国島は日本列島の最西端に位置し、沖縄より台湾に近い距離にある。中華民国時代に民国から与那国島を正式に日本帝国領と記述された文書が残されているというが、台湾人は今でも沖縄とは呼ばない。数年前に台湾一周旅行した時にTVの天気予報では、お天気地図上の沖縄県を琉球と書いてあって、その領有権の主張に驚いた。 与那国島は人口約1,800人。全島民を集めてもおいらの勤め先の本社ビルより少なそうだ。だがこの島には空港があるから行こうと思えば行ける。羽田からだと那覇で乗り換え与那国島まで約4時間半。片道運賃59,000円。ぬぁに!驚 与那国で使われる言語は本島の琉球語とは著しく異なり(南方琉球語)沖縄本島の人(北方琉球語)の人との会話は不可能だと聞いた。全く違うらしい。 西表島(いりおもてじま)は西が「いり」だが、東は「のぼり」だそうだ。つまり太陽が昇るの東で、沈むのが西だから「いり」だそうだ。 日本語(本土)はアイヌ語と語源が異なるされるが、『日本語族』には日本語派と琉球語派との分かれる。日本語派はさらに東日本語方言、西日本語方言、九州語方言とに分かれる。琉球語派は沖縄本土より奄美大島あたりまでが『北方琉球方言』、それ以外が『南方琉球語方言』と呼ばれる。そしてそれぞれの方言が更に細かく島ごとに分かれる『○○弁』となる。 話は飛びすぎるかもしれないが、以前社員研修の講師として青森県の販売会社の新人向けセールス研修を3年やった。一年目は弁の違いを知らずに、また主催者側も標準語(ここでは東京弁を意味する)で研修をやってくれというのでそれに従ったが、セールス教育より言葉(弁)の違い壁を強く感じた。青森の青年たちはTV等で十分に標準語を学習しているから、その点での違和感ではなく、青森県内の○○弁による意思の疎通の壁だと分かった。「津軽弁」「南部弁」のほか「下北弁」とがあり、グループミーティングを研修に取り組むと、ディスカスが成立しないのだ。あ~こりゃだめだ。しかし、彼らが働く場所はそれぞれの弁が使われている地域であるし、無理やり普段使わない標準語で研修を進めていいのかかなり躊書した。結局、講師の私がそれぞれの○○弁を理解できないのだから、しかたなく標準語で行うしかなかった。 話は戻すが、数年前に台湾では徴兵令がおわり職業軍人が軍隊を組織している。つまり、台湾と中国本土(レッドチャイナ)との軍事衝突の危険性が薄らいだとみているのだろう。そうすると中国は明治時代に行われた琉球処分で残った沖縄の領有権に興味を持つ。琉球処分が行われる前までは、琉球は、日本と清との両属国と考えられていたからだ。 WW2のあと、アメリカ軍は沖縄を占領し、琉球政府を樹立した。琉球民族は日本民族と異なると判断し、琉球国家防衛を目的として米軍基地を作った。日本における米軍基地は沖縄県にその70%が集中している。普天間基地の移設が決まれば、与那国島は中国からの進撃を受ける恐れがある。平成20年の沖縄サミットに中国政府が参加しなかった理由はそこのあるやもしれない。そこで中国からの防衛のために与那国島に陸自を配備してほしいと町長が要請したのではないかと思う。 与那国単独ではそでに国家は作れない。かといって米軍に基地を提供したくない。よって陸自に来て欲しいという結論になったのだろう(?)と思った。