無茶なダイエット
運動のみ、食事制限なしで体重を減らすのは、「正攻法」ではあるけど、難しい。運動すれば腹も減る。食欲は旺盛になるから、逆に体重は増える。デフレ傾向の中、商品の値下げで販売量を増やし、売上を上げて期末決算の黒字化を目指すが、売上を伸ばそうとするあまり、コストばかりが重なってしまった企業である。これでは正攻法もギャンブルである。 1ッ月で5Kgの体重を減らそうとすると絶食が手っ取り早い。プロボクサーみたいなものだ。恐ろしいほどの勇気と決意と無謀さが必要だ。制限体重を下回らなければリングにはあがれない。これも健全とは言いがたく、ギャンブルでもある。 多くの企業はコスト削減に走る。期末決算までにはスマートになっていたいからだ。製造原価や販管費(販売費+一般管理費)を削って、取引業者には納入価格の値引きをせまり、絶食型の黒字決算を目指す。 損益計算書(PL)を単純に表すと、 売上高ー(売上原価+販管費)=営業利益 営業利益が赤字であれば株主は離れていく。銀行の融資もストップする。 道理である。 販売値引きを行い増収を狙ってもダメだし、絶食してもダメである。八方ふさがり。 絶食まがいのコスト削減で命をつないだ昨年度の多くの企業に待ち受ける「反動」を想像すると、恐ろしい気がする。