「2007年の読書記録・西洋史部門」
こちらは、西洋史関連の文献の読書記録です。書籍部門と、論文部門に分けて紹介します。小説部門と同じく、番号は読んだ順番です。(書籍)1.ミシェル・パストゥロー(松村恵理/松村剛訳)『青の歴史』2.徳井淑子『服飾の中世』3.徳井淑子『色で読む中世ヨーロッパ』4.徳井淑子編訳『中世衣生活誌―日常風景から想像世界まで―』5.D・E・トルーブラッド(小林哲夫・小林悦子訳)『キリストのユーモア』6.池上俊一『動物裁判―西欧中世・正義のコスモス―』7.甚野尚志・堀越宏一編『中世ヨーロッパを生きる』8.池上俊一『ヨーロッパ中世の宗教運動』9.アラン・コルバン(渡辺響子訳)『感性の歴史学―社会史の方法と未来―』10.フェーヴル/デュビィ/コルバン(小倉孝誠編)『感性の歴史』11.ジャック・ル・ゴフ(加納修訳)『もうひとつの中世のために』12.J-L・フランドラン/M・モンタナーリ編(宮原信・北代美和子監訳)『食の歴史1』13.J-L・フランドラン/M・モンタナーリ編(宮原信・北代美和子監訳)『食の歴史2』14.D. L. d'Avray, The Preaching of the Friars. Sermons diffused from Paris before 1300(D・L・ダヴレイ『托鉢修道士の説教活動―1300年以前、パリから普及した説教―』)15.J-L・フランドラン/M・モンタナーリ編(宮原信・北代美和子監訳)『食の歴史3』16.ジャック・ル・ゴッフ(渡辺香根夫訳)『中世の高利貸―金も命も』17.ロベール・ドロール(桃木暁子訳)『動物の歴史』18.ミシェル・パストゥロー(松村恵理/松村剛訳)『王を殺した豚 王が愛した象―歴史に名高い動物たち―』19.ピーター・バーク(大津真作訳)『フランス歴史学革命―アナール学派1929-89年―』20.ミシェル・パストゥロー(石井直志/野崎三郎訳)『ヨーロッパの色彩』21.ミシェル・パストゥロー(松村剛監修/松村恵理訳)『紋章の歴史―ヨーロッパの色とかたち―』22.ジャン・ドリュモー(福田素子訳)『告白と許し―告解の困難、13-18世紀』23.池上俊一『狼男伝説』24.ロジェ・シャルティエ/グリエルモ・カヴァッロ編(田村毅他訳)『読むことの歴史―ヨーロッパ読書史―』25.池上俊一『歴史としての身体―ヨーロッパ中世の深層を読む―』26.池上俊一『賭博・暴力・社交―遊びから見る中世ヨーロッパ―』27.ミシェル・パストゥロー/ドミニク・シモネ(松村恵理/松村剛訳)『色をめぐる対話』28.ジャック・ル・ゴフ(桐村泰次訳)『中世西欧文明』(論文)1.Michel Pastoureau, "Le symbole medieval. Comment l'imaginaire fait partie de la realite"dans Michel Pastoureau, Une histoire symbolique du Moyen Age occidental, Seuil, 2004, pp. 11-25.(ミシェル・パストゥロー「中世の象徴―いかに想像界が現実の一部であったか」『西洋中世の象徴の歴史』所収)2.Michel Pastoureau, "L'Etat et son image emblematique"dans Michel Pastoureau, Figures et Couleurs. Etude sur la symbolique et la sensibilite medievales, Paris, 1986, pp. 61-69.(ミシェル・パストゥロー「国家とその紋章のイメージ」『図柄と色彩―中世の象徴と感性に関する研究』所収)3.Michel Pastoureau, "Les proces d'animaux. Une justice exemplaire?"dans Michel Pastoureau, Une histoire symbolique du Moyen Age occidental, Seuil, 2004, pp. 29-48.(ミシェル・パストゥロー「動物裁判―模範的な裁判か?」『西洋中世の象徴の歴史』所収)4.Michel Pastoureau, "Le sacre du lion. Comment le bestiaire medieval s'est donne un roi"dans Michel Pastoureau, Une histoire symbolique du Moyen Age occidental, Seuil, 2004, pp. 49-64.(ミシェル・パストゥロー「ライオンの聖別式―いかに中世の動物誌は王をいだいたか」『西洋中世の象徴の歴史』所収)5.Agostino Paravicini Bagliani (traduit de l'italien par Luc Hersant), "Ages de la vie"dans Jacques Le Goff et Jean-Claude Schmitt, ed., Dictionnaire Raisonne de L'Occident Medieval, Fayard, 1999, pp. 7-19.(アゴスティーノ・パラヴィキーニ・バグリアーニ「人生の諸時期」ジャック・ル・ゴフ/ジャン=クロード・シュミット編『中世西洋の批判的事典』所収)*著者の名前の読み方は間違っているかもしれません。6.Michel Pastoureau, "Chasser le sanglier. Du gibier royal a la bete impure : histoire d'une devalorisation"dans Michel Pastoureau, Une histoire symbolique du Moyen Age occidental, Seuil, 2004, pp. 65-77.(ミシェル・パストゥロー「イノシシ狩り―王の獲物から不浄な動物へ:ある地位の低下の歴史」『西洋中世の象徴の歴史』所収)7.Michel Pastoureau, "Bestiaire du Christ, Bestiaire du Diable. Attribut animal et mise en scene du divin dans image medieval"dans Michel Pastoureau, Couleurs, Images, Symboles. Etudes d'histoire et d'anthropologie, Paris, Le Leopard d'Or, 1989, pp. 85-110.(ミシェル・パストゥロー「キリストの動物誌・悪魔の動物誌」『色彩・図像・象徴―歴史人類学研究』所収)8.Michel Pastoureau, "Introduction a l'histoire symbolique du taureau"dans Michel Pastoureau, Couleurs, Images, Symboles. Etudes d'histoire et d'anthropologie, Paris, Le Leopard d'Or, 1989, pp. 221-235.(ミシェル・パストゥロー「雄牛の象徴の歴史序論」『色彩・図像・象徴―歴史人類学研究』所収)9.Michel Pastoureau, "Les vertus du bois. Pour une histoire symbolique des materiaux"dans Michel Pastoureau, Une histoire symbolique du Moyen Age occidental, Seuil, 2004, pp. 81-97.(ミシェル・パストゥロー「材木の効力―材料の象徴の歴史のために」『西洋中世の象徴の歴史』所収)10.Michel Pastoureau, "Une fleur pour le roi. Jalons pour une histoire medievale de fleur de lis"dans Michel Pastoureau, Une histoire symbolique du Moyen Age occidental, Seuil, 2004, pp. 99-110.(ミシェル・パストゥロー「王のための花―百合の花の中世史のための道しるべ」『西洋中世の象徴の歴史』所収)11.Michel Pastoureau, "Voir les couleurs du Moyen Age. Une histoire des couleurs est-elle possible?"dans Michel Pastoureau, Une histoire symbolique du Moyen Age occidental, Seuil, 2004, pp. 113-133.(ミシェル・パストゥロー「中世の色彩を見る―色彩の歴史は可能か?」『西洋中世の象徴の歴史』所収)12.Michel Pastoureau, "L'image heraldique"dans Michel Pastoureau, Figures et Couleurs. Etude sur la symbolique et la sensibilite medievales, Paris, 1986, pp. 115-124.(ミシェル・パストゥロー「紋章の図像」『図柄と色彩―中世の象徴と感性に関する研究』所収)~西洋史部門総評~ なんといっても、ジャック・ル・ゴフ『中世西欧文明』の邦訳が出たことです。これは嬉しかったです。内容も本当に面白く、邦訳書として残念な点もありましたが、それでもこの邦訳はありがたいです。 ロジェ・シャルティエ他『読むことの歴史』、ロベール・ドロール『動物の歴史』は、在学中に購入し、通読したいと思いながらできていなかった文献です。この2冊を読了できたのも良かったです。 『食の歴史』全3巻は、今年買って読みましたが、とても読み応えがありました。 ミシェル・パストゥローの新しい邦訳書『色をめぐる対話』が出たのも嬉しかったです。 論文の方は、とにかくミシェル・パストゥローの論文を中心に読みましたね。『西洋中世の象徴の歴史』については、もう一本、中世の染め物師に関する論文を読んでいるのですが、ノート作りが進んでいません。しばらく、外国語文献を読むのは厳しいですね…。 今年読んだ論文の中で面白かったのは、「イノシシ狩り」と、「材木の効力」、「雄牛の象徴の歴史序論」といったところでしょうか。フランス語をもっとさくさく読めるとよいのですが、しばらく読まないとどんどん読む力が落ちていきます…。