ある卒業生の死
今春、卒業した学生が自らの命を絶った。非常に残念でならない。彼自身、僕らの想像以上に悩み苦しんでいたに違いない。先日、通夜に赴いた際、生前の彼に思いを巡らしながら、彼が自らの命を絶つ瞬間を迎える直前の心境を想像した。ショックであった。心に重くのしかかった。「なぜだ??死ぬことはなかったのに・・。なぜだ??」と何度も自らに問うた。が、答えは、まったく見つからなかった。同時に残された家族、友達、講師など彼に関わった人たちの心の痛みを思うと、彼の決断はあまりにも悲しすぎる。何で一言相談してくれなかったのかと・・。いろいろな意味で考えさせられた。誰人たりとも、自らのおよび他の命を粗末にすることは、罪である。まして、自分の命を自分で絶つなど・・。自分の命は自分だけのものではないはず・・。誰人たりとも、生きる価値のない人間などいない(要は、自らの人生において生きる価値を求め、戦って手にすることができるかどうか)。それを気づく前に・・あまりにも早すぎる、そして若すぎる彼の決断に、とまどうばかりだ。彼が死を選んだ理由は、いまだに不明だが、命の尊さを伝えきれなかったことが残念でならない。こんなに悲しんでくれる家族や仲間がいたということを彼は知っていたのだろうか??ただ1つだけ言えるのは、彼の行為は、取り返しのつかないことであるがゆえに間違っていたとしかいいようがない。彼の冥福を祈るばかりである。 また、他の学生にいいたい、何があっても絶対あきらめないで欲しい。死を選ぶ勇気があれば、どのような困難も乗り越えることができるはず。今後の人生で、どのような困難にあっても、自らの命を絶つという最も愚かなで、最も罪深い行為を選んではならない。僕らの命は、僕らが考えている以上に尊い。人間は自ら望んで生まれてきたのだから。合掌