2月文楽公演@国立劇場
本日、第3部まで無事見終えました。2月文楽公演いや~3部制はきっついわ。今回3部のうちどれか組み合わせて通しで見ようと思ったんだけど、あいにくチケットがうまく取れなくて結局3回劇場に通うことになりました。あでぃなさんが「1公演の時間が長いから通しで見ると疲れるよ」とおっしゃってたんだけど、たしかにコレはきついわ。1部見るだけでだいぶ疲れます。第1部は11日に行ってきました。演目は『彦山権現誓助剣(ひこさんごんげんちかいのすけだち)』。歌舞伎でも『毛谷村(けやむら)』としてよく出る演目です。この日は「お前はいったい何しに来たんだ!」ってくらい爆睡してしまってよく覚えてない。ほとんど寝てました。でも毛谷村の段が始まって幕が開いたとき、六助と微塵弾正が向かい合って試合、という場面が印象的でした。とても新鮮な幕開きだなぁと。人形同士のチャンバラってなかなか面白い!そうだ、この日は前に座高の高い男の人が座ってたから正面の席なのに舞台の真ん中がほとんど見れなくてフテ寝したんだった。ほんとにねー、座高の高い人は意識して浅く腰掛けてほしいわー。昨日18日が第2部。本公演のメーンともいえる演目でしたね。『義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)』と、お夏清十郎から『五十年忌歌念仏(ごじゅうねんきうたねぶつ)』。つねづね思ってるんだけど、『義経千本桜』って本当によくできたタイトル。タイトルにある義経自身はあまり出てこなくて源平の周辺エピソードがドラマチックに描かれるわけです。だいたい合戦で死んだといわれている平家の武士たちが主人公で、それからしてものすごいフィクション。なんといってもこのタイトルの字面が大好き。華やかで荘厳でいながらはかなさがある。世の中にあるあらゆる作品タイトルの中でもバツグンのセンスではなかろうか。などと演目に触れるたびに思います。公演のほうは、なんというか歌舞伎で見すぎているためどうしても筋をなぞるような気持ちになってしまって、あまり入り込めなかったかな。歌舞伎とはココが違うなぁとか。だいたい今回の『すしや』の話はあまりに理不尽すぎて好きじゃないのよね。お夏清十郎のほうは、狂乱したお夏の人形を豊松清十郎さんが遣うという、もうそれだけでオッケーみたいな(意味不明w)。恋するあまりに発狂しちゃうというストーリーは古今東西たくさんあるけど、じつはそういうの大好きなんです。映画『アデルの恋の物語』とか『嵐が丘』(発狂じゃないけど)とか『八百屋お七』とか。お夏清十郎は文楽でちょこちょこと部分的に見てるけど、いつか通しで見たいな。そして今日が第3部。ワタシ的には第3部がいちばんよかった! なんつっても『日本振袖始(にほんふりそではじめ)』、岩長姫ことヤマタノオロチの勘十郎さん。もうワンマンショーでした。ホントにすごい!! 繊細な表情とダイナミックな動きに思わず身を乗り出して見入ってしまいました。大蛇たちも人形ならではの演出ですごく楽しくてワクワク。そして大好きな呂勢大夫に三味線が大迫力の鶴澤清治。もーーーーーのすごくよかったです。終わったあと、あ~面白かった!って思わず口にしてしまったくらいでした。『菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)』は、これまた歌舞伎でさんざん見ている寺子屋。なんと今日の教育テレビでやってましたね、キッチーの松王丸。松王丸を遣ってたのは玉女さんなんだけど、人形重そうだったな。相当な体力が必要だろうなーと思いながら見てたりw玉女さん、髪が真っ白になっててびっくり。今まで染めてたのかしらね。まあどうでもいいんだけど、髪が白いとますます貫禄が出ますわ。今日の教育テレビ歌舞伎の前にNHK総合のアーカイブスで『新八犬伝』やってましたね。これ当時夢中になって見てました。今でも歌が歌えるもんね。いざとなったら珠を出せ~♪ すごい歌詞だ(笑)。しかしね、人形が辻村ジュサブローで、演出に歌舞伎や義太夫、はたまた浪曲の手法が使われていたりして、子ども向け番組とはいえ素晴しい芸術のエッセンスだったのだなぁと改めて感心してしまいました。最後の最後に緊急地震速報があったのが残念だったけどこれもまたNHKだからしかたないか。今回のプログラムに絵葉書がついてたんだけど、いつからそうなったんだろう? 嬉しいけどすしやじゃなくてヤマタノオロチにして欲しかった。まさか絵柄がランダムなんてことないよね・・・?